無添加85話 心根の優しい娘
と、いうわけで。
約束の時間になって、俺たちは再び街の東にある牛飼いのもとへとやって来たのだが――
「随分と人数が増えてんじゃねぇか。何事だ?」
「まぁ、諸事情によりってとこだ……」
ルシアにギルベルタ、マーシャとバルバラ&テレサ姉妹が増えていた。
牧場長のモーガンが分かりやすく顔をしかめている。
人数が倍以上になってるからな。そりゃ驚くわ。
おまけに、他区の領主とそこの給仕長、全区に影響力を持つ海漁ギルドのギルド長が混ざってりゃ度胆も抜かれるだろう。
俺だったら追い返すな、うん。
「しかも、こんないい女ばっかり連れてきやがって……。見ろ、ウチのバカどもが見惚れて手ぇ止めてやがる」
牧場のあちらこちらで作業をしていた牛飼いたちが、鋤や荷車を手に立ち止まり、居並ぶ美女たちを呆然と見つめていた。
中には魂がちょっと抜けかけているヤツもいた。口閉じろ、口。開き過ぎだ。
「ふふ、いい女――か。異性を称える紳士的な心の持ち主のようだな。見習え、カタクチイワシ」
「ルシアさん、今日もちょーキレー」
「ふなっ!? な、ななにを急にっ、こ、こんな公衆の面前で、たわ、戯けたことを抜かすな、カタクチイワシの分際で!」
どーしろっつうんだよ。
「こら、バカども! さぼってやがると、今日は酒禁止にするぞ! 働け!」
「「「へ、へい!」」」
モーガンの一喝で、遠巻きに美女たちを観察していた牛飼いたちが慌ただしく動き始める。
仕事を再開させた牛飼いたちだったが、後ろ髪がひかれまくりだ。まだちらちら様子を窺っていやがる。
「ったく、最近の若いもんは」
うわぁ……どこ行ってもジジイは同じこと言うんだなぁ。
「モーガン。お前らの世代がしっかりしていて今の世代がしっかりしてないってことは、お前らを育てた世代の躾がしっかりしていて、お前らの世代が後進をちゃんと教育出来てないってことなんだぞ? まずは自省しろ」
「やかましい! 若造が理屈をこねるな!」
わぁー聞く耳持ってやがらねぇー。この石頭が。
「おい、ペペ! オレぁちょっと抜けるが、若ぇヤツらの面倒、しっかり見とけよ!」
「へい!」
少々おでこの広い卑屈そうな顔をした牛飼いがモーガンに言われて姿勢を正す。
あのオッサン、ペペって名前なのか。ふざけた名前しやがって。……ただ、どっかで見たような記憶が…………
「あの方、以前大通りでお見かけした方ですね」
「大通りで?」
「はい」
ジネットもぺぺに覚えがあるらしく、しかも俺よりも明確に記憶しているらしい。
「マグダさんが初めて陽だまり亭へいらした時に、牛の運搬をされていた方だと思いますよ」
「あぁっ! 大通りで暴れ牛を逃がした牛飼いか!?」
それは、マグダと出会って間もなく、なんやかんやあった結果マグダを陽だまり亭で預かることになって、狩猟ギルドから陽だまり亭へ移動している途中のことだ。
逃げ出した牛が大通りで暴れて、それをマグダが鎮圧したのだ。
あの時に初めて『赤モヤ』を見たんだよな。その後の凄まじい食欲も。
思えば、獣人族の桁違いのパワーを実感したのはあの時かもしれない。それ以前にデリアに出会っているので桁違いのパワーは垣間見ていたが、デリアは見るからに強そうだし、ギルド長だったから。
マグダみたいな小さな女の子があんなパワーを持っていることに驚いたのを覚えている。
「しかし、よく覚えていたなジネット」
「職業柄、人の顔を覚えるのは得意なんです」
そういえば、ジネットはチラッと会っただけのヤツのこともよく覚えている。
ガゼル姉弟にしたって、ただでさえつながりの薄い飲食ギルドの、それもたった数回会っただけの別の飲食店店主のガキの顔をよく覚えていたもんだ。
「俺には習得出来そうもないスキルだな」
「うふふ。ヤシロさんは人の顔と名前を覚えるのが苦手ですものね」
金が絡まない限りはな。
必要のない情報で脳のメモリーを浪費したくないんだよ、俺は。
覚えておきたい谷間や揺れ、フリルやシースルーがたくさんあるからな。
「わぁ~! ぅしさ~ん! おっきぃ~ねぇ~!」
テレサが柵に上って牧場を眺めている。というか身を乗り出してはしゃいでいる。
なんか、年相応の姿にほっとする。妙におとなしかったり、聞き分けが良過ぎたりしたからなぁ、テレサは。
きちんとこういう子供っぽいこともさせてやらないとダメ…………じゃねーか、バカ姉!
……ふぅ、危ない危ない。
危うく面倒見のいい人っぽい意見を口にするところだった。
なんで俺がテレサの教育環境を憂慮しなければいけないんだ。姉や義両親の務めだろう、それは!
ちゃんとしろ、バルバラ!
で、そのバルバラはというと……
「うっわ! クサっ!? なんだこいつら! 顔でけぇ! でもそれよりやっぱりクサっ!」
「随分正直なネーちゃんが来てるようだなぁ、ん? いいんだぜ、嫌なら今すぐ帰ってもらってもなぁ、ん?」
「ま、まぁまぁ。あの姉妹は初めての牧場なんだよ。どうか穏便に頼むよ、ね?」
「姉妹っていうがよぉ……姉と妹が逆じゃねぇのか、ありゃあ」
バルバラの無礼をエステラが丸く収めている。
大変だな、領主も。まだ正式な四十二区民でもないバルバラまでかばってよ。
「妹の方は、素直でかわいらしいのによぉ」
「え……っ。まさか、君もそーゆー人種なのかい?」
エステラがドン引きフェイスでずざざっとモーガンから距離を取った。
臭そうに鼻を摘んでいる。
「違ぇわ! というか、鼻を摘むな! 臭くねぇよ!」
なんだろうか。
この街のそれなりに年齢のいっているそこそこの身分の人間は幼女趣味に走りがちな傾向でもあるのか?
ハビエルとかドニスのように。
「オレぁ、どっちかってーと、こっちの領主さんみたいな、グッとくる大人っぽい女の方が好きなんだよ」
「ふふん。見る目がある男というのはこの者のようなことを言うのだ。見習え、カタクチイワシ」
「ルシアさん、エローい」
「きゅ、急に褒めるな! その減らず口をタカアシガニに挟ませるぞ!」
褒められたいのか褒められたくないのか、どっちなんだよ。
「今の褒めてるかな?」
「受け取り方次第思う、本人の。嬉しかった模様、ルシア様は」
エステラが酸っぱい顔をしている。
色っぽいとかセクシーが褒め言葉ならエロいも褒め言葉だろうが。意味はほぼ一緒なんだし。
「エステラ、ひわ~い☆」
「それは純然たる悪口だよ、マーシャ!」
うん。
同じ意味でも受け取り方次第というわけか。
『俺、お前を見ているとムラムラしてくるんだ』
……う~ん、ギリ褒め言葉?
「おう、こら。遊んでないでさっさと行くぞ。言われたとおり話は付けてある。きっと今頃待ちくたびれちまってるぞ」
モーガンがバルバラの首根っこを捕まえつつ俺たちに進言する。
トムソン厨房の女将を店で待たせているようだ。
「ほれ、お前は荷物を運ぶんだろうが。さっさと準備しろ」
牛を指差して「臭い臭い」言っていたバルバラを引き摺るように、牧場を仕切る柵から遠ざける。
ちょっとイラついていたようだ。さっさと牧場から追い出したいって気持ちが溢れ出している。
「わぁ、ちょっと待てって、ジイサン!」
「誰がジイサンだ! オレぁまだ五十八だ!」
バルバラから見りゃジイサンだよ。
頑張るなよ、もう。
「あの牛! なんか元気なくないか?」
首根っこを掴まれながら、バルバラが一頭の牛を指差す。
その牛は、確かに少々やつれていて、毛並みもあまりよくなかった。
「あいつはなぁ……、まぁ、今ちょっと病気をしちまってんだ」
「ちゃんと栄養ある物食わせてやってるか? ダメなんだぞ、腹が膨れる物とか、甘い物ばっかりじゃ! 美味しくなくても野菜を食わせてやるんだぞ」
それは、お前が周りから散々言われてることだろうが。
野菜嫌いだとか抜かしやがって。
しかし、バルバラの意識改革は遅まきながらも進んでおり、栄養バランスなんてものを分からないなりに意識するようにはなっているようだ。
やっぱ、テレサの目の一件が大きかったんだろうな。
二度と同じ過ちを繰り返すことはないだろう。
「アーシがとーちゃんに頼んでトウモロコシ持ってきてやるよ! 美味いんだぞ、とーちゃんのトウモロコシは。とーちゃんのトウモロコシを食えば、あの牛もすぐに元気になるぞ、きっと!」
「そんなに美味いのか?」
「あぁ! 世界一だ!」
スイートコーンは栽培してないけどな。
人間用と考えると、世界一ってのはどうかと思うぞ。トルティーヤとかポップコーンに加工するには申し分ないけども。
「おーい、牛ー! お前も食いたいよなー? とーちゃんのトウモロコシ!」
バルバラが手を振って牛に問いかけると、毛艶の悪い牛がゆっくりとバルバラの前へと歩いてきて、バルバラの顔を舐めた。
長い舌がバルバラの頬を撫でる。
「ぅどぅおゎぁあああ!?」
顔を舐められたバルバラが奇妙な声を漏らし、次の瞬間には弾けるように笑い出す。
「なはは! なんだよ、お前ー! アーシはトウモロコシじゃないぞ~! そんな美味しそうな匂いしたか? そうかそうか。そんなに食いたいか、とーちゃんのトウモロコシ! お前はいい物が分かる牛なんだな!」
「んもー!」
牛の大きな頭を抱きかかえ、ぐりんぐりんと撫で回す。
牛も嫌がる様子を見せずに、好きなように撫でさせている。
「お前、よく見たら目がキラキラして可愛いな!」
「分かるか!?」
「ぅおう!? なんだよ、ジイサン!?」
「ジイサンじゃねぇ!」
牛を可愛がるバルバラに、モーガンが突進していった。
牛の接近より怖いな、モーガンの急接近は。
「こいつは病弱だが、心根の綺麗な牛なんだ。瞳を見りゃ分かるだろう? こいつはな、穏やかな日常を愛する、いい牛なんだぜ」
「何言ってんのかよく分かんねぇけど、こいつがいい牛だってのは分かるぞ」
「そうかそうか! 分かるか! がはは!」
ばしばしとバルバラの背中を叩いて、モーガンがこちらへ戻ってくる。
満足げな顔でウンウンと頷き、訳知り顔で言い放つ。
「あの娘は若いのに見所がある」
「手のひら返し過ぎだろう」
「目を見りゃあ分かる。あの娘は、少々口と態度は悪いが、心根の優しい娘だ」
えぇ……すぐに暴力で解決しようとする単細胞で、人の言うことの半分も理解しないバカサルなんだけど?
心根が優しかろうが、その上に育つ茎やら花やら実が全部猛毒だったらダメなんじゃね?
「オレぁ、牛飼い一筋五十余年だ。牛みたいな女が好きなんだよ」
「あぁ、巨乳な。分かるぜ」
「ヤシロ、君は何一つ分かっていないから口を閉じるように」
エステラに首根っこを掴まれてモーガンから引き離された。
折角牛並みの巨乳について熱く語り合おうとしていたところなのに。
「おう、娘。見てたきゃいつまででも見ててやってくれ。この荷車はオレが曳いてってやる」
「ん? そうか、ありがとう」
「礼には及ばねぇよ」
「けど、臭いからもういいや。アーシも一緒に行くぞ」
「ふふ……そんな悪態を吐けるほど、ウチの牛と打ち解けたのか。やるな、娘」
いやいや。
なんら、一切、何一つ変わってねぇだけだから。
あいつの主張、ずっと『臭い』だから。
『可愛い。けど臭い』だから!
変わったのはお前だよ、モーガン。
なに、その「一度認めたヤツは何がなんでも擁護する」みたいな姿勢。
俺、三割くらい本気出したらこの牧場乗っ取れそう。乗っ取らないけど。
「んじゃ、モーガンは食材を載せた荷車を、ギルベルタはマーシャの水槽を、エステラは面倒くさいルシアを運んでくれ」
「ヤシロ、ボクには荷が重いよ」
「失敬だぞ、エステラにカタクチイワシ! 私は一人で歩いていける」
ギルベルタがマーシャを運ぶからお目付け役が必要なんだよ。
道端で遊ぶ獣人族の子供が誘拐されたりしたら大変だからな。
ちなみに、バルバラには水槽を押させない。マーシャからNGが出ているのだ。
なんでも、発車停車が乱暴で水が零れるのと、カーブが下手で乗り物酔いするかららしい。
あるんだな、アレを押すテクニックっての。
「英雄。アーシは?」
「テレサと手を繋いでついてこい」
「よっし! テレサ、手ぇ繋ぐぞ!」
「ゎーい! おねーしゃ、おててー!」
「ふむ。妹にもあんなに懐かれて……やはり心根がな」
もういいよ、うっせぇよモーガン。
全肯定し始めてんじゃん。
詐欺師が引くレベルでチョロイな、お前。
「ほんじゃ、モーガン。案内を頼む」
「おう。ついてこい、お前ら」
モーガンを先頭に、俺たちは牧場を離れトムソン厨房へと向かった。
牧場付近のあぜ道を出て、平らにならされた通りへと抜ける。
大通りからは遠いが四十一区から続く街道に近く、近隣の牧場関係者や四十一区の街門を使う狩猟ギルドや、他区への移動が多い行商ギルドの連中なんかがよく利用する飲食店の多い一角。そんな場所にトムソン厨房は存在した。
陽だまり亭からは遠く、こういう用事でもなければ足を向けるようなことはなかっただろう。
「大通りとは違う、独特の雰囲気があるな」
「この辺りを利用するのは酒好きがほとんどだからな。お前ぇんとこの陽だまり亭みたいなオシャレな店はねぇんだよ」
モーガンがそう言ってニヤリと笑う。
自分はこっちの方が落ち着くんだぜというアピールのように聞こえた。
確かに、酒好きが気負わず気軽に立ち寄れそうな、呑兵衛横町的な無骨で荒削りな、ある種廃退的にも見える雰囲気だ。
けれど、煌びやかな店に無縁のむさ苦しい男どもにはこういう雰囲気が堪らなくいいのだろう。
オシャレなバーより赤提灯の屋台がいい、みたいな。
「これでも大分綺麗になったんだよ。以前はもっと……ね」
エステラが肩をすくめると、モーガンも当時を思い出すように辺りをぐるりと見渡した。
「まぁ、そうだな。去年の大雨の被害の後からこの辺りを作り変えるって話が出始めて、反対してる連中が何人もいてちょっと揉めたりな。オレも反対派だったしよぉ。領主代行だった嬢ちゃんとは結構顔を合わせたよな」
「あはは……ほんと、あの時は大変だったよ」
街門の設置や街道の整備の前の話だ。
小汚いくらいがちょうどいいと思っている連中からの反発が結構出ていたらしい。
「けど、この場所の良さを残したまま、全体的に小ざっぱりして、オレぁ前より好きだぜ、今のこの雰囲気はよ」
「そう言ってもらえるとほっとするよ」
エステラが笑顔を見せるが、心底疲れきったような雰囲気が隠しきれていない。
本当に激しい突き上げを喰らったのだろう。
モーガンみたいな連中が何人も文句を言いに来たら……そりゃげんなりするよなぁ。
「オレらは今のままでいいっつってんだろ!」って、自分勝手な意見をぶつけてくる酒飲みの顔が容易に想像出来る。
『変わる』ってのは、頭の固い連中には猛毒のように映るからな。
まぁ、でもそうか……
あまりに劇的な変化は、喜ばれることばかりじゃないってこと、俺もちゃんと理解しておかなきゃな。
「ヤシロさん」
すっと近付き、俺に歩調を合わせて、ジネットが真横から俺の顔を覗き込んできた。
「大丈夫ですよ。きちんとお話しして、みなさんが望む未来を選択しましょう」
顔に出てしまっていたのか、そんな励ましをもらった。
……いや、別に。
俺はどうでもいいんだけどな。こっちの提案を向こうが飲もうが蹴ろうが。
俺が憂慮するようなことじゃないし。
まぁ、こっちの提案を飲んでくれりゃガゼル姉弟の店は続くだろうし、モーガンは贔屓の店がなくならないことに恩を感じて今後何かと融通してくれるだろうなぁとか、情報提供の見返りに何かあったらこっちにも協力させてやれるなぁとか、陽だまり亭で出来ないようなチャレンジをこっちの店を実験台にして試すのもありだなぁとか、面倒なモツの処理を押しつけて手軽に手ごろな価格でモツを楽しめるようになれば個人的にめっけもんだなぁとか、そういう利益の話をしているのであってだな……
「ヤシロさん。ご自身を納得させる言い訳は見つかりましたか?」
「…………んなもん、探してねぇよ」
「そうですか。なら、問題ないですね」
可笑しそうに笑うジネットの横顔から目を逸らす。
知った風な口を……
そもそも、これは俺の利益のために…………んなぁぁああ、もう!。
「繁盛したらマージンをごっそり取る。か、モツ下処理ギルドを作って元締めになって下々の連中から搾取しまくってやる」
「だったらヤシロ、領主に申請の書類を出すといいよ。通るといいね」
と、領主が言う。
……不当な契約だったら通さないって顔に書いてあるぞ。
お前に手の内を曝すのは、追々敵に回った時のことを考えると避けておいた方がいいだろう。詐欺の手口を教えるということは、俺の急所を曝すことになりかねない。
書類なんて形に残るものをエステラに渡すのは危険だ。じっくり解析されれば見えてくるものもあるだろう。
敵に回すと、エステラは厄介な相手だ。
ふん。だから、今回だけは引き下がってやる。
本当なら、焼肉屋の利益を9:1で俺が吸い取れる秘策があったんだけどなぁ。あ~ぁ、残念だ。
「急に無口になったな、カタクチイワシは」
「善行を行う前の儀式みたいなものですよ。四十二区の名物の一つです」
エステラの戯れ言にジネットが「くすっ」っと吹き出す。
笑っていられるのも今のうちだからな?
俺の機嫌を損ねた瞬間、四十二区は経済的に破綻するのだ。それを悟った時にはもう遅い。貴様らには、震えて眠る暇すら与えられないだろう。
だからそれまで、安寧にあぐらをかいてのんびり穏やかに過ごしているがよいわ、わっはっはっ!
「エステラ。今俺が考えていることを言ってやろうか?」
「なんだい?」
「ふふん。テメェら、穏やかに過ごせ(にやぁ……)」
「えぇっと……凄い悪人顔で物凄くいい人発言なんだけど……どう汲み取ればいいのかな?」
ふふん。
分からんのか、愚か者め。ふふふん。
「『何も心配するな。俺に任せておけ』ということですよ。ね、ヤシロさん?」
違う。全然違うぞ、ジネット。
あと、俺のモノマネ似てないからやめて。そんなキザっぽい声出したことないから。
「えーゆーしゃ、ひとだすけ、すゅの?」
「うん☆ そうみたいだよ~☆」
「そっかぁ。やっぱとーちゃんが言ってたように、英雄ってそういうのが好きなんだな」
テレサ、しねぇよ。
マーシャ、そうじゃねぇよ。
バルバラ、好きじゃねぇよ。
お前らの認識、ことごとく間違ってるから。
「あー、美味しいモツ食べよー! そのためにここまで来たんだしー!」
「うふふ。そうですね。善行の後のご飯は、きっと美味しいですよね」
違うのになー!
ジネット、微妙にズレてるんだよなー、ずっと!
「なぁ、若ぇの。モツってのは、もしかしてアレか? テメェらが持って帰った内臓……か?」
「あぁ。アレを下処理したものだ」
「う~ん……こう言っちゃなんだが、あんなもんは外の森の獣くらいしか食わないんじゃねぇか? 人間様の食う物じゃねぇだろ?」
モーガンも試したことがあるのか、物凄くえぐみを連想させる引き攣りフェイスを晒した。
そんなモーガンに、そこにいた女子たちが「ガッ!」と詰め寄った。
「何言ってんだよ、ジイサン!」
「ぼくじょーちょーしゃ! ちぁう、ょ! もちゅ、おいしー、ょ!」
「そなた、長年牛を育てておりながら、あのモツの味わいを知らぬのか? ふふん、そなた……人生の半分を損しておるぞ」
「知るべき、あなたも、あのモツの持つ奥深い味わいを」
「一度騙されたと思って食べてみるといいよ。ボクが保証する」
「新しい食材との出会いは、奇跡に近しい感動があります。是非お試しくださいね、モーガンさん」
「ま、それでも私は魚介の方が好きだけどね~☆」
マーシャ以外の全女子が寝返ったのだ。
比較的肯定的だったジネットでさえ、「見くびっていました」とモツに頭を下げたくらいだ。
手のひら返しの常連であるエステラなど、もう何年も前から推していた古参ファンみたいな態度でモツの美味さを語っている。
ルシアに至っては、モツ食べたさに牧場を誘致するとまで言っているのだ。現状、三十五区の牧場は規模が小さいらしいが、それを拡大したいのだと。
それくらいに、モツのインパクトは凄かった。
とはいえ、変わり身が激し過ぎるけどな。
あいつら、お披露目用のモツから漬け込み途中のモツまで、根こそぎ食い尽くそうとしやがったからな。
「喜びたまえ、ミスター・オルソン」
エステラが薄い胸を張ってモーガンにドヤ顔を向ける。
「牛飼いの販路が広がることが確定したよ! 新しい主力商品の誕生だ」
ゼラチンはすでに存在していて販路は広がらなかったが、モツは新しい主力になり得る。
と、エステラは確信しているようだ。
とはいえ、結局モツを購入するのは飲食店なんだから販路自体は広がってないんじゃ……
ゼラチンは飲食店のみならずお菓子作りにも活用出来るし、一般家庭にも需要があるから販路拡大が望めたが、モツは日持ちしないし下処理が大変だし、飲食店で食うのがスタンダードになると思うんだよなぁ。
「ヤシロさん。陽だまり亭でもモツを扱いましょうね」
まぁ、うん。
一応『肉屋』以外の店も手を出すから、販路は広がるか。
こいつらにはまだ教えていない、モツ鍋も控えているしな。
「内臓……内臓かぁ…………」
モーガンはまだ懐疑的ではあるが、ま、時間の問題だろう。
モーガンが納得いかない顔でうんうん首をひねっている間に、目的地へとたどり着いた。
トムソン厨房。
……うむ。
モーガン・オルソン。
モーボ・トムソン
オルソン、トムソン…………ややこしい!
「なぁ、モーガン」
「ん?」
「改名しろ」
「なんでだ!?」
「ややこい」
「『ややこい』ってなんだ!?」
ご近所で似たような名前しやがって。
傍迷惑な。
何を思ってそんなややこしい名前を付けてしまったのか……まったく。
「とりあえず入るか。オレぁ、荷物を運んでやるから先に入っててくれ。なぁに、話は付けてある。出迎えてくれるだろうよ」
荷車を固定しながらモーガンが言う。
エステラが先頭に立ち、俺とジネットがそれに続く。
簡素な丸太小屋。そんな外観のトムソン厨房。どこかアメリカの片田舎を連想させる店構えだ。ウェスタンブーツのブロンド美女がウェイトレスをやっていても違和感はないかもしれない。
「ウェスタンブーツにブロンドとくれば、もれなく巨乳だよな……にやり」
「ヤシロ、表につないで放置されたくなければ口を閉じるように」
買い物中の飼い主を店の前で待ってる小型犬扱いか? 「きゃーかわいいー抱っこしたーい」って美女が群がってきたらどうする。どう収拾をつける気だ。
こっちはウェルカムだけどね!
「大きな扉だね」
エステラが鉄製の大きな扉を見上げる。
確かにデカい。
店に対して扉がデカ過ぎる。
「絶えず鉄板を熱しているからな。営業中はそのドアを全開にして開けっ放しにしてあるんだよ」
なるほど。
間口を広くとって、店内の熱と煙を外へ逃がそうということなのか。
見れば、店の外壁に開けた扉を固定する金具が取り付けてあった。ここにつないで開きっぱなしにするのだろう。
それが今閉まっているということは、今は営業中ではないということか。
時刻は昼過ぎだ。普通なら開いていてもおかしくない時間なんだが……
「夕方から開けるのか?」
飲み屋の中には、夕方からオープンして明け方までやっている店もある。
ここもそうなのかと思ったのだが、モーガンが黙って首を振る。
違うのか。
ってことは、俺たちが来るから店を閉めて待機していたか……客が入らないから開けていなかったのか……
「とにかく入ってみようか」
エステラが鉄の扉を引く。
きぃ……と、金属のこすれる音がして大きな鉄の扉が開く。
すると店の真ん中に、一人の女性がうずくまっていた。
「大丈夫ですか!?」
ジネットが叫び、俺は思わず駆け出していた。
背を丸め、床にうずくまっている女性のそばにしゃがみ、外傷の有無を調べ、肩に触れようとしたところで、うずくまっていた女性が声を上げた。
「心の底からすみません!」
え?
…………土下座?
ん、言われてみれば、そう見えなくもない、というか、そうとしか見えないが……え? なんで?
「あ、あの、トムソンさん……」
「申し訳ありません!」
ジネットが声をかけると、一層大きな声で謝罪が返ってくる。
「とりあえず、落ち着いてください。ほら、顔を上げてください。ね?」
「す、すみません……」
おどおどと顔を上げたのは少しやつれた、大人しそうな大人美女だった。
目の下に黒いラインが縦に入っており、少々蠱惑的なメイクにも見えるが、清潔感のある気弱なお母さん、そんなイメージだ。清楚なお嬢様が年齢を重ねたって感じで、授業参観に来れば「いいなぁ、綺麗なお母さんで」と言われそうな雰囲気ではある。
ただ、いかんせん幸が薄そうで、見ていると心がざわつく。
笑えば美人だと思うんだけどなぁ。眉根が終始寄りっぱなしだ。
「ふぅ……」
「落ち着かれましたか」
「はい……落ち着いたところで、申し訳ありません!」
「ぅええ!?」
落ち着いてからの全力土下座。
一回落ち着いたからそれでOKとかじゃないから!
一回落ち着いたならもうずっと落ち着いといて!
「とりあえず、立たせるか」
「そう、ですね。トムソンさん、一度椅子に座りましょう。……ヤシロさん」
土下座を辞めない母ガゼルを見かねて、ジネットが俺に目配せをしてくる。
優しくエスコートしろってことか。
しょうがねぇな。
「ほら、掴まれ。肩を貸してや……」
「いやぁぁああああ! 主人以外の男性に触れるなんて出来ません! 汚れちゃうっ!」
おぉーう……俺、バイキン扱い?
「……帰る」
「待ってヤシロ! 確かに今のは傷付く! 分かるけど、このまま放置するときっと何倍も面倒くさいことになると思うよ!」
「その面倒くささを背負い込むのは俺じゃなく領主であるお前だ。俺は関係ない」
「お願いします! 力を貸してください、このとーり!」
エステラが素直に頭を下げた!?
まぁ、分かったんだろうなぁ……「あ、またメンドクサイ人種だ」って。
しかも、一度接した以上無視して放置もしておけない。エステラの性格だとな。
で、俺に頭を下げるのが一番リスクと面倒が少ないと踏んだのか。
お前……すげぇな、なんか。潔いプライドの捨て方だよ。
「はぁ……。座らせてやれば」
「そうだね。彼女に関しては、全般的にボクが受け持とう。ほらあれだよ。女性版のウーマロだと思って、割り切って接しよう。ね?」
なるほどな。
ウーマロの拒絶って、女子たちにはこんな感じに映ってたのか。
けどウーマロは「汚される」とか言わないしなぁ…………くすん。
「ヤシロさん。ヤシロさんは何も悪くないですよ」
ぽふぽふと、ガキにするようにジネットが俺の頭をなでる。
…………くっ、頭ぽんぽん、意外と効果高いな。不覚にもちょっと慰められてしまったぜ。あんまここまでへこむこともないしな。初めて慰めの効果を実感したよ。
「がははっ、やっぱりやっちまったか、レーラ」
「モーガンさん……」
大笑いしながらモーガンが入ってくる。
ってことは、お前知ってたな? 俺がこの母ガゼル――レーラに接触するとこういう結果になるってことを。
なんてヤツだ! 性根が腐れ落ちているに違いない。
「こいつはレーラつってな、ウチのペペと幼馴染なんだ」
ペペってのは、牛を逃がした妙にデコの広い牛飼いか。
「こいつはペペに触れられそうになると『毛根が死んじゃうー!』ってよく逃げ回ってたもんだ」
「性格えげつないな、この女!?」
エグいくらいに暴言がさらさらと!
見た目はお淑やかで清楚な感じなのにねぇ~。
「ボーモとの馴れ初めもな……」
「も、もう、やめてください、モーガンさん!」
耳まで赤く染めて、両手で顔を覆うレーラ。
「脊髄バッキバキに粉砕しちゃいますよ!」
「がはは! お前にゃまだ無理だ」
いや、会話の内容!
それ、笑って言い合える内容じゃないからな!?
それが日常なの? えぇ……カルチャーショック。
そんな会話を気にも留めず、モーガンは面白がって二人の馴れ初めを語り始める。
「レーラが崖から落ちそうになったのを、間一髪ボーモが腕を掴んで助けてやったんだよ」
おぉ……この女に触ったのか。すげぇ勇気だな、ボーモ。
「で、崖から引っ張り上げられたレーラが開口一番言ったのが『責任取って結婚するか、私と一緒にこの崖から落ちて朽ち果てるか選べ!』だったんだと」
まず最初に「ありがとう」でしょうが!?
どーゆー教育されてたの、お宅で!?
「で、ボーモのヤツは思ったんだ」
『こいつ、ヤベェ』ってか?
「『こいつしかない!』って」
「どーなってんだ、そいつの思考回路!?」
「一途な人だったんです……きゃっ!」
「きゃっ!」じゃねぇよ。「ぎゃー!」案件だよ、どっちかって言うと。
昨日のオバケコンペで、今の話をしていたら最優秀賞とってたろうよ。
実体験ってとこが一層怖ぇよ。
「オスの牛に顔を舐められた時は『がっ!』で『ぼきぃ!』だったもんな」
「ワイルド!」
「やめてください、……恥ずかしい」
なにが!?
教育方針を間違え過ぎた両親が?
恥の前に畏怖の念しか感じませんけれども!?
「心根は優しいヤツなんだ」
「お前、心根さえ優しけりゃなんでも許されると思うなよ?」
こちとら、目に見える優しさが欠損しているヤツとは距離を取りたく存じます!
「あの、ミズ・トムソン……レーラさんでいいかな?」
「は、はい。あの、領主様……すみません、わざわざこのような場所までお越しいただきまして……」
「それはいいから、話を聞いてくれないかな?」
「ですが……私たちのような者のために領主様やみなさんのお時間を使わせるわけには……」
そう言われても引き下がらないのがエステラだ。
エステラのためを思うなら、素直に相談を持ちかけてやった方がいい。無駄を省けるしな。
「エステラさんはあなたとこのお店を、わたしとヤシロさんは娘さんと息子さんを救いたいと思っています。お話を聞かせてくれませんか?」
ジネットがレーラに微笑みかける。
俺を勝手に含まないでくれないか。俺はただ、モツの下処理係が欲しいだけだ。
「申し訳……ございません…………っ! ウチの子たちが、ご迷惑を……そのせいで、こんな辺鄙なところまで…………」
「そんなことありませんよ。トムソンさんとは何度かお会いしましたし、同じ飲食ギルドの仲間として放っては……」
「主人と会ったことが……ある、んですか?」
「えぇ」と答えたジネットの肩を「がっ!」と掴んで、レーラがジネットに顔を近付ける。
目が限界まで開かれて目玉が飛び出しそうになっている。
怖い怖い怖い怖い怖い! 人類史上に残りそうな怖さの横顔になってるよ!?
「……主人と、どういったご関係で?」
「へ? ……あの、飲食ギルドの会合で、何度かお顔を……」
「会話は?」
「特に、これと言っては……あの、わたし、あまり会合でも発言はしませんから」
そもそも、飲食ギルドの会合自体、以前はほとんどなかったようだ。
俺が大人様ランチとか、フードコートとかを持ち込んだきっかけで最近ではちょいちょい開かれるようになったけれども。
ジネットとトムソンが会ったことなど、両手で足りるくらいだろう。
「私、あなたにお会いしたことありましたっけ?」
「は、はい。二度ほど……あの、会合の場所にお子さんを連れてトムソンさんのお迎えに……」
「へぇ~、主人のこと『トムソンさん』ってお呼びになっていらしたの……」
いや、普通だから!
たぶん親しくない知人の九割以上がそう呼ぶから!
「…………」
「…………」
「……チューしました?」
「してませんよ!?」
「モーガン、責任持って引き剥がせ!」
「おい、レーラ! それくらいにしとけ! お前らを心配してここまで来てくれた客人だぞ」
「けど…………主人のこと、いいなぁとか思ってたかもしれないですし……」
「あ、あの、レーラさん。わたしはアルヴィスタンですので、そういったことは一切ありませんよ」
「あっ! そうなんですか? あらっ、やだ! 私ったら……恥ずかしい」
だから、お前の『恥ずかしい』って感覚、ちょっとおかしいから!
周りの人間には「怖ぇ……」としか映らないからな、それ!
「ごめんなさい。私、ちょっとヤキモチ焼きで……ダメな私、こつん」
自分の頭を自分で小突くレーラ。
……ちょっとじゃねぇよ。本物の狂気を目の当たりにしたよ。
で、最初の「申し訳ない」より随分軽い謝罪だな、おい。今のこそ本気で謝らなきゃいけない案件だろうが。
「エステラ。もう帰らない?」
「もうちょっと! もうちょっとだけ粘ってみよう! 子供たちのためにも!」
「いや、でもジネットがさぁ……」
「わたしは、特に気にしていませんよ。不安になる気持ちは、少しですけれど分かりますし」
えっ!?
分かるの!?
「もしかして……ジネットも、あぁなるの?」
「へ? い、いいえ! そんな! わたしなんて……特定の方も、いらっしゃいませんし……アル、アルヴィスタンですから……」
アルヴィスタン、都合よく使い過ぎだろう。
……そっかぁ、ジネットにもヤキモチって概念はあるんだよなぁ。
まぁ、絶対にレーラみたいにはならないだろうけど。賭けてもいい。あぁはならない。アレは特別。
「心根は優しいヤツなんだがなぁ」
「もういいよ、心根」
なんの説得力もねぇわ、心根。
「けれどあの、陽だまり亭さんにドーナツを教わると、子供たちから聞いているのですが……ウチでドーナツは……その……」
申し訳なさそうにレーラが口ごもる。
ざっと見渡せば、店の奥に大きなカウンターがあり、そこには長い鉄板が設置されている。
座席は八人掛けのテーブルが四つ。カンタルチカのように相席で適当に空いた席に座るタイプの店のようだ。
奥へ続く扉があるが、おそらく調理場はカウンターの中の鉄板だけなのだろう。水瓶や食器棚がカウンターの中に置いてある。
この調理場じゃ、ドーナツは無理だな。
「なぁ、あの扉の奥には何があるんだ?」
「え? その……あ、愛の巣です……きゃっ!」
自宅と言えぇーい!
いつまでもラブラブで羨ましいこと、とか絶対思わないからな!?
「俺たちが持ってきた提案はドーナツじゃない。新しい肉の食い方だ」
「お肉の……ですか?」
レーラが頬に手を当て小首をかしげる。
が、すぐにハッとしたような顔をして頭をぶんぶん振った。
「いいえ! いえいえ! みなさんのお手を煩わせるなんて出来ません!」
「けど、なんとかしないとお店を畳むことになるんだよ? 君が愛したご主人の夢が詰まったこの店をね」
「主人の……」
エステラの言葉に、レーラが目を見開く。
しかし、すぐにつらそうな表情を見せ、また首を振った。
「私一人でこの店を守るなんて出来ま……」
パン!
と、大きく手を鳴らす。
「出来ません」なんて否定的な言葉が口からこぼれる前にレーラの言葉をさえぎる。
「決断を下す前に、一度体験してみろよ。時間は、まだあるだろう?」
不適に笑ってみせると、レーラは戸惑いながらも、弱々しく頷いた。
無理やり頷かされた感じか。
けど、今はそれで十分だ。人間、一番重く感じるのは初めの一歩だからな。
それさえ踏み出しちまえば、あとはどうとでもなる。意外と簡単にな。
「よし、それじゃあ準備にかかるぞ」
「はい!」
ジネットの元気な返事を聞いて、俺たちはそれぞれの支度を始めた。
あとがき
棚を、買いました。
どうも、My favorite宮地です。
あぁ、いや違いました。
フェイバリットな物を飾ろうかと棚を買ったんです。
さて……何ダムを飾ろうか……機動戦士何ダムにしましょうか……
名探偵コ○ンのフィギュアは集めているんですが、
私が一番好きなキャラがなかなかフィギュア化されなくて……もやもや。
商品化されたらすぐ買いますのに!
え?
そのキャラですか?
妃○護士です。
あぁ……、
名字が一文字なばっかりに『弁護士』を伏せ字に……
どんな場面でも絶対伏せ字にならないであろう職業なのに……
私、頭のよさそうな女性好きなんですよねぇ。
だから私が描くヒロインも…………ことごとく……アホの娘で…………あれぇ?
と、とにかく!
知的女子、好きです。
なので、何卒きゅんキャラに!!
ついでに『ら○ま1/2』の女ら○まとか、
今だからこそきゅんキャラ化しませんか?
買いますよ!!
昔はね、
『爆裂○ンター』っていう、
おっぱいの先っぽをサスペンダーで隠しただけの格好で戦うお姉さんのアニメがあったりしてね、
古き良き日本ですねぇ。
きゅんキャラ化しませんか?
アニメ版じゃなく原作絵の方で!
4つ買いますよ!
……え?
上の2キャラは知的とはほど遠いキャラじゃないかって?
いいんです!
この二人はおっぱいが素晴らしいので!
知的?
乳的の足下にも及びませんよ、そんなものは!
あぁ、
新しく買った棚に乳的女子を並べて飾りたい…………
おやぁ?
いつの間にか、我が家の入り口に黒い布が……なんか斜線の入った○の中に『R18』って書かれてますけど?
レンタルビデオ屋さんで少年が「この先にあるのか……大人の世界が……!」って羨望の眼差しで見つめていたあの空間みたいな仕上がりになってるぞ~ぅ?
やはり知的女子を並べましょう。
私「おね~さ~ん、と~ってもきゅ~とだねぇ~ぃ!」
おねーさん「……ちっ!」
わぉ! チッ的女子だ~!
……なぜでしょう、それはそれで、ちょっとアリな気が…………どきどき。
と、
いろいろ悩んだ結果、
あれダムをちょこっといっぱい買ってみようかなぁ~って。
子供の頃、
それダムのプラモデル売り場に入り浸って、
少ないお小遣いの中でどれを買うか真剣に悩んでいました。
そして子供心に
「大人になってお金を稼ぐようになったら、ここにあるプラモ全部買うんだ!」
なんて野望を抱いていたものです。
そして大人になった現在、
プラモデルを買うくらいのお金はなんとか手に入ったのですが、
今度は置き場所が……
二十歳そこそこの頃住んでたアパートなんか6畳のワンルームでしたし、
とてもプラモデルを飾る場所なんか……
で、大人心に思ったわけですよ
「もう少し余裕が出来たら棚を買って飾ってやるんだ!」って。
そして、そこそこ頑張ってちょっとお家が広くなったら、
仕事が忙しくてプラモデルを作ってる時間がない!
もぉーぅ! いつになったら全部揃うの!?
しかししかし!
ウチの会社の新人教育係のお兄さん(←私)が新人さんに言っていた、
「時間はあるとかないとかじゃない、自分で作り出すものなんだよ」
という言葉に感銘を受けまして、(いいこと言うなぁ、私)(実践出来てませんがね☆)
とにかく先に買っちゃえ!
そしたらなんとかして作るだろう!
というわけで、棚を買っちゃったわけです!
そして、今!
なう!
その新しい棚に!
乳的女子フィギュアを陳列したい衝動が……っ!
少年だったあの頃の私、よく聞きなさい。
今、君は少ないお小遣いを握りしめて、
より多く、より長く楽しめるようにって
ギミックの多いプラモデルを見ているかもしれないね。
でもね、君が大人になる頃にはね、
どんな変形をするかとか、
誰と合体出来るかとか
パワーアップアイテムをどれだけ装着出来るのかとか、
そんなことは重要じゃないってことに気が付くんだよ。
大切なのは、
どこまで脱がせられるか!
そう、キャストオフ!
チョバムアーマーよりビキニアーマー!
それが、大人の世界ってものさ☆
いつの日か、
「足が付いたら変じゃね?」と、あまり好きじゃなかったパーフェクトジ○ングのことも、
超ミニツインテールのモビルスーツ系女子っぽく見えるようになる日が来るのさ。
君がそれくらいの大人になったら、二人で飲もうじゃないか、
そう、マミーをね。
今でも好きだよ、マミー。美味しいよね、マミー。
自分を信じて、
未来を楽しめ、少年!
未来の、オ・ト・ナな私より。
ふぅ……
ちょっと感動風な展開になってしまいましたね。
もし、過去の自分に手紙が届けられるなら、
今のままでいいから自信を持って堂々と生きろって伝えたいですね。
誰かに見られて恥ずかしい生き方はするなって。
大人になったら、大きな声で
(」゜▽゜)」< おっぱい大好きー!
って言っても恥ずかしくなくなるって知っていれば、
当時の人見知りな性格も少しは改善されるでしょうに。
あと、もう一つ。
なんでもいいから走る練習しとけと。
足が速いだけで、小学生時代ががらりと変わるからと!
女子と仲良くきゃっきゃうふふ出来るんだぞ!!
むゎぁああ! 伝えたい! 伝えたぁぁあああい!
走れ、少年!
クラスの誰よりも速く!
とりあえず、
今さら手遅れかもしれませんが、
ちょっと近所走ってきます!
次回もよろしくお願いします。
宮地拓海




