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クロー!! 暗黒の一族…  作者: masahiro taxi


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第41話:神の矢、悪魔の鉄槌

第41話:神の矢、悪魔の鉄槌

1. 蹂躙される白き翼

月島の上空は、一瞬にして凄惨な屠殺場とさつじょうと化していた。

自衛隊の戦闘ヘリが放つガトリングガンの咆哮が、下町の夜をズタズタに引き裂く。猛烈な鉄の雨を浴びたエンジェルたちは、迎撃する暇さえ与えられず、鳥の羽毟むしりのようにバタバタと撃ち落とされていった。墜落した彼らの肉体は、地面に激突する前に眩い光の粒子となって霧消していく。

「あいつら、ただ殺されてるだけじゃないか……!」

湊は路地裏のコンクリートに身を潜めながら、上空の惨劇を凝視していた。

エンジェルたちも必死に抗戦していた。空中に「光の矢」を形成し、ヘリの分厚い装甲に向けて放つ。しかし、国家の最新鋭兵器が誇る圧倒的な火力の前には、その反撃も虚しく弾き返されるだけだった。

そこに、さらなる絶望が追い打ちをかける。

周辺のビルの屋上や路地から、人間の皮を脱ぎ捨て、おぞましい「デーモン」の姿へと変貌した男たちが飛び出してきたのだ。黒い皮膚、異形の角、肉食獣のような牙。彼らは墜落しかけたエンジェルたちに容赦なく襲いかかり、その息の根を物理的に噛み千切っていく。

肉体と鉄、そして光が混ざり合う、文字通りの地獄絵図だった。

2. 大天使アークエンジェルの覚醒

圧倒的なワンサイドゲーム。誰もがデーモンの完全な勝利を確信した、その時だった。

無残に散っていくエンジェルたちの中心で、ひときわ巨大な「光の柱」が天を衝いた。

まばゆい輝きの中から現れたのは、これまでの個体とは明らかに一線を画す、四枚の巨大な光の翼を持つ存在――「アークエンジェル(大天使)」だった。世界のシステムが、デーモンという強大すぎるバグを排除するために、最上位の自浄装置を覚醒させたのだ。

アークエンジェルが、その白銀の瞳を眼前の戦闘ヘリへと向ける。

次の瞬間、大天使の背後から放たれた巨大な光の奔流が、時速100キロを超える速度でヘリのローターを直撃した。

ドガァァァァンッ!!

激しい爆発音と共に、自衛隊のヘリ1機が火達磨となって月島の路地へと墜落していく。

さらに、アークエンジェルの覚醒に呼応した生き残りのエンジェルたちが、一斉に「光の矢」を乱発。夜空を埋め尽くした無数の光の矢が、逃げようとしたもう1機のヘリのエンジンへと突き刺さり、瞬く間に2機目も空中爆発を起こして火の粉を散らした。

3. 狙われた黒い影

戦況は一気に混沌を極めていく。だが、地獄の矛先は、ただ静観していた湊たちにも容赦なく向けられた。

ピピピピピピピピピ――ッ!

残された自衛隊ヘリ1機。その機首にある赤外線センサーが、路地裏に身を潜めていた湊たち二十人強のクローを完全に捉えた。コックピットのデーモンが、冷酷にトリガーを引く。

「しまっ――ロックオンされた!」

凪の鋭い警告の声が響く。

ヘリの両翼から、白煙を引いて二発の対地ミサイルが放たれた。狙いは正確無比、彼らがいる路地裏のど真ん中だ。直撃すれば、超人的な肉体を持つクローといえど跡形も残らない。

「全員、散れッ!!」

凪の怒号と同時に、二十人強のクローたちの背中から、漆黒の翼が一斉に爆発的に広がった。

逃げる日常はもうどこにもない。ミサイルの爆炎が月島の下町を焼き尽くそうとする中、湊は自らの爪を強く握りしめ、夜空へと蹴り出した。

ついに、クローたちの本当の戦闘が始まる。

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