表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
クロー!! 暗黒の一族…  作者: masahiro taxi


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
26/50

第26話:黒い包囲網

第26話:黒い包囲網

1. 満たされた食卓

国道16号沿い、八王子の街外れにある広い駐車場を備えたファミリーレストラン。

ここは三人にとって、凪の上に引っ越してから三度目の利用になる、お気に入りの「補給地点」だった。

「ここのピザ、生地がモチモチしてて美味しいね」

結衣が楽しそうに言い、湊はハンバーグを口に運びながら頷いた。サラダバーにドリンクバー、そして食後のパフェまで完食し、束の間の平和を存分に味わっていた。

「……たまにはこういう、ジャンクな贅沢も悪くないな」

凪もコーヒーを啜りながら、珍しく穏やかな顔をしていた。しかし、その安らぎは長くは続かなかった。

2. 静かなる侵食

凪の手が、コーヒーカップを置いたまま止まった。

彼の視線は、窓の外、広大な駐車場の一角に固定されている。

「……湊。あそこを見ろ」

凪の声のトーンが、一瞬で「仕事」の時の低さに戻った。湊が視線を追うと、街灯の下に二台の黒塗りのセダンが停まっていた。高級車だが、不自然なほどに汚れがなく、窓は真っ黒なスモークで覆われている。

「ただの客じゃないのか?」

「……いや。見ろ、増えている」

凪の言葉通り、国道から次々と、同じモデルの黒塗りの車が滑り込んできた。

四台、八台、十台。

それらは示し合わせたように、一般の客の車を避けるようにして、レストランの出入り口を遠巻きに囲む位置に整然と並んでいく。

3. 二十台の威圧

「凪くん……?」

結衣が怯えたように凪の袖を掴んだ。

店内の喧騒――子供の笑い声や食器が触れ合う音――とは裏腹に、外の駐車場は不気味なほどの静寂に包まれていた。

最終的に、その数は二十台に達した。

広い駐車場の半分を埋め尽くさんばかりの黒い軍団。ヘッドライトは消されているが、その重圧感は殺気となってガラス越しに伝わってきた。

「……間違いねえ。狙いは俺たちだ」

湊が身構える。

「二十台……。一車に二人乗っているとしても四十人。デーモンの息がかかった特殊部隊か、あるいは……」

凪は冷静に店内の避難経路を確認しながら、腰をわずかに浮かせた。

「いいか、湊。結衣を守れ。……芝居はもう終わりだ。ここからは『クロー』のやり方で行くぞ」

楽しい食事の終わりを告げるように、外の黒塗りの車から、同じ黒いスーツに身を包んだ男たちが一斉に降り始めた。

夜の16号沿い。明るい看板の下で、最悪の包囲戦が幕を開けようとしていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ