表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『最果ての出汁聖女・れいな 〜追放されたけど、伝説の魔獣と呪われ騎士に究極スープを献上したら、いつの間にか最強の村ができました〜』   作者: Zacku


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

9/38

第9話:『聖女が消えた王都の食卓が地獄絵図。一方で、私は絶品お出汁でエルフと乾杯しています』

お読みいただきありがとうございます!

おかげさまで累計300PV、そしてユニークアクセス100人を突破いたしました!

皆様がこの物語を見つけてくださったおかげです。本当にありがとうございます!

さて、れいなが温泉旅館(洞窟)でエルフやドワーフと「整って」いる頃。

彼女を「出汁を取るだけの無能」と切り捨てた王都では、恐ろしい事態が起きていました。

「……あいつを、今すぐ連れ戻せぇぇ!」

そんな怒号をどこ吹く風で、今日もお出汁の香りに包まれるれいなの日常をお楽しみください。

「……なんだ、これは。家畜の餌か?」

王都、聖教会の豪華な食堂。

黄金の装飾が施されたテーブルを囲む幹部たちが、目の前の皿を見て顔をひきつらせていた。

そこにあるのは、最高級の肉と野菜を使ったはずのスープ。だが、その色はどす黒く、香りは……ただの「お湯」と「生臭さ」が混ざった、鼻を背けたくなるようなものだった。

「も、申し訳ございません! 聖女れいなの代わりに用意した調理魔導師たちが、総出で作ったのですが……」

「味がない! 深みがない! 喉を通らんのだ!」

一週間前、れいなを「ただの炊き出し係」と罵って追放した大司教が、皿を叩きつけた。

彼らは知らなかったのだ。王都の食事に「魂」を吹き込んでいたのは、食材の質ではなく、れいなが毎日寝る間も惜しんで仕込んでいた「魔法のお出汁」だったということを。

「あの娘が消えてから、国民の不満も爆発寸前です……。『まともなスープを飲ませろ』と暴動が起きかけております……っ」

「……ええい、何を突っ立っている! 今すぐあの女を探し出し、引きずってでも連れ戻してこい!」

かつて彼女をゴミのように捨てた男たちが、今や飢えた獣のような顔で彼女の名前を叫んでいた。

「ぷはぁ〜っ! 温泉の後のこれは、たまらないわね!」

一方その頃。

最果ての地の「洞窟旅館」では、王都の混乱など微塵も知らないれいなが、幸せの絶頂にいた。

「聖女様、この『あご出汁の唐揚げ』というやつ……反則だ。衣はサクサク、中は肉汁とお出汁が溢れ出して……止まらん!」

「リーシャ、食べ過ぎよ。ほら、このキンキンに冷えた『お出汁の冷製スープ』も飲んでみて。火照った身体に染みるわよ?」

「……っ! なにこれ、冷たいのに旨味が濃い……。エルフの里にいた頃の私がバカみたい。ねぇ、もう一杯おかわり!」

露天風呂上がりのリーシャは、すでに「誇り高きエルフ」の面影はどこへやら。

湯船の湿気で少し上気した顔で、私の作った料理を夢中で頬張っている。

ドワーフのガラムたちは、お出汁を隠し味に入れたエール(麦酒)で「乾杯!」と景気良くジョッキを鳴らしていた。

「聖女様、ここは天国だな。王都の連中が今頃何を食ってようが知ったこっちゃねぇが……。あいつら、一生この味は知らねぇんだろうなぁ!」

ガラムが豪快に笑う。

アルベルトさんも、手入れの行き届いた剣を傍らに置き、穏やかな表情でスープを味わっていた。

「……れいな殿。貴女が来てから、この死の地だった荒野が、世界で一番温かい場所に変わりましたね」

「ふふ、大げさですよ、アルベルトさん。私はただ、みんなでおいしいねって言いながらご飯を食べたいだけですから」

私は、新品のキッチンの窓から見える、美しい夕焼けを眺めた。

王都では、私のことを「無能」と呼んだ人たちが必死に私を探しているらしい。

けれど、もう遅い。

だって、ここには私のお出汁を愛してくれる、最高の仲間たちがいるのだから。

「……さて! 明日は何を作ろうかな?」

私の呟きに、シルバーが「ワフッ!」と元気よく賛成の声を上げた。

第9話をお読みいただきありがとうございました!

王都側、かなり困っているようですね。ざまぁみろ……と言いたくなるのをグッと堪え、れいなは今日も平和に美味しいものを作ります。

さて、次回。

平和な旅館に、王都からの「最初の使者」が到着します。

しかし、そこには温泉に入ってパワーアップした(?)最強の仲間たちが待ち構えていて……。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ