第82話:『時空の狭間で移動販売車がガス欠になり、古代竜の浮遊島に不時着しましたが、スタミナまぜうどんを激盛りで出したら一瞬で手懐けてしまいました』
皆様、いつも本当にありがとうございます!
未来のディストピア都市で、味のないカプセル飯を強いる管理AIをお出汁の香りとコシで完全バグらせて全面降伏させた前話、たくさんの「AIまでファン化させるお出汁のハッキング強すぎw」という応援をいただき大感激です!
さて、未来都市に本物の食文化の笑顔を取り戻した我がサテライトワゴン。
次なる時空へジャンプしようとしたその時、なんと画面に「燃料不足・ガス欠エラー」の大文字が!?
命からがら不時着したのは、時空の狭間に浮かぶ、伝説の竜族が眠るという『古代の浮遊島』でした。
そこで出会ったのは、空腹で島ごと暴れ狂う超巨大なエンシェント・ドラゴン!
圧倒的なパワーを誇る竜の王を前に、職人聖女がガツンとパンチの効いた「ジャンクの段取り」で胃袋をハッキングします!
伝説の竜族ざまぁ(餌付け)無双、いってみましょう!
「――ピピピッ! 警告、警告! マナ・タンクの残量がゼロを検知。時空ワープのオペレーションを強制中断し、最寄りの時空安定ポイントへ緊急着陸します!」
ワゴンのダッシュボードで、シン君のマルチデリバリーOSが真っ赤なエラーログを爆発させた。
「うわわっ! ちょっと店長、未来都市の換気扇出力を1000%に上げすぎて、ワゴンの燃料を使い果たしちゃったみたい! いわゆる完全なガス欠だよ!」
「えええーーーっ!?」
私が湯切りテボを握りしめたまま叫んだ瞬間、ワゴンは激しい衝撃と共に、どこかも分からない謎の大地へと不時着した。
窓の外に広がっていたのは、黄金の雲海に浮かぶ、見たこともない巨木が生い茂る古代の島。
そしてワゴンの目の前には、山のように巨大な、漆黒の鱗を纏った超巨大なトカゲ――伝説の『古代竜』が、真っ赤な眼をギラつかせてこちらを見下ろしていたのだ。
『グルルルル……! 我が聖なる眠りを妨げる、不届きな鉄の箱め……! ちょうどよい、3000年の不眠不休の守護で腹が減ってイライラしていたところだ……。その箱ごと、我が極大の竜息で焼き溶かして食うてくれようぞ!』
ゴゴゴゴゴ……と、ドラゴンの巨大な顎から、島全体を消滅させかねない超高熱の炎が漏れ出す。
「ちょっと、そこのトカゲのおじさん」
ワゴンの運転席からコーラを持ったシン君が顔を出し、サイバーゴーグルをピコピコと光らせて呆れたようにため息をついた。
「さっきから君の魔力波形をスキャンしてるんだけどさ……。3000年も何も食べずに警備なんて、完全にエネルギー効率の計算を間違えてるよ。そんな状態でブレスなんて撃ったら、エネルギーの逆流で自滅するだけのエラーデータだよ」
『な、何だと……っ!? どこぞの異界の小僧が、竜の王たる我が魔力を侮辱するか!?』
「ほう。我が主のワゴンを焼き溶かすと言ったな、トカゲ風術師め」
厨房の奥から、熱効率4000%の自動茹で機の湯気と共に、新ロゴのエプロンを着た魔王バラドが腕を組んで歩み出てきた。
「その傲慢な竜の首、ここで我が暗黒魔法で叩き割って、次回の季節限定メニュー『竜田揚げ(ドラゴン・フライ)うどん』のトッピングにしてやろうか……?」
『ひ、ひえっ……!? な、何だこの黒い男のプレッシャーは……!? 魔王……いや、それを遥かに凌駕する時空のバグのような威圧感……っ!?』
伝説の古代竜が、魔王バラドの圧倒的なリアルオーラの前に、巨体をガタガタと震わせて数歩後退した。
「バラド様、ドラゴンを揚げ物にしちゃダメだってば! ……でも、お腹が空いてイライラしてるなら、うちのワゴンの独壇場だね!」
私はテボをパシッと鳴らし、ワゴンの側面をガシャガシャと展開した。
「ドラゴンさん! あなたの3000年分の空腹とイライラを、前世のガテン系現場ノウハウから生まれた、極限の『ジャンクな段取り』でハッキングさせていただきます! その代わり、お腹がいっぱいになったら、このワゴンのタンクにマナ(燃料)を分けてください!」
『……ふ、フン! 面白い、我が極限の飢えを癒せる料理など、この世に存在するはずがないわ! もし満足させられねば、今度こそ全員デリートだッ!』
今作るのは、お出汁の繊細さをあえて封印し、圧倒的なパンチ力とスタミナで脳のモチベーションを1000%に跳ね上げる『極太・爆盛りスタミナまぜうどん』。
最高級魔導天日塩で通常の1.5倍の太さに仕上げた極太の純白麺を大釜でダイナミックに躍らせ、冷水でバシッと締めてから器に盛る。
そこへ、魔王バラドが絶妙な火加減でじっくりとジューシーに炊き上げた『極厚ドラゴンチャーシュー(ハッキング食材)』を山盛りに乗せ、中央には濃厚な地鶏の卵黄、そして周囲を刻みニンニク、特製背脂、魚粉、ニラでギチギチに埋め尽くす!
仕上げに、利尻昆布と本枯れ節を極限まで濃縮した特製の「超濃厚醤油ダレ」を上からドバドバとぶっかける!
「はい、お待たせしました! 総重量50キロの『古代竜専用・爆盛りスタミナまぜうどん』です! 下からひっくり返すように、完璧なルーティンで混ぜてから啜ってください!」
私が差し出した特大のタライのような器を、ドラゴンが半信半疑で巨大な前足で混ぜ、豪快に口の中へと流し込んだ。
その瞬間、浮遊島全体を揺るがすような、パリィィィン!という衝撃波が走った。
『――ッ!!! な、何だこの暴力的なまでの旨味の濁流は……っ!? ガツンと脳を揺るがすニンニクの風味と、この極太麺の圧倒的なコシが、不眠不休で乾ききっていた我が細胞に、凄まじいオペレーション(生命力)を注ぎ込んでいく……!』
ドラゴンは、もの凄い勢いで「ズズズッ! ズババババッ!」と地鳴りのような音を立てて麺を啜り、一滴のタレすら残さず完食してしまった。
『美味い……美味すぎる……ッ! 3000年のルーティンワーク(警備)の疲れが、この一杯のスタミナで完全にハッキング(救済)されたぞ……! 私は今まで、何を頑なに拒んでいたのだ……!』
伝説の古代竜は、感動のあまり大きな目から涙をボロボロと流し、尻尾をブンブンと振って私に「星5」のレビューを送り始めた。
そして、約束通りに自らの純粋な竜魔力をワゴンの給油口へと注ぎ込み、一瞬でマナ・タンクを100%のフル充電状態へと上書き(ハッキング)してくれたのだ。
「ふふ、れいな様。伝説の竜の王すらも、我がサテライトワゴンの圧倒的なジャンクの段取りの前には、ただのお利口なペットになってしまいましたわね!」
セシリア王女が、満面の笑みのドラゴンの頭を撫でながら、誇らしげに胸を張って微笑んだ。
時空の狭間で発生したガス欠の危機を、圧倒的なスタミナまぜうどんの現場力で完全勝利(餌付け)へと変えた我が店。
フルチャージされた多次元移動販売カーのエンジンが、次なる時空のオペレーションへと向けて、再び爆音で始動するのだった!
第82話をお読みいただきありがとうございました!
時空の狭間でガス欠になったサテライトワゴン、空腹で暴れるエンシェント・ドラゴンを「爆盛りスタミナまぜうどん」の圧倒的なニンニクとコシの暴力で完全ざまぁ(餌付け)いたしました!(大爆笑)
3000年分の疲れも、レイナ店長のジャンクな段取りの前には一瞬でハッキング(救済)されてしまいましたね!
第83話!
ドラゴンのマナで燃料満タン、最高出力になったサテライトワゴン。
次のジャンプで到着したのは、なんと魔法文明が極限まで発達した『超魔導帝国』の首都。そこでは、自らの魔力にあぐらをかいた傲慢な「宮廷魔導料理長」が、平民たちに高額な『魔力活性スープ』を売りつけて暴利を貪っており……!?
帝国の傲慢な魔導料理人に、最先端の現場オペレーションとお出汁の科学がハッキングを仕掛けて――!?
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