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『最果ての出汁聖女・れいな 〜追放されたけど、伝説の魔獣と呪われ騎士に究極スープを献上したら、いつの間にか最強の村ができました〜』   作者: Zacku


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第80話:『新装備で100年前の大飢饉の村へワープしたら、私腹を肥やす悪徳領主が民を虐げていたので、隠し蔵ごとハッキングしてやりました』

皆様、いつも本当にありがとうございます!

時空管理者様から、時間も空間も超えて営業できる「多次元・移動式サテライト店舗車」を報酬として贈呈された前話、たくさんの「機動力がSFレベルw」という驚きとワクワクの感想をいただき大感激です!

本日は、この最強の移動販売車のテスト走行を兼ねて、さっそく時空跳躍マルチワープに挑戦!

到着したのは、今から100年前の、大飢饉によって草木も枯れ果てた哀れな辺境の村でした。

明日の食事すらなく絶望する民をよそに、贅沢三昧を尽くし「下民どもは飢え死にするのがお似合いだ!」とせせら笑う悪徳領主。

100年前の悪党を相手に、現代のネオサヌキAIテクノロジーと職人の現場力が歴史の段取りを書き換える!?

時空をもハッキングするざまぁ無双、いってみましょう!

「――うわわっ!? 店長、時空のG(重力)がすごいことになってるよ! エンジン出力4000%で空間の壁を突破するから、みんな手すりに掴まってて!」

シン君がサイバーゴーグルをきらめかせ、マルチデリバリーOSのレバーをグッと押し込む。

私たちが手に入れた『多次元・移動式サテライト店舗車(次元ハッキング・ワゴン)』の車窓の外が、虹色の光から、一瞬にしてどんよりとした灰色の空へと切り替わった。

キィィィッ!と未来的なブレーキ音を響かせてワゴンが停車したのは、ひび割れた大地と、ボロボロの藁葺き屋根が並ぶ寂れた村の広場だった。

「ここは……? 空気がひどく淀んでいるな。魔物の気配はないが、人間の生命力が極限まで摩耗しているのを感じるぞ」

助手席で腕を組んでいた魔王バラドが、赤い目を細めて外を睨んだ。

「シン君、ここがどこだかデータは分かる?」

私が湯切りテボを片手に尋ねると、シン君はダッシュボードのホログラム端末をパチパチと叩いた。

「うん、ログ解析完了。ここは今からちょうど100年前の、ローム帝国の辺境にある『ガリア村』だね。歴史のデータベースによると、この年は歴史的な大飢饉が発生して、村の人口の8割が飢え死にしたって記録されている、いわゆる『暗黒の空白期』の真っ只中だよ」

「100年前の大飢饉……! そんな可哀想な時代に繋がっちゃったのね……」

セシリア王女が窓の外を見て、悲しそうに胸に手を当てた。広場には、ガリガリに痩せ細った村人たちが、生きる気力を失った目で地面に座り込んでいる。

その時、ドタドタと馬の足音が響き、豪華な毛皮を纏った太った男が、武装した兵士たちを率いて広場に現れた。

「ヒャーハハハ! おい、下民ども! 今月の税(小麦)がまだ足りんぞ! 出せないというなら、今すぐその薄汚い家から叩き出して、全員奴隷として売り払ってくれるわ!」

「領主様、ご慈悲を……! 飢饉のせいで本当に食べるものすらなく、子供たちも数日何も口にしていないのです……!」

村長らしき老人が泥に頭を擦りつけて泣き叫ぶが、悪徳領主の男は「知るか! 虫ケラどもが飢え死にしようが、我が贅沢な暮らしには関係のないことだ!」と冷酷に言い放ち、鞭を振り上げた。

「――そこまでです、悪徳領主さん」

私はワゴンのスライドドアをバシッと開け、新ロゴのエプロン姿で毅然と一歩を踏み出した。

「な、何だお前たちは!? 見慣れぬ鉄の馬車に、奇妙な格好をしおって……!」

悪徳領主が突然現れた私たちのワゴンに驚いて声を荒らげる。

「私たちは、時空を旅するサテライトキッチンのうどん屋です。お腹を空かせた人がいるなら、100年前の過去だろうと、完璧な段取り(オペレーション)で最高の茹でたてを届けるのが私たちの仕事ですから」

「はぁ!? うどん? 麺売りの小娘風情が、この私に物申すか! 兵士ども、この不届き者たちを捕らえ――」

「捕らえる前に、自分のサイフと領主館の『隠し蔵』のセキュリティを心配した方がいいよ」

ワゴンの運転席からコーラを持ったシン君が顔を出し、キーボードをターン!と叩いた。

「100年前のローカルな物理錠なんて、ボクのAIから見ればただのパスワードなしのフォルダと同じ。……はい、領主館の地下にある『不正に溜め込んだ米と小麦の隠し蔵』、遠隔でロックをハッキングして全面開放パブリックリリースしといたよ」

「な、何だと……っ!? なぜ我が一族の最高機密である地下の隠し蔵の存在を――」

『領主様! 大変です! 領主館の地下蔵の頑丈な鉄扉が突然爆発するように開き、中から大量の小麦と米が、街の広場へ向けて濁流のように流れ出しています!!』

兵士の無線(魔導通信)から、悲鳴のような報告が一斉に鳴り響いた。

「ば、バカな……っ!? 我が数百トンの隠し財産が……っ!」

悪徳領主が顔を紙のように真っ白にしてガタガタと震え出す。

「よし、食材のハッキング(強制徴収)は完了だね! 店長、さっそく大量調理の段取り、いっちゃおう!」

シン君の合図とともに、ワゴンの側面がガシャガシャと展開し、熱効率4000%の超魔導自動茹で機が湯気を吹き上げた。

「魔王バラド様、セシリア様、トッピングの準備をお願いします! 村の皆さん、今すぐ温かくて美味しい『特製肉うどん』を茹ぎ上げますから、器を持って集まってください!」

私がテボをパシッと鳴らすと、魔王バラドが隠し蔵からハッキングしてきた最高級の肉を一瞬で極上の甘辛煮に仕上げ、セシリア王女が手際よくネギを刻んでいく。

「ズズズッ……! つ、冷たい体に、この甘辛いお肉の旨味とお出汁の温かさが染み渡る……っ!」

「美味い……! 麺のコシが凄すぎて、生きていく力が身体の底から湧き上がってくるようだ……!」

飢えていた数百人の村人たちが、またたく間に笑顔になり、涙を流しながら出来立ての肉うどんを貪り啜り始めた。彼らのバイタルデータは、一瞬で「絶望」から「幸福度100%」へとハッキング(上書き)されていく。

「お、おのれぇ……! 私の財産で、下民どもに炊き出しなどしおって……! 許さん、お前たち全員、国家反逆罪で――」

「おい、脂ぎった豚」

悪徳領主の背後に、新ロゴのエプロンをなびかせた魔王バラドが、大地を激しく揺るがすほどの暗黒オーラを纏って音もなく立ち塞がった。

「我が主の完璧なオペレーションを邪魔する者は、100年後の未来の歴史の教科書にすら名前が残らんほど、塵一つ残さずデリバリー(消滅)してやろうか?」

「ひ、ひえええええーーーっ!? も、魔王様ァーーーッ!?」

悪徳領主は、財産を一瞬でハッキングされて失い、伝説の魔王のリアルな威圧の前に腰を抜かして、そのままドナドナと泥の中に転がって完全自滅ざまぁするのだった。

「ふふ、れいな様。100年前の大飢饉の歴史すら、我がサテライトワゴンの圧倒的なお出汁の段取りの前に全面降伏いたしましたわね!」

セシリア王女が、誇らしげに胸を張って微笑んだ。

歴史の空白に隠された悪徳領主の暴挙を、現代のAIテクノロジーと極限の茹でたてうどんで完全粉砕した我が店。

時空を超える多次元移動販売カーの進撃は、過去も未来も関係なく、お腹を空かせたすべての民を救うために、次なる時空のオペレーションへとアクセルを踏み込むのだった!

第80話をお読みいただきありがとうございました!

記念すべき第80話は、初の時空ワープによる「100年前の大飢饉村救済編」でした!

シン君の容赦ない「領主の隠し蔵ハッキング」と、レイナ店長の「特製肉うどん」の完璧な段取りによって、歴史の悲劇が一瞬で大爽快なざまぁハッピーエンドに書き換えられましたね(大爆笑)。

過去の悪党だろうと、サテライトキッチンの前には無力でした!

第81話!

ガリア村の歴史をハッキングし、お腹いっぱいの笑顔で満たしたサテライトワゴン一同。

さあ次の時空へ出発しようとしたその時、ワゴンのレーダーが、なんと「数百年後の未来のディストピア世界」からの、超強力なSOS信号を検知して……!?

次の舞台は、すべての本物の食べ物が失われ、人類が不味い「栄養カプセル」だけで管理されているサイバーパンクな未来世界!?

未来のディストピアに、本物のネオサヌキお出汁の衝撃がハッキングを仕掛けて――!?

「100年前の領主ハッキング早すぎw」「魔王様の過剰防衛は過去でも健在」「次は未来のディストピアうどん無双!?」と思ったら、ぜひ作品へのブックマークと、評価の【星5】をポチッとお願いします!

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