第75話:『世界の最高権威である聖教皇庁が「秩序を乱す異端の店」として破門を突きつけてきましたが、すでに二大国家がこちらの胃袋にありました』
皆様、いつも本当にありがとうございます!
魔法王国の王女エルミニア様がうどんに感動しすぎて、国家の全魔力を我が店の自動茹で機に直結(熱効率4000%)させてしまった前話、たくさんの「湯沸かしのスケールが違いすぎるw」という感想をいただき大感激です!
さて、異世界とネオサヌキの技術が融合し、もはや最強の超魔導スマート厨房へと進化した我がサテライトキッチン。
ですが、帝国全土へのチェーン展開や魔法王国のマナ私物化(?)という規格外の動きを、大陸の最高宗教権威である『聖教皇庁』が黙って見過ごすはずもなく……。
「世界の秩序を乱す不届きなるうどん屋よ、神の名において破門(営業停止)とする!」
豪華絢爛な神官と聖騎士を率いた特使が、最後の審判を突きつけにやってきます。
大陸最高権威を相手にした、前代未聞のお出汁のハッキング無双、いってみましょう!
「――異界の料理人、聖女れいなよ! 貴殿が犯した罪はあまりにも重い! 異界の怪しげな術式(※クラウドOS)を広め、世界の魔力バランスを歪め、民の心を惑わすその『うどん』なる不浄の麺……これらはすべて、世界の秩序を揺るがす異端の証明である!」
ジャラジャラと金銀の法具を鳴らし、中央総本店の厨房に踏み込んできたのは、聖教皇庁から派遣された特使、マルセロ大司教だった。
彼の背後には、神の紋章が刻まれた純白の重甲冑を纏った、最高位の『聖皇騎士団』がズラリと居並び、これまでのお客さんとは一線を画す、圧倒的な「宗教的権威」のプレッシャーを放っている。
「マルセロ大司教様。不浄の麺だなんて失礼です。うちはただ、ネオサヌキの天日塩とお出汁を使って、みんなにお腹いっぱいになってもらうために完璧な段取り(オペレーション)を組んでいるだけですよ?」
私がいつも通り湯切りテボを片手に凛として答えると、マルセロ大司教は「黙れ、異端者が!」と、神の判決が記された巨大な聖書を突きつけてきた。
「帝国も魔法王国も、貴殿の不浄の麺に毒されて正気を失っている! よって聖教皇庁の絶対権限に基づき、本日をもって貴殿とその一味を『大陸全土において永久破門(全面営業停止)』とする! 逆らうならば、神の炎によってその厨房ごと浄化して――」
「おいおい、おじいさん。神の炎を放つ前に、自分の足元をよく見た方がいいよ」
カウンターの特等席でコーラを飲んでいたシン君が、サイバーゴーグルをきらりと光らせ、手元のホログラム端末をパチパチと叩きながら冷淡に笑った。
次の瞬間、大司教たちが持っていた「聖教皇庁直通の通信魔導具」から、緑色のデジタルノイズと共に、聞き覚えのある力強い声が一斉に鳴り響いた。
『――サテライトキッチンに無礼を働く者は、我がローム帝国への宣戦布告とみなす! 直ちにその不敬な法具を収めよ!』(ルシウス皇帝陛下)
『我が国の全マナを注ぎ込んだ神聖なる茹で機に指一本でも触れてみろ、魔法王国の全魔導士をもって聖教皇庁を包囲してやるわ!』(エルミニア王女殿下)
「な、何だと……!? 皇帝陛下に、魔法王国の王女殿下……!? なぜ聖教皇庁の最高機密通信回線から、他国の元首たちの声が同時に聞こえてくるのだ!?」
マルセロ大司教が、顔を紙のように真っ白にして通信具を落としそうになる。
「中世の暗号化通信回線なんて、ボクの自動発注AIの帯域をちょっと間借りすれば、一瞬でマルチジャック(傍受・強制接続)できるんだよね」
シン君が不敵な笑みを浮かべ、さらに画面をフリックした。
「ついでに、聖教皇庁が隠蔽していた過去の『聖なる寄付金の横領データ』と『裏の免罪符ビジネスのログ』、今この瞬間に大陸全土の108店舗の街頭スクリーンに一斉送信しといたよ。ほら、もう大炎上してる」
画面を見ると、聖教皇庁の本部前で、事実を知った大勢の信徒たちが「教皇庁の嘘つきどもめ!」「うどん屋をいじめるな!」と、大暴動を起こしている映像がリアルタイムで流れていた。
「ば、バカな……っ! 我が教皇庁の数百年分の神聖なる機密が、このような一瞬で、ただのガキの板切れ(端末)の中にハッキングされるなど――」
「おい、神官」
さらに厨房の奥から、熱効率4000%の自動茹で機の湯気の中から、新ロゴのエプロンを着た魔王バラドが静かに歩み出てきた。
「神の名を騙る詐欺師風情が、我が主のお出汁を『不浄』と言い放ったな。その傲慢な魂、ここで我が暗黒魔法の糧にしてやろうか?」
「ひ、ひえええええーーーっ!? 本物の魔王!? なぜ教皇庁が数百年かけても封印できなかった伝説の魔王が、うどん屋で湯切りをしているんだーーーっ!?」
世界の最高権威であったはずのマルセロ大司教は、国家のトップに脅され、組織の裏帳簿を一瞬で世界中に晒され、さらには伝説の魔王のリアルな威圧の前に、完全に腰を抜かしてその場にドナドナと崩れ落ちる(ざまぁ)のだった。
「もー、シン君もバラド様も、お出汁の仕込み中にあんまり派手に組織を潰さないでって言ってるじゃない」
私が苦笑いしながらテボをパシッと鳴らすと、セシリア王女が「ふふ、れいな様。これで大陸の裏も表も、神の権威すらも我がサテライトキッチンの完璧なオペレーションの前にひれ伏しましたわね!」と、誇らしげに胸を張るのだった。
世界の最高宗教権威すらも一瞬でサイバーハッキングと圧倒的なお出汁の段取りの前に完全自滅させた我が店。
もはやこの大陸において、サテライトキッチンの「茹でたてうどん」の進撃を止められる者は、文字通り神ですら存在しないのだった。
第75話をお読みいただきありがとうございました!
ついに襲来した世界の最高権威・聖教皇庁ですが、シン君の容赦ない最高機密ハッキング(裏帳簿世界同時配信)と、すでに胃袋を掴まれている二大国家のトップからのガチギレ通信の前に、一瞬で組織ごと大炎上ざまぁとなりました(笑)。
どんなに偉い神官様でも、お出汁の段取りと未来のセキュリティの前には無力でしたね!
第76話!
ついに大陸の全権威を掌握し、完全なる平和が訪れたサテライトキッチン。
すると厨房の奥の『時空固定魔法陣』が突如として虹色に激しく明滅し、なんと「時空管理者」様から直接、「れいな店長、あなたのうどんのオペレーションは世界の次元を拡張しました。次なるステージ――『神界ケータリング編』へご案内します!」と、とんでもない次なる段取りを突きつけられて――!?
「教皇庁ハッキングされるの早すぎw」「魔王様が相変わらず最強の過剰防衛」「うどんの前に神の権威は無力」と思ったら、ぜひ作品へのブックマークと、評価の【星5】をポチッとお願いします!




