第74話:『うどんの虜になった魔法王国の王女様が、国家の全魔力を我が店の自動茹で機に直結させて厨房を大改造しました』
皆様、いつも本当にありがとうございます!
「大賢者たちの仇討ち!」と息巻いて乗り込んできたエルミニア王女様が、進化した「極・生一本うどん」の前に一瞬でお腹の虫を鳴らして全面降伏した前話、たくさんの「ポンコツ化早すぎw」という感想をいただき大感激です!
本日は、すっかりお出汁の虜になり、自ら「魔法王国の初代うどん大使」に就任したエルミニア王女が、何やら興奮した様子でとんでもない設計図を手に持って厨房に飛び込んできました。
「我が国の国家最高機密である【大魔導マナプール】のエネルギーを、この店の自動茹で機に直結させるべきだ!」
魔法王国の国家エネルギーを私物化(?)した、前代未聞の超ハイテク厨房大改造計画がスタートします。
職人聖女の次なるオペレーション、いってみましょう!
「――聴いてくれ、聖女れいな殿! 私は素晴らしい段取り(オペレーション)を思いついたぞ! 我が魔法王国ラピュリアの最高魔導院にある、無限の魔力を蓄えた【大魔導マナプール】……あの全エネルギーを、このサテライトキッチンの自動茹で機にダイレクトに直結させるのだ!」
翌朝。中央総本店の厨房に、まだ白銀の甲冑を着たままのエルミニア王女が、もの凄い熱量で羊皮紙の設計図を広げて突撃してきた。
その背後では、昨日気絶から目覚めたばかりの大賢者たちが「お、王女殿下ぁーっ!? 国家の国防と魔導研究を支える全魔力源を、ただの麺処の湯沸かし器にバイパスするなど、いくら何でも狂気の沙汰にございます!」と、髪を振り乱して涙ながらに引き止めている。
「黙れ、大賢者よ! この神の麺を、1秒でも早く、最高の火力で茹ぎ上げる以上に重要な国家プロジェクトがどこにあるというのだ! すでに皇帝陛下も『帝国フランチャイズのインフラ強化に繋がるならば全面協力する』と仰っている!」
「ええっと、エルミニア王女様……」
私は湯切りテボを持ったまま、そのあまりにも極端な手のひら返しと、国家予算どころか国家のエネルギーそのものをうどんに注ぎ込もうとする熱量に、ただただ圧倒されていた。
前世でも厨房のガス火力をプロ仕様の強火力に変える工事はしたことがあるけれど、まさか大国の国家魔力を直結するなんて、段取りのスケールが天を突き抜けている。
「へぇ、魔法王国の全マナ(魔力源)を、うちのクラウドサーバー経由で厨房の魔導コンロに同期させるわけか」
カウンター席でコーラを飲んでいたシン君が、サイバーゴーグルをきらりと光らせ、エルミニア王女の設計図をスキャンしながら不敵に笑った。
「これ、ボクのネオサヌキの技術で制御プロトコルを組めば、湯沸かしの熱効率を理論上『4000%』まで引き上げられるよ。一瞬で、一切の温度ムラなく、常に180度(※お出汁の最高沸点)の超高温を維持できる。最強のデジタル超火力厨房の完成だね」
「ククク……、面白そうではないか」
厨房の奥から、エプロンをなびかせた魔王バラドが腕を組んで歩み出てきた。
「その超火力、我が魔王の炎すら凌駕するやもしれん。その極限の湯で茹ぎ上げられる麺のコシ……一体どれほどの破壊力を秘めることになるか、我が身で試してみたくなったぞ」
世界の均衡を握るチート仲間たちが、またしても楽しそうに、異世界最強の厨房大改造の段取りを組み始めてしまった。
「な、何なのだ、その恐ろしい並列演算は……っ! 我が王国の最高機密が、あの少年の端末の中で一瞬で最適化されていく……!」
大賢者たちが、シン君の空間に浮かび上がった『大魔導マナ直結・全自動超高速茹で機』の3Dホログラム設計図を見て、腰を抜かして震えている。
「エルミニア王女様、そこまで熱く言われちゃったら、職人として断る理由はありません!」
私はテボをパシッと叩いて、爽やかに微笑んだ。
「魔法王国の無限のマナと、ネオサヌキのテクノロジー、そして我が店のオペレーションを融合させて、世界で一番贅沢な『最強の茹でたて』を完成させましょう!」
「うむ! 即座に工事を開始せよ!」
こうして、かつては敵対しかけた魔法王国の国家魔力すらも完全に掌握し、サテライトキッチンの厨房は、異世界と未来の技術が融合した前代未聞の『超魔導スマート厨房』へと大進化を遂げるのだった。
第74話をお読みいただきありがとうございました!
魔法王国の王女様、うどんへの感動が行き過ぎた結果、国家の全魔力を我が店の厨房へ直結させるという暴挙(?)に出ました!(笑)
シン君の制御OSにより、湯沸かしの熱効率が4000%に達した最強の自動茹で機が完成。
もはや料理の枠を超えた超魔導インフラの誕生ですね!
第75話!
無限の魔力で常に最高の状態をキープできるようになった超魔導厨房。
そこへ、帝国全土と魔法王国の動きを察知した、この大陸を統べる最高権威――『聖教皇庁の特使』が、「異界の技術で世界の秩序を乱す不届き者を破門にする!」と、最後の審判を下しにやってきて――!?
「国家の魔力を湯沸かしに使うなw」「シン君のハッキングが手慣れすぎ」「熱効率4000%のうどん屋強すぎる」と思ったら、ぜひ作品へのブックマークと、評価の【星5】をポチッとお願いします!




