第69話:『食欲を取り戻した皇帝陛下が「帝国フランチャイズ計画」をぶち上げましたが、国家予算の規模が大きすぎて話が跳ね上がっています』
皆様、いつも本当にありがとうございます!
「黄金おろし生姜うどん」で皇帝陛下の胃袋を完全にハッキングし、プライド高すぎ料理長を完全ざまぁした前話、たくさんのスッキリ感想をいただき大感激です!
さて、すっかり元気と食欲を取り戻したルシウス陛下。
涙を流してうどんを完食したまでは良かったのですが……感動が行き過ぎた結果、
なんと「この美味を帝国全土の民にも等しく配る! 帝国フランチャイズ計画だ!」と、とんでもない国家プロジェクトを宣言してきました。
予算規模は金貨数万枚!? 異世界最大のうどんチェーン展開に向けて、職人聖女の段取りが次なる次元へシフトします。
巨大プロジェクト始動回、いってみましょう!
「――聖女れいな殿! 余は決意したぞ! この『うどん』という奇跡の食文化を、ローム帝国の全直轄領、全108都市に同時に普及させる! 名付けて『帝国うどんフランチャイズ化計画』だ!」
玉座の間で、さっきまで食欲不振でガリガリだったのが嘘のように血色の良い顔をしたルシウス陛下が、拳を突き上げて熱弁していた。
その背後では、財務大臣の老貴族が「へ、陛下……っ! 国境の砦の改修予算をすべて『うどん粉と出汁の備蓄』に回すなど、正気の沙汰とは思えませぬ!」と、胃を押さえながら白目を剥いて叫んでいる。
「何を言うか! 兵の士気を高め、民の健康を守る以上に重要な国防があるか! 予算は金貨5万枚を即座に計上する! 聖女れいな殿、これで大陸最大のうどんチェーンを構築してくれ!」
「えええっと、ルシウス陛下……」
私は湯切りテボを構えたまま、あまりのスケールの大きさに冷や汗が止まらなかった。
前世でも大規模なケータリングや複数店舗のプロデュース経験はあるけれど、さすがに「国家予算を使った108店舗の同時オープン」なんて段取りは聞いたことがない。
「金貨5万枚か。中世の資本規模にしては頑張った方だけど、108都市に一斉にサプライチェーン(流通網)を敷くには、人力の馬車じゃ100%破綻するね」
カウンターの特等席でコーラを飲んでいたシン君が、サイバーゴーグルをピコピコと光らせながら冷静に分析する。
「ふっ、ならば我が魔王軍の出番だな」
厨房の奥から、腕を組んだ魔王バラドがニヤリと好戦的な笑みを浮かべて歩み出てきた。
「全都市の支店に、我が軍の誇る『暗黒転送ゲート』を直結させれば良い。王都のサテライトキッチンで仕込んだ麺とスープを、各都市の厨房へ毎朝一瞬でゼロタイム輸送(産地直送)してやろう」
「それ、最高にイカれた最強の物流だね、魔王様」
シン君が楽しそうにキーボードを叩く。
「ボクが『ネオサヌキ・自動発注AIシステム』を構築して、各支店の在庫状況をクラウドで一元管理するよ。注文が入った瞬間に、魔王軍のゲートが自動で開いて茹でたての麺が滑り込む……これなら108店舗同時ワンオペでも回せる」
世界の均衡を揺るがすチート仲間たちが、またしても楽しそうに超ハイテクな段取りを組み始めてしまった。
「な、何なのだ、その見たこともない魔法の数々は……!?」
先ほどまで反対していた財務大臣が、シン君の空間に浮かび上がった『帝国全土のリアルタイム物流シミュレーション画面(3Dホログラム)』を見て、顎が外れそうなほど驚愕している。
「ルシウス陛下、話がすっかり大きくなっちゃいましたけど、分かりました」
私はテボをパシッと叩いて、覚悟を決めた。
「大国の全108都市の民にお腹いっぱいになってもらうため、サテライトキッチンの完璧なオペレーション、帝国全土へデリバリーさせていただきます!」
「おおお……! 頼んだぞ、我が帝国の至宝よ!」
こうして、たった一杯のおろし生姜うどんから始まった親善外交は、未来のサイバー物流と魔王軍のパワーを巻き込み、異世界史上最大の『超巨大うどんチェーン展開』という前代未聞の無双劇へと突入していくのだった。
第69話をお読みいただきありがとうございました!
食欲を取り戻した皇帝陛下、まさかの金貨5万枚を使った「帝国フランチャイズ計画」を発動です!(笑)
108都市への同時出店という超難題ですが、シン君のAI自動発注と魔王様の暗黒転送ゲートが合体したことで、異世界最強のブラックホール級物流ネットワークが完成してしまいました。
第70話!
ついに始まった帝国全土でのうどん一斉販売!
しかし、その圧倒的な独占市場を面白く思わない、帝国最大の「闇の商人ギルド」が、各都市の支店に対して卑劣な営業妨害(嫌がらせ)を仕掛けてきて――!?
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