第67話:『帝国の皇室に親善大使として招待されましたが、プライドの高い宮廷料理長が「麺売りの田舎娘」と見下してきました』
皆様、いつも本当にありがとうございます!
フェルナンドの案内で、ついに大国ローム帝国の皇室へとお出汁の外交に乗り出した前話、たくさんのワクワクの感想をいただき大感激です!
本日は、豪華絢爛な帝国の宮廷へと足を踏み入れた我がサテライトキッチン一同。
しかし、そこで待ち受けていたのは、異世界の聖女を「ただの麺売りの田舎娘」と鼻で笑う、プライドの塊のような宮廷料理長でした。
高級食材を並べてマウントをとってくる最高峰の料理人に、職人聖女が現場のリアルを突きつける!?
ざまぁの火力をじわじわ高める新章突入回、いってみましょう!
「――ふん。マルコ貿易商会が血相を変えて連れてきたからどんな大層な料理人かと思えば……まさか、こんな貧相な木の棒を持った田舎娘だったとはな」
大理石で床がピカピカに磨かれた、ローム帝国の最高級宮廷厨房。
そこに腕を組んで傲慢に立ちはだかったのは、頭に高々と白いコック帽を戴いた帝国の宮廷料理長、ジャン・ジャックだった。
彼の周りには、金銀の刺繍が入ったエプロンをつけた大勢の宮廷料理人たちが、私たちを小馬鹿にしたような目で見下ろしている。
「あの、ジャン・ジャック料理長。私はただ、フェルナンドさんに依頼されて、食欲不振の皇帝陛下に最高の茹でたてうどんを食べてもらいに来ただけなのですが……」
私がいつも通り新ロゴのエプロン姿で説明すると、ジャン・ジャックは「ハハハハ!」と大仰に天井を仰いで笑った。
「うどんだと!? 聞けば、小麦粉を練って伸ばして切っただけの、他国の下民が啜るB級グルメではないか! 大陸最高峰の食材である『白銀トリュフ』や『黄金飛竜のレバー』を尽くした我がフルコースですら、陛下の箸は進まないのだぞ? そんな庶民の餌を陛下が口にされるはずがない!」
「ちょっと、そこのコック帽」
私の横から、コーラの瓶を持ったシン君が、サイバーゴーグルをきらりと光らせて冷淡な声を放った。
「さっきから君たちの調理フロー(段取り)を後ろで見てるんだけどさ……。無駄な高級食材ばかり並べて、陛下の今のバイタル(体調)を1ミリも計算に入れてないよね。そんなの、ただの自己満足のゴミデータだよ」
「な、何だと……!? どこぞの馬の骨とも知れんガキが、我が至高の宮廷料理を侮辱するか!?」
ジャン・ジャックが顔を真っ赤にして怒鳴る。
「ほう。我が主のうどんを『庶民の餌』と言い放ったな」
さらに後ろから、腕を組んだ魔王バラドが、背後にどす黒い魔力のオーラ(※超絶デリート級の威圧)を立ち上らせながら一歩前に出た。
「その傲慢な首、ここで叩き割って特製つくねの材料にしてやろうか……?」
「ひ、ひえっ……!? な、なんだこの男のプレッシャーは……!?」
宮廷料理人たちが、魔王のあまりの恐怖にガタガタと歯を鳴らして数歩後退する。
「バラド様、シン君、ストップ! 調理場で喧嘩はダメだよ」
私はテボをパシッと叩いて二人を制し、ジャン・ジャックを真っ直ぐに見据えた。
「ジャン・ジャック料理長。職人の段取りというのは、高級な食材を並べることじゃありません。食べてくれる相手の体調に、100%のオペレーションを合わせることです。……明日、陛下にお出しする昼食の時間、どちらの料理が陛下の箸を進められるか、勝負してみますか?」
「……お、面白い! 帝国の威信にかけて、お前のような麺売りの田舎娘に、本物の『宮廷の格』を思い知らせてやるわ! 明日の正午、御前試合だッ!」
捨て台詞を残して、ジャン・ジャックは料理人たちを率いてドタドタと去っていった。
「ふぅ……。どこに行っても、段取りの悪いマウント料理人って絶滅しないわね」
私がため息をつくと、セシリア王女が「ふふ、れいな様。あの料理長は、完全に地雷を踏みましたわね。明日の正午、王都を震撼させたあのお出汁のオペレーションで、帝国の宮廷を完全にハッキングしてやりましょう!」と、不敵に微笑んだ。
高級食材を過信し、体調を無視した独りよがりの宮廷料理VS前世の現場ノウハウと未来の技術が詰まった、胃に優しく圧倒的に美味い「ネオサヌキの特製かけうどん」。
大国の命運を握る御前試合に向けて、私は静かに、最高のお出汁の仕込みを開始するのだった。
第67話をお読みいただきありがとうございました!
出てきました、なろう名物のプライド高すぎ宮廷料理長!(笑)
レイナ店長をただの田舎娘と侮る彼ですが、明日の御前試合でどんな「お出汁ショック」を受けるのか、今から楽しみですね!
第68話!
ついに始まった皇帝陛下の前での御前試合!
ジャン・ジャックが自信満々に出した至高のフルコースに対し、食欲不振の皇帝は一口もつけず……!?
そこへ、完璧なタイムラインで計算され尽くした、レイナ店長の「究極の茹でたて・おろしお勧め生姜うどん」が着丼して――!?
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