第55話:『世界のシステムがバグった結果、前世(地球)のネット掲示板にうちのメニューが誤爆されていました』
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時空管理者様をお出汁で味方につけ、我が店は名実ともに「世界最高の安全圏」となりました。
これでのんびり営業ができる……と思ったのですが、
どうやら管理者の論理回路がオーバーヒートした衝撃で、
空間の裂け目が「とんでもない場所」に繋がってしまったようです。
新章突入の第55話、驚きの展開をどうぞ!
「ふぅ……。ひとまず、これで本当に一安心ね。管理者さんも満足してくれたみたいだし」
私は調理場の片付けをしながら、ほっと息をついた。
世界の裏ボスが常連になったのだ。これからは王都の貴族が何を言おうが、異世界の法律が変わろうが、うちの店は完全無敵の治外法権である。
「お疲れ様、店長。……でも、さっきからこの魔導端末の様子がちょっと変なんだよね」
シン君が、神界AIからの注文を受けていた黒い端末をトントンと指で叩いている。
画面を見ると、緑色のデジタルノイズの隙間に、なぜか見覚えのある「横書きの文字列」が高速でスクロールしていた。
「え……? これって、ルー文字じゃない。……私の前世の言葉(日本語)?」
画面をじっと凝視する。そこに映し出されていたのは、前世の記憶にある、あの懐かしいネット掲示板の画面によく似た『謎の電脳空間』のログだった。
【悲報】ワイの街のデリバリーアプリに、謎の「魔獣肉うどん」が出現する
1: 名無しの料理人 さっき腹減って電脳デリバリー注文しようとしたら、メニューに『霜降りドラゴンの低温調理釜揚げうどん・時空固定仕様』ってのがあったんやが。価格が「300魔石」になってて草。バグか?
5: 名無しのごちそう
1 画像ハラデイ。どうせどっかのサーバーのエイプリルフールか何かだろ
12: 名無しの料理人
5 ほんまに表示されとるんや。しかも店のロゴ、めちゃくちゃ格好いい黄金の出汁と翼のデザイン。
レビュー見たら『世界樹の精霊:お揚げがジューシーで泣いた』とか書いてあってスピリチュアルすぎる。
「ちょっと待って……これ、前世の電脳ネットじゃない!?」
私がひっくり返った声を上げると、シン君が画面のコードを解析しながら納得したように頷いた。
「なるほどね。さっき時空管理者がお出汁の旨味でオーバーヒートしたでしょ? その時に、店長の『前世の記憶にある概念の座標』と、神界のデータ通信網が奇跡的に混線しちゃったみたいだ」
「混線って……じゃあ、うちのメニューが別次元のアプリに誤爆表示されてるの!?」
その時、端末がブルッと激しく震えた。
ポーン。
『【新規オーダー】発信元:次元座標α-001(通称・並行電脳セクター・ネオネオ日本)。注文内容:黒炎竜の肉うどん・1杯。……配達先:架空都市ネオサヌキ・チュウオウ区……』
画面には、前世の私にとって懐かしい響きを持ちつつも、完全にこの世界の「外側」にある、未知のサイバーファンタジー都市の住所が刻まれていた。
「ネオサヌキから注文が入った……!? シン君、これ、届くの!?」
「僕の空間魔法と魔王軍のワイバーン航空なら、次元の壁を越えて3分で配達できるよ。……どうする、店長? 記念すべき『マルチバース初デリバリー』、行っちゃう?」
前世の記憶が混ざり合った、未知のサイバー世界からのまさかの逆注文。
聖女れいなのうどんデリバリーは、ファンタジーの枠すらも飛び越え、さらなる未知の領域へとその翼を広げようとしていた。
第55話をお読みいただきありがとうございました!
世界を救ったお出汁の香りが、ついに次元の壁を越えて未知のサイバー世界『ネオサヌキ』へ誤爆デリバリーです(笑)。
第56話!
未知の世界の注文者に、ワイバーン特急便がガチでうどんを届けに行きます!
謎の電脳都市に現れる魔王軍の配達員。サイバーネットは大炎上間違いなし!?
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