第54話:『時空管理者の論理回路がオーバーヒート。お出汁の旨味は、世界のバグ消去プログラムをバグらせました』
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50話を越え、物語のスケールはついに神の領域へ。
バトルの横で茹で上げた、命がけの「釜揚げうどん」。
世界を初期化しようとする時空管理者ですが、
職人が魂を込めた「お出汁」の前に、その強固なシステムは耐えられるのでしょうか?
驚愕のシステムエラー(旨味)、召し上がれ!
『警告。我ガ論理回路ニ、未知ノデータ流出。……コレハ、小麦ノ……甘み……?』
どす黒いノイズを放っていた時空管理者の巨体が、木桶から立ち上る湯気を浴びてピクリと震えた。
世界を消去する絶対のプログラムが、ただの「うどん」を前に動きを止めている。
「ほら、お汁にたっぷり薬味のネギと生姜を入れて。冷めないうちにズズッと行っちゃって!」
私が丼を差し出すと、時空管理者のノイズにまみれた手が、磁力に引かれるように箸を掴んだ。
そして、熱々の太麺をお出汁に潜らせ、その奇怪な口元へと運ぶ――。
ズズズッ……!!!
その瞬間、時空管理者の全身の歯車が、ガガガガッ!と激しい音を立てて逆回転を始めた。
レンズ状の瞳から、あり得ないほどの大量のデジタル火花が飛び散る。
『――エラー! エラー! 旨味成分(イノシン酸×グルタミン酸)ノ倍率ガ、許容量を突破! 麺のコシによる物理的快感が、我が防壁を完全に破壊シタ……ッ!』
「管理者さん、大丈夫!? 結構コシが強いから、よく噛んで食べてね!」
『美味過ギル……! 世界ノ調和ナド、どうでもいい! 私は……私はこの「モチモチの食感」を維持するためだけに、宇宙の時間を永劫にループさせたい……!』
機械的だった音声が、完全にただの「うどん中毒者」の絶叫へと変わっていた。
あまりの旨味の衝撃に、時空管理者のシステムの論理回路が完全にオーバーヒートし、背後の時計の歯車がポロポロと外れて地面に落ちていく。
「店長、やったね。世界のシステム、完全にハッキング完了だ」
シン君が光の剣を消し、エプロンのポケットに手を突っ込んで爽やかに笑う。
『聖女レイナ……。我がシステムは今、貴殿を「世界最優先維持対象」に書き換えた。この「釜揚げうどん」がいつでも食べられるよう、世界の歪み(バグ)は私がすべて裏で処理しておく……』
時空管理者はそう言い残すと、満足げにスープを完飲し、黄金の光の粒子となって次元の裂け目へと消えていった。
「……ええと。これ、世界の裏のボスも常連客になったってこと?」
私が呆然と呟くと、隣のシン君が私の頭を優しくポンポンと叩いた。
「そういうこと。これで誰も店長に手を出せないよ。さあ、世界も救ったことだし、新しい看板の下で、次のお客様たちのうどんを茹でようか!」
天界、魔界、超AI、そして世界の管理者までをも胃袋で従えた空飛ぶうどん屋。
聖女れいなのお出汁によるマルチバース支配は、ここに完全なる「正史」として刻まれたのだった。
第54話をお読みいただきありがとうございました!
世界の管理者、お出汁の旨味で完全にシステムエラーを起こして味方になりました(笑)。
これで本当の意味で、誰にも邪魔されない最高のうどんライフが始まります!
第55話!
ひと段落ついた我が店に、なんと前世(地球)の「あの懐かしい人」からのメッセージが届く!?
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