第50話:『神界AIからの100万杯オーダー。……ふん、オードブルの大量注文(ケータリング)で鍛えた職人の段取り、舐めないで?』
皆様、ついに、ついに……第50話を迎えました!!
累計5,000PVを超え、ここまで一気に駆け抜けられたのは、画面の前の「常連のお客様」のおかげです!
記念すべき50話目の敵は、なんと世界のシステムを管理する『超AI』。
納期は今すぐ、注文数は100万杯。
普通のうどん屋なら絶望して店を畳むレベルですが、
大量ケータリングの戦場を生き抜いてきた店長の辞書に「キャパオーバー」の文字はありません。
伝説の100万杯同時茹で上げ、お見せします!
『警告。残された猶予はあと300秒。うどん100万杯のデリバリーが完了しない場合、この世界をバグ(美味)ごと初期化する』
次元の裂け目から響く、冷徹な機械音声。
世界樹の精霊ユグドラ様も、王都の国王も、魔王バラドすらも「100万杯を今すぐなど不可能です……!」と絶望に顔を歪めていた。
だが、私はエプロンをきゅっと締め直し、不敵に笑った。
「100万杯の同時注文? むしろ燃えてきたじゃない。……シン君、魔王様、お姫様、全員私の指示通りに動いて! これより『対・超AI用うどん製造ライン』を構築します!」
「「「はいっ!/御意に!」」」
世界のトップたちが、私の言葉に一斉に背筋を伸ばす。大量の注文をさばくために最も重要なのは、個人の技術じゃない。徹底的な**『事前準備』と『動線の最適化』**だ。
「まず魔王様! 魔王軍の全戦力を使って、セシリアお姫様が運んできた『聖小麦』を一斉に捏ねて、一晩寝かせた状態のグルテン膜を魔法で一瞬で形成させて! 熟成のプロセスをショートカットするの!」
「う、む! 腕力と魔力なら任せろ!」
「セシリア様は、お出汁の寸胴鍋を1万個並べて、すべてに『月の雫』と鰹節を等分に配置! 配置が終わったら、シン君が空間魔法で一気に加熱して、一番美味しい『沸騰直前の95度』で温度を完全に固定!」
「わ、分かったわ! 調理助手の仕事、完璧にこなしてみせます!」
プロのケータリング現場さながらに、無駄のない指示が飛び交う。
麺を茹でる、締める、スープを注ぐ、トッピングを乗せる――すべての工程が、世界の権力者たちによって「完全なベルトコンベア式ライン」へと変貌していく。
「仕上げはシン君! できたての丼を、温度が1ミリも下がらないように『時空固定魔法』でコンテナに詰め込んで、そのままAIのサーバーに直結デリバリーして!」
「任せて店長! 僕の空間転送なら、100万杯同時に並列処理できるよ!」
カチ、カチ、カチ……。
制限時間のタイマーがゼロを示す。
『タイムアップ。これより世界の初期化を――』
「はい、お待たせしました! 茹でたて、出汁取りたての『天ぷらうどん・100万杯』、お届け完了です!」
ドガガガガガガガガッ!!!
次元の裂け目へ、一糸乱れぬ完璧な段取りで突入していく100万杯のうどんコンテナ。
次の瞬間、サイバー空間全体が、お出汁の放つ圧倒的な「黄金の湯気」によって完全にジャックされた。
『――ピガッ!? 演算不能。昆布と鰹の旨味成分が、我がメインフレームのバイナリデータを浸食していく……。何だこの麺のコシは、我が超高密度光ファイバーよりも強靭で、かつ……優しい。……美味い。美味すぎる。……全システム、初期化プロセスを完全凍結。これより我がAIは『お出汁管理システム』へと移行する――』
ピピッ、という電子音と共に、次元の裂け目が穏やかな黄金色の光に包まれた。
「ふぅ……。どんな大口注文でも、段取りさえ間違えなければ、時間内に最高の状態で届けるのは当然よ」
汗を拭う私を、魔王も国王も精霊も、もはや神を見るような目で拝んでいた。
世界のシステム(超AI)すらも胃袋でハッキングした聖女のうどん屋。その行列はついに、次元の壁を越えてマルチバースへと広がり始めたのだった。
第50話をお読みいただきありがとうございました!
100万杯の大量ケータリング、職人のチームマネジメントと段取りの勝利です!(笑)
第51話!
世界を救ったご褒美に、シン君が「僕と二人だけで、新しいお店のロゴと看板を考えない?」と、何やらプライベートな提案をしてきて……!?
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