第48話:『世界の根幹に届いた芳香。世界樹の精霊が「私を飢え死にさせる気?」と怒って目覚めました』
皆様、いつも本当にありがとうございます!
累計5,000 PVを突破し、ワイバーンを使った「うどん空輸」が本格始動した我が店。
しかし、あまりにも美味しい香りを世界中に振りまきすぎたせいか、
この世界を支える「あの超巨大な存在」の胃袋まで刺激してしまったようです。
スケール感もコシもマシマシでお届けします!
「ちょっと店長、大変だよ! レーダー……じゃなくて、精霊感知器が異常値を叩き出してる!」
サテライトキッチンの窓から外を見ていたシン君が、珍しく焦った声を上げた。
見ると、遠く地平線にそびえ立つ、世界の支柱――『世界樹』が、まるで生き物のように激しく身震いしている。
ゴゴゴゴゴゴ……!!
大陸全土を揺るがす地鳴りと共に、世界樹の頂から眩い緑の光が放たれた。
そして光の中から現れたのは、新緑の髪を持つ、息を呑むほど美しい巨大な美女の幻影。世界樹の意志そのものである、最高位の精霊・ユグドラだった。
『……うう、お腹が空いた。もう我慢できない……!』
ユグドラの神聖な声が、世界中の人々の脳内に直接響き渡る。王都の国王も、魔王城の魔王も、突然の事態に腰を抜かして空を見上げていた。
『人間も魔族も、毎日毎日、大空を飛び回るトカゲ(ワイバーン)の便で、そんなに美味しそうなものを運んで……! なぜ世界を支えている私に、一番に持ってこないのですか!?』
「え、世界樹の精霊様、うどんの匂いで起きちゃったの……?」
私は呆然としながらも、手元にあった一番大きなすり鉢を手に取った。
世界を支える大精霊が空腹で暴れたら、それこそデリバリーどころではなくなってしまう。
「シン君、手伝って! 世界樹の精霊様を満足させる、特大の『きつねうどん』を作るわよ!」
「了解! お揚げのサイズは、王都の広場サイズでいいね?」
私は、セシリア王女から届いた最高級小麦をシン君の神速の力で練り上げ、極太でモチモチの麺に仕上げた。
そして、じっくりと甘辛く煮込んだ、驚くほどジューシーな特大お揚げを乗せる。お出汁は、世界樹の根元を流れる聖水を引き込み、鰹と昆布の旨味を極限まで抽出した特製スープだ。
シン君の空間転送魔法によって、世界樹の頂へと届けられた特大の丼。
ユグドラはそれを優雅に受け取り、スープを一口啜った瞬間――。
『――ふえぇぇぇん! 美味しすぎるわーーー!!!』
大精霊が、子供のように大粒の涙を流して叫んだ。
その瞬間、枯れかけていた世界樹の葉が一斉に青々と繁り、世界中に満ちる魔力が驚異的なスピードで回復していく。
『何このお出汁、優しさが五臓六腑にしみわたる……! お揚げからジュワッと溢れる甘いお汁が、麺と絡まって最高だわ! もう、これなしでは世界を支える仕事なんてやってられない!!』
「……店長、世界樹の精霊が、うちのうどんを『世界の永久インフラ』に指定したみたいだよ」
シン君が呆れたように笑う。
天界、国家、魔王軍を従えた聖女のうどん屋は、ついに「世界の神システム」そのものを買収してしまったようだった。
第48話をお読みいただきありがとうございました!
世界樹の精霊ユグドラ様、うどんの旨味で完全復活です(笑)。
第49話!
世界樹が味方についたことで、なろうの日間ランキングがとんでもないことに!?
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