第45話:『世界を揺るがす「うどん外交」。私の知らないところで、三大国のトップが全面戦争を始めそうです』
皆様、いつも応援ありがとうございます!
隣国の『絶食姫』セシリア様を肉うどんでノックアウトした我が店。
ですが、事態は思わぬ方向へ転がり始めました。
「あの一杯を食べられるなら、国境の街を譲ってもいい」
……ちょっと待って、ただのうどん屋の行列で国際問題を起こさないで!?
「美味しかったわ……。私のこれまでの人生、この一杯に出会うための前座だったのね」
丼をピカピカに飲み干したセシリア王女は、うっとりと頬を染めながら呟いた。
さっきまでの冷徹な態度はどこへやら、今や完全に「お出汁の信者」である。
「れいな、あなたを我が国の『筆頭宮廷料理聖女』として迎え入れたいわ。予算は国家予算の一割を出す。当然、そこの有能な給仕(シン君)もセットでね」
「は? 国家予算の一割!?」
私が目を丸くしたその時、広場の端からドスの効いた声が響いた。
「おいおい、隣国のジャリ娘が勝手なことを言うな。れいなは元々、我が王国の聖女だ。連れ戻すのはこちらが先だ!」
見ると、衛兵の制止を振り切って、我が王国の国王がボロボロの格好のまま割り込んできた。さっきのシン君の威圧感で腰を抜かしていたはずなのに、肉うどんの香りに理性を狂わされたらしい。
「れいな! 戻ってきてくれ! 爵位も、王都の一等地もやる! だからそのお肉のうどんを毎日城で――」
「お黙りなさい、老いぼれ国王」
セシリア王女が冷たく言い放つ。
「彼女を不当に追放した国が何を言うの? 応じないなら、我が国は今すぐあなたたちとの通商条約を破棄します」
「なんだと!? 戦争を始める気か!」
一触即発の空気。王都の広場が、たった一杯のうどんを巡って「世界大戦の火種」に変わりかけたその時、空からさらなる『影』が降ってきた。
ズゥゥゥン……!!
巨大な地響きと共に現れたのは、漆黒の翼を持つ魔族の全権大使だった。
「……人間ども、醜い争いはそこまでにしろ。魔王様からの伝令だ。『そのうどんを毎週魔王城にデリバリーするなら、向こう百年の不可侵条約を結んでもよい』とのことだ」
「「魔王軍まで参戦してきたーーー!?」」
国王と王女が絶叫する中、バイトのシン君がやれやれと首を振って、私の前に出た。
「店長、次の麺茹で上がったよ。……で、そこの偉そうな人たち、食べるの? 食べないなら営業妨害だから、まとめて神の雷で吹き飛ばしちゃうけど」
「ちょっと待ってシン君! 吹き飛ばしたらお客様が減っちゃうでしょ!」
世界最強の男たちをホールスタッフのように従えながら、聖女れいなのうどん外交は、もはや誰も止められない次元へと突入していく。
第45話をお読みいただきありがとうございました!
ついに国家レベル、いや魔王軍まで巻き込んだ「お出汁大戦」が勃発です(笑)。
第46話!
50万PVを目指すための超重要キャラクター、魔王城の「あのお方」が直々に来店!?
「うどん外交強すぎるw」「シン君のサラッとした脅し最高」と思ったら、ぜひ評価の【星5】をお願いします!




