第30話:『魔王と王女が同じテーブルを囲む。究極の平和条約は「うどんの食べ方マナー」についてでした』
お読みいただきありがとうございます!
ついに第30話……!1日24投稿のゴールまで、あと少しです。
魔王が常連になったことで、世界情勢は一変しました。
かつて敵対していた者たちが、私のキッチンの前では「同じスープを愛する仲間」に。
武器を捨てて箸を取る、新しい時代の幕開けです。
「……魔王ゼノス。貴方がこれほどまでに、美しく麺をすする方だとは思いませんでしたわ」
空飛ぶ店舗のテラス席。
そこには、隣国のフランチェスカ王女と、先ほどまで世界を滅ぼそうとしていた魔王が、肩を並べて座っていた。
二人の間にあるのは、湯気を立てる「天の結晶」のお出汁。
「フン……。麺を噛み切るのは、お出汁への不敬だからな。この喉越しを堪能してこそ、聖女への礼儀というものだ」
「あら、分かっていらっしゃるじゃない。でも、七味をかけすぎるのは、本来の香りを損なう気がしますけれど?」
「……何だと? スパイスの刺激がお出汁の甘みを引き立てるのだ。貴公こそ、その卵の溶き方はどうなのだ」
かつての戦争の火種はどこへやら。
今、この世界の最重要議題は「うどんに卵をいつ溶くか」という一点に絞られていた。
魔王軍の幹部も、王国の騎士たちも、息を呑んで二人の議論(うどん談義)を見守っている。
「……平和ね」
私は、シルバーの背中にもたれかかりながら、新しく収穫したネギを刻む。
お出汁の香りが漂う場所には、争いなんて似合わない。
私はただの料理人だけれど、この一杯が、少しだけ世界を丸くしてくれたのかもしれない。
「さあ、お二人とも! 議論の続きは、この『揚げたて半熟卵天』を食べてからにしてください!」
私の声に、魔王と王女が同時に、子供のような笑顔で顔を上げた。
第30話をお読みいただきありがとうございました!
魔王と王女がうどんマナーで論争。これぞ「うどん平和条約」ですね(笑)。
次は1時間後、第31話!
平和になった世界で、れいなが次に目指すのは……なんと「うどんの宇宙進出」!?
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24時間爆撃、完走まであと5話!!




