第22話:『王都からの宣戦布告。……のはずが、全兵士が「うどん食べたい」とボイコットして無血開城へ』
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24時間連続投稿、第10弾!
荒野に世界の王が集まる中、面目を潰された王都の教会が「聖女は魔女である」と宣戦布告。
ついに数千の騎士団が押し寄せてきます。
ですが、立ち上る「お出汁の香り」の前に、鉄の規律はあまりにも無力でした……。
「聖女れいなを捕らえよ! この地を王都の管理下に置く!」
荒野の地平線を埋め尽くす、王都の正規騎士団。その数、およそ三千。
先頭に立つのは、かつて私を追い出したあの神官ケビン。彼は最新の魔導兵器を手に、勝ち誇った顔でこちらを指差した。
「……シルバー、まだ手を出さなくていいわよ」
私は落ち着いて、新調した巨大な寸胴鍋の蓋を開けた。
中には、人魚の姫から届いた特級昆布と、ドワーフたちが育てた最高級のいりこ、そして真珠塩。
さらに、隠し味として「カレーの香りをまとわせた肉の煮汁」がたっぷりと入っている。
ゴオォォォ……ッ!!
風に乗り、暴力的なまでの「旨味の香り」が騎士団の方へと流れていった。
「……っ!? な、なんだ、この胃袋を掴まれるような香りは……」
「団長……我ら、三日三晩、まともな食事も摂らずに進軍してまいりました……」
最前列の兵士たちの槍が、ガタガタと震えだす。
そこへ、追い打ちをかけるようにフランチェスカ王女が叫んだ。
「王都の兵士たちよ! 剣を捨て、器を持ちなさい! 今なら茹でたてのうどんと、揚げたての海老天が間に合いますわよ!」
「なっ……何をおかしなことを! 突撃だ! 突撃しろぉぉ!!」
ケビンの怒号は、兵士たちの「お腹の虫」にかき消された。
「……やってられるか! 俺は、あの黄金のスープを飲むんだ!」
一人が武器を投げ捨てて走り出すと、三千の騎士団は雪崩を打ったように行列へと合流した。
戦わずして、勝負はついた。
戦場になるはずだった荒野は、三千人が一斉に麺をすする、平和な「巨大食堂」へと変わったのだった。
第22話をお読みいただきありがとうございました!
軍隊すらも胃袋で制圧。これぞ「お出汁」の究極の形です。
次は1時間後、いよいよ【第一部・完結】の第23話!
荒野に本当の「国」が生まれる瞬間を、ぜひ見届けてください。
「うどんの勝ち!w」「平和すぎる解決法に乾杯!」と思ったら、ぜひ【星5】の評価をお願いします!
日間ランキング1位まで、あと少し……!




