第19話:『聖女の慈悲。お出汁を煮出す熱気で、荒野に一年中枯れない「常春の菜園」が誕生しました』
お読みいただきありがとうございます!
24時間連続投稿、第7弾!
人魚の姫から届く最高の食材。ですが、うどんには「薬味」や「野菜」も欠かせません。
砂と岩だらけの荒野で、どうやって新鮮なネギやほうれん草を手に入れるのか?
その答えは、れいな様が毎日炊き出す「お出汁」の湯気にありました。
「……ふぅ、今日もいいお出汁が取れたわ」
厨房から立ち上る真っ白な湯気が、窓の外へと流れていく。
普通ならただ消えてしまうはずのその蒸気には、真珠塩の浄化作用と、私の聖女としての魔力がたっぷりと含まれていた。
ふと外を見ると、驚くべき光景が広がっていた。
「……えっ!? 嘘でしょ?」
厨房の排気口から湯気が降り注ぐ場所だけ、砂漠だったはずの地面から、青々とした瑞々しい芽が次々と顔を出しているのだ。
しかも、その成長速度は異常だった。
「これは……九条ネギ? それに、大根やほうれん草まで!」
驚いて駆け寄ると、そこにはお出汁の温かさと魔力によって作られた、小さな「楽園」が出来上がっていた。
本来、冬になれば枯れてしまうはずの野菜たちが、お出汁の蒸気に守られ、まるで春のような陽気の中で育っている。
「聖女様、こいつは驚いた。あんたの作るお出汁は、人間だけじゃなく大地まで元気にしちまうのかよ」
ガラムが感心したように、採れたてのネギを一本かじる。
「……っ! 甘ぇ! なんだこのネギ、お出汁の旨味が中まで染み込んでやがる!」
「これなら、いつでも新鮮な薬味を乗せられるわ。……よし、次は『天ぷらうどん』もメニューに加えちゃおうかな!」
不毛の地だった荒野は今、黄金の蒸気に包まれ、世界で一番豊かな菜園へと変わりつつあった。
第13話をお読みいただきありがとうございました!
ついに自給自足のサイクルが完成。これで「天ぷら」という最強のトッピングが解禁されました。
次は1時間後、第20話!
ついに「あの男」がやってきます。かつてれいなを捨てた、傲慢な元婚約者との直接対決です!
「ネギ食べたい!」「お出汁の蒸気浴びたいw」と思ったら、ぜひ評価の【星5】をお願いします!
読者の皆様の応援が、荒野をさらに緑豊かにします!




