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第二章 3話(上) 「狂気の内から」

 

 ナヤギの目的は、このギルドの抹殺――――



 ナヤギが彼らと出会ったのは1週間ほど前。

 第9攻略都市「ストタルト」の南東に位置する小規模な街の酒場でだ。


 ナヤギがターゲットとなるギルドを探すために酒場へ入ったところ、イベントボスを倒すための作戦を話し合っている彼らを見つけた。

 オークロードに挑むことが出来る最大プレイヤー数は7名、それに対して彼らは6人。

 1人誰かに助っ人を頼むかどうか。ちょうどそんなような話をしていた。

 それが聞こえたナヤギが自分の方から助っ人を申し出たというわけである。



 この一週間、オークロードを倒すための準備をしていた。

 新しくナヤギが加わったことでの連携の確認、個々のレベル上げ、ボスの攻撃パターンなどの情報収集と戦略の画策。


 一方、ナヤギは彼らのステータス、所持武器やアイテム、性格などに探りを入れ、何よりも彼らの信頼を得るために友好的に振舞っていた。

 不意打ちや、確固暗殺を狙いやすくするためもあるが、そもそもギルドに入れてもらえなければ切り札を使うことすら出来ないためである。


 そう、ナヤギはまだ助っ人でしかなく、このギルドのメンバーではない。

 初対面であるにも関わらず、いきなりギルドに入れてくれと言うのは不信感を買う。だからこそ、この1週間は彼らとの信頼関係を築き上げ、自らの有能性を示すことに徹底していた。

 頃合いを見てギルドの一員として向かい入れてもらえるように話を持ち掛けるつもりだ。



 そして、イベントボスを倒した今がその時だ。



「サンキュー、助かったぜ!」


「こちらこそ楽しかった。 ありがとな」


 ノブとハイタッチをするナヤギ。


「意外と早く終わったな」 


「これもレンが助っ人に加わってくれたおかげだ。 多分、俺たちだけじゃ危なかった」


「そんなことねえよ――――――――で、次はどうすんの?」


 さりげなく今後の予定を聞く。

 うまく加入の話に持っていきたい。ボスを倒し、気分が高揚している今がベストタイミングだろう。


「次っ………、今後はどうするかってこと?」


「そうそう、次はどのボス倒すとか予定あるの?」


「いや、特に決めてなかった………エリアボスに挑戦してみるか、もう少しレベル上げした後にヤハテ地方入りをするか、って感じ。 レンはどうするつもりなんだ?」


「俺も特には決めてない。 まっさら、白紙の状態。 適当に街とか梯子して気ままに過ごそうかな。 まあ、いいギルドが見つかったらそこに入ってもいい………」


 レンがどこかのギルド所属する意思があることを、ノブに認識させる。


「そうか、最近は犯罪ギルドも増えてみるみたいだし、PKを目的にしているとこもあるらしいぜ。 間違ってもそんなとこ入らないでくれよ」


「まず間違えねえだろ。 どうやったら入ろうと思うんだよ」


「そういう風に思ってる奴ほど、騙されていつの間にか犯罪に加担してたりするんだよ」


「はいはい、忠告ありがとな。 そんなこというなら――――


 ノブの方から、加入の話を出してもらうのが一番良かったが仕方ない。

 今こそ自然に話を出すことが出来る好機。



『このギルドに入れてくれよ』





 その言葉が、ナヤギの口から出ることなかった。


 ――――――――あれ? 俺は、ギルドに入ったらコイツ等を全員殺さなきゃいけないんだよな?


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― 新着の感想 ―
[一言] もう散々殺してるのにまだその段階なの…?その心理描写は今更過ぎないか?
[良い点] どうもこんにちは! 更新お疲れ様です! やっぱりナヤギが行動を共にしていたのは「嘘つき狼の切り札」を使ってみるためでしたか! 第九攻略都市がどれ程のものなのかはよくわかりませんがフィールド…
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