黒猫ナターシャ・・・・・!!
僕の母親がその名を呼んだ・・・。
一体どうゆうことなのだろう?
僕は先ほどからの、状況を頭の中で整理した。
・・・・・・・・まさか・・・・・!!
「ナターシャ・・・・・。」
おかあさんは、ナターシャの頭を撫でていた・・・・。
ナターシャは、目を細めてとても気持ちよさそうにしていた。
ナターシャは、僕の母親の腕の中で丸くなっていた・・・。
ナターシャは・・・、僕の実家で飼っている黒猫だ・・・・。
・・・・・・・・・どうやら僕は交通事故のせいで、ナターシャの事を忘れていたようであった。
そう、ナターシャはもう18歳になる。
僕と同い年なのだ。
もう彼女は人間で言えば、老婆なのであろう。
いや女性に対して失礼だ・・・・、ナターシャはお姉さんともいうべきなのか?
僕が交通事故にあって昏睡状態の時に現れたナターシャ・・・。
あのナターシャは・・・・、この黒猫のナターシャなのだろうか?
僕は母親に抱かれている、ナターシャの背中を撫でた。
するとナターシャは、僕の顔をジッとみた。
=========== そんなにアタシが気になるのか?数彦!! ==============
「え??」
どこからともなく、僕の頭に声が響いた。
まさか・・・、ナターシャがしゃべったのか?
でもいままでの事を考えると、それでつじつまが合わなくもない・・・・。
この黒猫のナターシャは、姉弟の様に育った僕の事を心配していたのだ。
だから僕が交通事故で昏睡状態になり、生死を彷徨っていた処に現れたのだ・・・・。
魔法使いの女の子の姿をして・・・・。
「そうだったのか・・・・。
有り難うナターシャ・・・。」
僕はナターシャの顎を、優しく触った。
彼女は僕の手を、ペロペロと舐めてきた。
僕は疑問が解けた気になって、感慨にふけろうとしていた・・・。
しかし・・・・・。
「数ちゃん・・・・。」
母親が、僕をちゃん付けで呼んできた。
おかあさんが、僕をこんな風に呼ぶときは何かあるのである。
「菜奈にお線香あげてくれないかなあ・・・・。
あの子は、数ちゃんの事大好きだったから。」
やはり、おかあさんは改まった表情で僕を見つめていた。
そして・・・・僕は、お線香を挙げるために仏壇の前にいた。
遺影を見た瞬間に、交通事故で無くしていたであろう僕の記憶が蘇った。
今までわからなかった事を、僕は全て悟った・・・。
「ナターシャ・・・・。」




