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黒猫だぞ!!

 その夜、僕は腕を後ろに組んで畳に寝っ転がっていた・・・・。

 僕は柴犬(?)のお姉さんに言われたことについて、自分なりに考えを貼り巡られせていた。

 (あの、柴犬(?)のお姉さんは、何者なんだろう・・・?)

 そうは思ったが、彼女は悩める僕に対して、助言をくれた。

 そう、純粋にあの柴犬(?)のお姉さんは、僕にとっては良い人なのだ・・・。

 余計な詮索をするのは、止めにしておこう・・・。


 自分自身で、考えられる限りで頭の中を整理してみた。

 僕は三ヶ月もの間、交通事故にあって昏睡状態にあった。

 その昏睡状態の間の僕の日常に現れたのが、ナターシャだ・・・。

 そう考えると、彼女は夢の世界の住人だ・・。

 そして昏睡状態の夢の中で、僕は再び交通事故にあった。

 それから・・・、ナース姿のナターシャに献身的な看護をしてもらった。

 そして、僕は無事に昏睡状態から回復できた。

 ここまでだったら、ナターシャに感謝するのみだったのだけれど・・・。


 ナターシャは・・・、存在していた・・・。

 僕のアパートの部屋に、彼女の帽子と置き手紙があったのだ・・・。

 ・・・、僕はそれを喜んでいた・・・。


 ============== ナターシャにまた会いたい =================


 それが僕の、偽らざる気持ちであった。

 僕は一体どうしたらいいのであろうか・・・・。


 ============ だったら・・・・。数彦様・・・。貴方のルーツをお訪ねになったら、よろしいかと存じます。 ================


 (!!!!!!!!!!!!!!!!!!)

 僕は、柴犬(?)のお姉さんに言われた言葉を思いだした。

 (ルーツ・・・・。

 ルー・・・・、そうか・・・・?)

 そのとき僕は、考えが浮かんだのであった。

 ちょうど、大学が夏休みに入る時期であった。


 僕は夏休みに、実家に帰省することにした。

 僕は鉄道の席に背もたれながら、若干の不安を抱えながらほおづえをついていた。

 これが、僕のルーツをたどることになるのかは分からない・・・。

 でも自分自身の考えのなかに、それ以外の選択肢が思いつかなかったのである。

 そのことに、素直に従うことにしたのであった。

 そうこうしているうちに、実家の最寄りの駅にたどり着いた。

 

 僕は徒歩で実家を目指した。

 と、言ってもそれほど遠くはない。

 じきに僕の実家の近所当たりを、歩いていた。

 

 ============== 視線を感じる ===================


 「あ!」

 僕が近くの塀の上を見ると、思わず驚きの声をあげた。

 黒猫が、ジッと僕の方をみつめていたのである。

 驚いたのは黒猫だからではなかった・・・。

 実は僕のアパートの部屋に入り浸りになっている黒猫に、ソックリだったからなのである。

 ひょっとして、本当にいつもの黒猫なのだろうか・・・・。


 「ナターシャ!!」

 突然の台詞であった。


 僕はまたまた驚いて、その声の主の方に顔を向けた。


 「お帰りなさい。

 一彦!」

 その声の主は、僕の母親であった。


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