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19/22

お姉さんと柴犬だぞ!!

 いつもの公園を僕は、散歩していた。

 以前、この周辺をナターシャとジョギングした(※第3話参照)事を、思い出した。

 とはいっても、僕が昏睡状態の時の夢の可能性もあるのであるが・・・。

 それでも僕には、ナターシャは確かに存在していたという自身はあった。


 何気に道を歩いていたのだが、見覚えのある人物が僕の目に入ってきた。

 いつかの柴犬(※第12話参照)を引き連れて、とても綺麗な女性が歩いてきた。

 

 確かに以前に、僕は柴犬を助けた。

 そして、その飼い主と思われるとても綺麗な女性が、アパートに訪ねてきた。(※第12,13話参照)

 しかしそれは僕が事故にあって(※第1話参照)、3ヶ月も昏睡状態になっていた間の話である。

 つまり、現実世界ではこの柴犬と女性とは出会っていなかった、ということになる。

 流石に彼女に声を掛ける勇気は、僕には無かった。

 僕はそのままなにも言葉を交わすこともなく、女性とその柴犬とすれ違おうとしていた。

 

 「数彦様・・・・・。」 

 呟くような声が、僕の背中にかかってきた。

 「え!?」

 僕は慌てて振り返った。

 そのとても綺麗な女性は、僕の顔を見つめてスッと直立していた。

 考えられない・・・・・、彼女とは僕が昏睡状態で出会ったのだ。

 現実でもその関係が変わらないなど、どう考えても説明がつかない。


 「数彦様・・・。

 貴方にとって、ナターシャ様は大切な御方なのですよ・・・。」

 彼女からの意外な言葉に、僕は自分の頭の回転が追いつかなかった。

 「ええ・・・・。

 アンタは一体??」

 僕はなんと彼女に言えば良いのか、適切な表現が思いつかなかった。

 その綺麗な女性は、慌ててシドロモドロな状態にある僕に対して、優しげな笑みを浮かべていた。


 「数彦様・・・・。

 貴方は、ナターシャ様に再び会いたいのでしょう・・・?」

 彼女はまっすぐに、僕の瞳を見つめていた。

 その彼女の、態度に僕は答えなければいけない、と思った。

 「・・・・・・・はい・・・。」

 僕は正直に、返事をした。


 「だったら・・・・。数彦様・・・。

 貴方のルーツをお訪ねになったら、よろしいかと存じます。」

 その綺麗な女性は軽く僕に対してお辞儀をして、意味深な事を言った。

 「ルーツ・・・・・・?」

 僕は彼女の謎かけ的な事に、考えを張り巡らせようとしていた。

 「数彦様・・・。

 くれぐれも、ご後悔のなさらないように・・・・。」

 その綺麗な女性の顔を見返したつもりだったが・・・、彼女の姿はもうどこにも見あたらなかった。

 

 (!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!) 

 僕の視線の先には、さっきの綺麗な柴犬が一匹だけで姿を消していく様子がみられた。

 

 

 

 

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