第6話 『もりへおかえり』
アイテムショップでの売却も終わり、シュンとネカはそれなりの金額を得ることができた。
「ほれ、ネカの分。山分けの約束だからな」
「あ、ありがとうございます」
シュンが彼女に金銭の入った小袋を手渡す。彼女は無言のままなかを確認していた。
「ん? もしかしてもっとほしかったか? 魔物を倒したのは自分だから、これじゃ足りないって」
「ふぇぁ⁉」
変な声を出したあと、ネカは慌てて首をぶんぶんと横に振った。
「そ、そんなことは決してっ。むしろこんなにもらって良いのかなって!」
「そりゃいいだろ。ネカがいなかったらこんなに稼げなかったんだから。いつもの俺一人だったらしょぼいし」
「で、でも、わたしもシュンさんがいなかったらドジしてばっかで……」
「ほうほう」
シュンはにかっと笑った。
「じゃあ俺達はちょーどいいパーティーってこったな。二人合わせて一人前だ」
「そ、そうですね」
彼の笑顔に、ネカはどきどきしていた。
シュンが言う。
「ほんじゃギルドに行きますか。午前のクエストを受けに」
「はいっ」
そうして二人はギルドに行き、この街のとある一角の清掃のクエストを受けることにした。
指定されたその場所に到着して、シュンがひゅーと口笛を吹き、ネカが若干びびった顔をする。
その区画はとても汚く、ところどころヘドロがあったりゴミが不法投棄されていたり、ネズミや虫の巣が点在していた。悪臭も酷く、近くにいるだけで鼻が曲がりそうだった。
「こりゃひでーや」
「ここの掃除、ですよね……」
「普通に汚くて街の景観を損なうし、ネズミとか蚊とかハエとかが病気の原因になったりするから、らしいな」
「そうですね。早くきれいにしないと」
シュンがネカの肩に手を置く。
「できるか? ネカの魔法で? できなかったら地道に掃除するしかねーけど」
「やってみます」
ネカが杖を取り出して、いままでやってきたように魔法を使う。
水や風、ホウキや雑巾などが出現し、ものすごいスピードで辺りを掃除していく。ゴミ袋に入れられるものは器用に入れていき、それらのゴミが一ヶ所にまとまっていく。
「おお、すげー、速えー」
「これなら短時間で終わります」
「いーぞネカもっとやれー」
「えへへ……」
そのとき命の危機を察知したらしいネズミや虫の大群が一塊になって、二人のほうへと突っ込んできた。
「「ぎゃーっ⁉」」
二人が同時に叫び声を上げる。
「ど、どうしましょうシュンさんっ」
「退治だ退治! なんでもいーから追い返せ!」
「はいっ!」
ネカが竜巻を発生させて、ネズミや虫の大群を飲み込んでいく。竜巻は街の外の森に向けられていて、空中に巻き上げられたネズミや虫達は全部その森のなかへと落ちていった。
「な、なんとかできました……」
「森へお帰り、ってな……とにかくよくやったネカ……」
生理的な恐怖が過ぎ去って、二人はぐでーとその場に座り込んでしまう。一時、シュンとネカはお互いに顔を見合わせて。
「はは」
「えへへ」
どちらからともなく笑顔になっていた。
そうしてその清掃のクエストも終わり、二人はギルドに報告しに戻っていった。
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