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君は何度も僕を忘れる  作者: 南蛇井


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7

雨音が、やけに近く聞こえる。


 屋根に当たる粒の音が、一定のリズムで続いているのに。


 その間に落ちる沈黙だけが、妙に重かった。


 言葉が、途切れる。


 会話は、もう十分続いたはずなのに。


 どちらも、終わらせようとしない。


 ――いや。


 終わらせられない、の方が正しいのかもしれない。


 神代は、ほんの少しだけ視線を逸らした。


 言うべきかどうか、迷っている顔。


 らしくない沈黙。


 それでも、結局。


「……なんかさ」


 一度、言葉を切る。


 自分でも可笑しいと思っているみたいに、少しだけ苦笑して。


 それから、もう一度こちらを見る。


「変なこと言うけど」


 前置きのあとに、また間が落ちる。


 雨音だけが、二人の間を埋める。


 そして――


「……初めて会った気がしない」


 ぽつりと、零す。


 少しだけ照れたような、困ったような声音で。


 本気なのか、冗談なのか。


 そのどちらでもない、曖昧な温度。


 でも。


 確かに、そこにある感情だけは嘘じゃなかった。

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