表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界から帰ってきただけだが?  作者: Саша


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
99/147

99話

黒い門、その奥。

無数の赤い瞳。


静かにこちらを見ている。

誰も動けなかった。

圧力、存在感。

数だけじゃない。

一つ一つが危険だと、本能で分かる。


ユイの声が震える。


「……な、何体いるんですか」


「『数えるな』」


葵が即答する。


「『心折れる』」


レイカも顔を強張らせていた。


「……冗談だろ」


だがその中で姫だけは静かだった。


『……来る』


その瞬間、門の奥から、腕がさらに伸びる。


黒い巨体まだ半身。

だが、それだけで広間が軋む。


相棒が剣を構え直す。


「『景斗』」


「ああ」


短く返す。

今やるべきことは一つ。


押し返す。

完全に出てくる前に。


「葵!」


「分かってる!」


葵が床へ手を叩きつける。

錬成陣。


四本の楔が浮き上がる。

青白い光。


「あと三十秒!」


「持たせろ!」


その時、黒い巨体の口が開く。


『■■■■』


言葉にならない声。

瞬間、広間の壁が砕ける。


衝撃波。


「っ!」


ユイが吹き飛びそうになる。

レイカが即座に庇う。


「下がってろ!」


「す、すみません!」


シエルが前へ出る。


「『邪魔させない』」


風が渦巻く。

無数の魔力矢。


一斉射。


赤い軌跡が黒い巨体へ突き刺さる。


爆発、怯む。

その隙。


俺は魔法陣を重ねる。

複数。


十、二十。

空間が光で埋まる。


レイカが目を見開く。


「お前……!」


「避けろ」


次の瞬間、雷が落ちる。


轟音。


広間全体が白く染まる。

黒い腕が吹き飛ぶ。

門が揺れる。

だがまだ止まらない。


門の奥から、別の腕が現れる。


「『キリねぇぞ!』」


葵が叫ぶ。

姫が静かに前へ出る。


『……けいと』


名前を呼ばれる。

俺は姫を見る。


彼女の輪郭は、さらに薄くなっていた。


『門を閉じる瞬間』


『一瞬だけ、深層側と完全に繋がる』


空気が変わる。

相棒が目を細める。


「『……反動か』」


『ああ』


姫が頷く。


『その瞬間に、核へ直接干渉する必要がある』


レイカが低く聞く。


「つまり」


「誰かが向こう側へ行くのか」


静寂。

姫は答えない。

だが沈黙が答えだった。


ユイの顔が青ざめる。


「え……」


葵が頭を抱える。


「『最悪のギミック出てきた』」


シエルも不安そうにこちらを見る。


「『危険』」


相棒は静かだった。

そして俺は黒い門を見る。


向こう側、深層。

数百年戦い続けた世界。


ようやく離れた場所。

だがまた繋がろうとしている。


「……俺が行く」


その言葉で空気が止まった。

もし「面白かった」「続き読みたい」と思ってもらえたら、ブックマークや評価(☆☆☆☆☆→★★★★★)してもらえるとめちゃくちゃ嬉しいです!次の更新のやる気になります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ