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異世界から帰ってきただけだが?  作者: Саша


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96/145

96話

古代遺跡。

巨大な広間、黒い門の前。

宵星、レイカ、ユイ。

そして星見姫。


全員が円を作るように集まっていた。

門の奥からは、絶えず魔力が漏れている。

空気が重い、長居したい場所ではない。


レイカが先に口を開く。


「で」


「どう封じる」


現実的な問い。

姫は門を見る。


『本来は、神代術式が必要だ』


『だか完全再現は不可能』


葵が即座に言う。


「そりゃそう」


「神代術式とか材料の時点で終わってる」


相棒が静かに聞く。


「『代用は』」


『……可能』


姫が頷く。


『必要なのは楔だ』


「楔?」


ユイが聞き返す。

シエルが小さく説明する。


「『固定する杭』」


「『門を、縛る』」


『ああ』


 姫は続ける。


『本来は四本必要だ』


『東西南北』


『門を囲むよつに打ち込む』


その言葉に葵が少し考え込む。


「……結界型か」


「『大型封印術式じゃの』」


相棒も頷く。

俺は門を見る。


「問題は」


「その楔をどうするかだな」


姫が静かに答える。


『普通の素材では耐えられぬ』


『深層側の魔力に侵食される』


レイカが低く言う。


「つまり、向こう側の素材が必要か」


『ああ』


静寂。

そして葵が嫌そうな顔をする。


「……取りに行くの?」


『必要だ』


「最悪」


即答。

だが全員分かっている。

避けられない。


レイカが状況を整理する。


「つまり」


「必要なのは四つの楔」


「その素材は深層側にある」


「そして封印作業中は門を抑える必要がある」


『正しい』


ユイが青い顔で言う。


「難易度高くないですか……?」


「高い」


俺が即答する。


「かなりな」


その時、シエルが静かに口を開く。


「『役割分けるべき』」


全員が見る。


「『戦闘と封印』」


相棒が頷く。


「『妥当じゃな』」


葵が指を立てる。


「じゃあ前衛はレイカさんと相棒」


「中衛が景斗」


「後衛支援がシエル」


「私は封印補助と錬成」


かなり自然に決まっていく。

レイカも納得する。


「悪くない」


「ユイは?」


ユイが少し固まる。


「わ、私ですか!?」


葵が普通に言う。


「索敵」


「あと連絡役」


「危険察知は多い方がいい」


ユイは少し驚いたあと。


「……分かりました」


真剣に頷く。

姫が静かにこちらを見る。


『……良い布陣だ』


そのまま広間に簡単な陣形図が描かれていく。

葵が錬成で床に線を引く。


「門中心」


「楔は四方向」


「問題は設置中だな」


「絶対来る」


「『深層側は邪魔を嫌う』」


相棒が言う。

シエルも頷く。


「『大量に来る可能性高い』」


レイカが笑う。


「つまり防衛戦か」


「そうなる」


俺が答える。

静かな空気。

だが誰も怯えてはいない。


緊張はある。

それでももう覚悟は決まっていた。


姫が静かに言う。


『……すまない』


『本来なら、我一人の役目だった』


その言葉に少し間。

そして相棒が笑う。


「『今さらじゃ』」


葵も肩をすくめる。


「昔から巻き込まれ体質だったしな」


シエルも小さく頷く。


「『放っておけない』」


俺は門を見る。

黒い亀裂向こう側。

また始まろうとしている異変。

だが。


「……今回は」


「終わらせる」


静かな声

その言葉で作戦会議の空気が、静かに引き締まった。

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