表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界から帰ってきただけだが?  作者: Саша


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

61/76

61話

数日後。昼。

いつものようにユイが家に来る。


「こんにちはー!」


「来たか」


「はい!」


靴を脱いで中に入る。

そのままリビングへ。


「シエルさーん」


軽く手を振る。シエルが振り返る。


「……ユイ」


呼び方はもう自然だ。


「こんにちは」


ユイが言う。

少しだけゆっくりだが普通の速度に近い。


シエルが一瞬考える。

そして。


「……コンニチハ」


発音はまだ少し硬いが、はっきりしている。

ユイが嬉しそうに笑う。


「いいですねそれ!」


シエルが続ける。


「今日……何スル?」


言葉が繋がっている。

文として成立している。

ユイが一瞬止まる。


「……え」


「え、今普通に聞かれましたよね?」


「聞かれたな」


俺が答える。

ユイがシエルを見る。


「今の、ちゃんと会話ですよね?」


「……会話」


シエルが頷く。少しだけ自信がついている。

ユイが笑う。


「すごい……」


「じゃあ……今日はですね」


「ちょっとゆっくりしたいなって思ってます」


少し長めに話す。シエルが聞く。

途中で止まらない。

最後まで聞く。


「……ワカッタ」


「ユックリ、スル」


「完璧じゃないですか!」


ユイが軽く感動している。

シエルが少しだけ得意げに言う。


「……覚エタ」


「早い」


「ほんとに早いですよ……」


ユイが笑う。そのまま隣に座る。


「じゃあ、もっと話しますね」


「……ウン」


シエルが頷く。ユイが少しずつ話す。


「昨日、ギルドで――」


ゆっくり。分かりやすく。

シエルは途中で止まらずに聞く。


分からないところがあれば――


「……ソレ、何?」


ちゃんと聞き返す。


「それはですね――」


ユイが説明する。会話が成立している。

自然に。


俺と相棒は少し離れてそれを見る。


「進んだの」


「ああ」


「『ここまで来るとはな』」


「『想定より早い』」


いつもの言葉で会話する。

ユイがちらっと見る。


「またそれ使ってますね」


「癖だ」


「もう慣れましたけど」


苦笑する。

シエルがそのやり取りを見て言う。


「……ソッチモ、分カルヨウニナル」


「そのうちな」


俺が答える。ユイが笑う。


「それはちょっと楽しみです」


シエルが小さく頷く。


「……頑張ル」


短いが、はっきりとした意思。

ユイも頷く。


「私も教えます」


そのまま、会話は続く。ぎこちなさはある。

だが、それすらもう自然だ。


言葉が通じる。


それだけで、距離は一気に近くなる。

シエルがふと呟く。


「……タノシイ」


 ユイがすぐに笑う。


「ですね」


その空気は、前よりずっと柔らかかった。

もし「面白かった」「続き読みたい」と思ってもらえたら、ブックマークや評価(☆☆☆☆☆→★★★★★)してもらえるとめちゃくちゃ嬉しいです!次の更新のやる気になります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ