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異世界から帰ってきただけだが?  作者: Саша


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56話

翌日。

相模原ダンジョン入口。


「今日もよろしくお願いします!」


ユイが元気よく言う。

その隣で、シエルが少しだけ間を置いてから口を開く。


「……ヨロシク」


まだぎこちないが、確実に通じる。

ユイが嬉しそうに笑う。


「いいですね、それ!」


相棒が小さく呟く。


「『もう実戦で使うか』」


「『問題ないだろ』」


俺も頷く。


「行くぞ」


四人で中に入る。空気が変わる。

ダンジョンの気配だが、特に異常はない。


「……敵、来る」


シエルが低く言う。日本語。

少しだけ不自然だが、意味は明確。


「早いな」


「はい!」


ユイが剣を構える。現れたのはゴブリン数体。


数は多いが問題ない。


「ユイ、前」


「はい!」


ユイが踏み込む。斬る。

少し重いが、しっかり当てる。


一体撃破。同時に。


「……右、二体」


シエルが指示を出す。

ユイがそちらを見る。


「分かりました!」


その間に、シエルが弓を引く。


ヒュンッ。


正確に一体。もう一体へ二射目。

即座に処理。


「ナイスです!」


「……問題ナイ」


短く返す。連携が成立している。

言葉が通じるだけで、ここまで変わる。


さらに進む。数階層下。

ウルフの群れ。


「多いですね……!」


「落ち着け」


俺が言う。

シエルがすぐに口を開く。


「……ユイ、左」


「一体、任セ」


「はい!」


ユイが動く。左の一体を引きつける。

シエルが後方から射る。

他の個体を確実に削る。


相棒が前に出る。


ザンッ。


一閃で二体まとめて処理。


「……後ろ」


シエルが短く言う。ユイが振り返る。

ウルフが飛びかかる。


「ファイア!」


炎が弾ける。直撃。

焼き落とす。


「やった……!」


「……イイ」


シエルが頷く。ユイが少し照れる。


「ありがとうございます」


そのまま戦闘は終わる。

流れがいい。無駄がない。


「『かなり良くなったな』」


相棒が言う。


「『言葉があるだけでここまで変わるか』」


俺も同意する。


「『指示が速い』」


シエルがこちらを見る。


「『まだ遅い』」


「『十分だ』」


短く返す。さらに奥へ。

オークが現れる。


「……来る」


シエルの声。


「ユイ、距離取れ」


「はい!」


ユイが下がる。オークが突っ込む。

その瞬間。


「……今」


シエルの声。ユイが頷く。


「ウィンドカッター!」


風が走る。オークの動きがわずかに崩れる。

そこにシエルの矢。


急所。貫く。


相棒が踏み込む。


ザンッ。


完全に断つ。終わり。


「……完璧ですね」


ユイが息を整える。シエルが短く言う。


「……連携、良イ」


「ほんとですか!」


嬉しそうだ。そのまま進む。

戦闘を重ねるたびに、精度が上がる。


言葉。視線。動き。


全部が噛み合っていく。


そして。少し奥。

静かな空間。


「……止まって」


シエルが低く言う。

全員が止まる。


「どうした」


「……気配、違う」


空気が変わる。いつもと違う圧。


「『来るな』」


「ああ」


俺も感じている。ユイが少し緊張する。


「強いですか……?」


シエルが答える。


「……強イ」


短くだがはっきりと相棒が刀に手をかける。


「いい」


俺が一歩前に出る。


「やるぞ」


ユイが頷く。


「はい」


シエルが弓を引く。


「……行く」


四人。同時に構える。

静寂の中――次の戦いが始まる。

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