表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界から帰ってきただけだが?  作者: Саша


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
107/164

107話

翌日。

家ら朝。


静かだった。

いつもなら葵が適当にテレビを見ていたり。

シエルが本を読んでいたり。

相棒が紅茶を飲んでいたりする。


だが今日は少し違った。

誰もあまり喋らない。

昨日のことが残っている。


ガルド。

数百年ぶりに再会した仲間。

そしてまた別れた。


俺はソファに座りながら窓の外を見る。

平和だった、車が走る、子供の声、普通の日常。

守ったもの。


その時。


コトッ。


机の上にマグカップが置かれる。

相棒だった。


「飲むかの」


「ああ」


受け取る、温かい。

少しだけ気持ちが落ち着く。


しばらく沈黙。


そして相棒が静かに言う。


「『後悔しておるか』」


少し間。

俺は答える。


「……してる」


正直に。


「助けられたかもしれないって思う」


相棒は頷く。


「『そうじゃろうな』」


否定しない。

その時、隣からシエルが寄ってくる。

そして何も言わずに抱きついてくる。


昔からの癖。

落ち込んでいる時。

誰かが落ち込んでいる時。


こうする。

俺は自然に頭を撫でる。

シエルが少し目を閉じる。


「……景斗」


片言の日本語。


「ン?」


「ガルド」


少し考える。

言葉を選んでいる。

そして。


「最後の時も笑ってた」


静かな声。

相棒も小さく頷く。


「『一人残ってもな』」


俺も思い出す。

最後の顔。

あの笑顔。

多分、後悔はなかった。

少なくともガルド自身は。


その時、ソファで寝転がっていた葵が口を開く。


「……あいつらしいよ」


全員が見る。

葵は天井を見たまま言う。


「昔からそうだったじゃん」


「最後まで前に立つ」


「皆を逃がす」


「損な役回り」


苦笑。


「本当に馬鹿だった」


その言葉に誰も反論しない。

少しだけ空気が柔らかくなる。


その時、インターホンが鳴った。


ピンポーン。

全員が見る。


「誰じゃ?」


「レイカじゃない?」


葵が適当に言う。

俺のは立ち上がる。


玄関へ向かう。

扉を開ける。


そこには予想通り。

レイカとユイが立っていた。


「よう」


レイカが片手を上げる。


「昨日は解散になったからな」


「改めて話を聞きに来た」


ユイも頭を下げる。


「お邪魔します」


その瞬間。

リビングからシエルの声が聞こえる。


「『誰だった?』」


反射的に異世界の言葉だった。

そして葵も普通に返す。


「『レイカ達』」


「『なるほど』」


レイカが額を押さえる。


「……もう完全にそっちが日常会話になってるな」


俺は少し苦笑した。

ガルドのことは消えない。

きっとこれからも。


でも日常は続く。

それもまた彼が守ったものだった。

もし「面白かった」「続き読みたい」と思ってもらえたら、ブックマークや評価(☆☆☆☆☆→★★★★★)してもらえるとめちゃくちゃ嬉しいです!次の更新のやる気になります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ