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異世界転生したら敵が強すぎる件  作者: 歌を忘れたカナリア
6章

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51話 メルティ

視界がぼやける。

ゆっくりと瞼を開け周りを見渡す。

俺は謁見室に倒れていた。

周りには死体。すべて首がないものばかりだ。

おそらくあの少女の仕業だろう。

「う・・・」

首に痛みを感じながらもなんとか立ち上がる。

「あ、起きた~?」

「!?」

背中に冷たい衝撃が走る。

あいつだ、あの少女だ。

まだいたのか。やはり気づかなかった。

「好きな人に暴力振るうのかよ」

「あはは。ごめんね~?少しおとなしくしてもらおうと思って」

「お前、名前は?」

少しでも時間稼ぎを・・・。

見たところまだリリアは始末されてないみたいだからな。

「あ!名前聞いてくれた!私は色欲の代行者のメルティです!」

「メルティ・・・」

「うん!そうだよ!」

花が咲くように可愛らしい笑みを浮かべる。

「・・・、率直に聞くけど君は愛を大事にするかい?」

「愛?当り前!私の中じゃあ一番大事!」

「そうか・・・」

「うん!あ、だったらこの子いらないよね」

リリアに近づき手を振り上げる。

「メルティ、待て。君は愛を大事にするんだろ?だったら他人の愛も大事にしないと」

「で、でもこのクソ尼はハル君を奪う泥棒猫なんだよ?」

てか誰がハル君やねん。勝手にあだ名つけてんじゃねえっての。

「仮にそうだとしよう。メルティ、君がリリアを殺せば俺は君を一生恨む」

「い、一生!?」

「あぁ、そうしたら君も困るだろう?」

メルティは大げさに首を縦に振る。

「だからまずはリリアは治療するんだ。それができない悪い子とはヤらないよ?」

「わ、わかった!このどろぼ、じゃなくてリリアを治療してあげればいいんだよね?」

あの口調はどうしたのか。今はただの一人の男に嫌われたくない惨めな少女と化している。

「あぁ」

そう言うとメルティはせっせとリリアに治癒魔術をかけていく。

「で、できた!メルティいい子?」

「あぁ、いい子だ」

あたまに手を置きなでる。

するとメルティは猫のように目を細め自分から俺の手に頭を寄せてくる。

「えへへ」

「メルティ。君は愛のためなら他の代行者を裏切れるかい?」

「うん!」

流石に迷うと思ったが案外すぐ答えたな。

「ハル君が望むなら代行者たちの能力や目的も教える!あ、それにハル君は私が守ってあげるね?」

「うぅ、ハルト?」

リリアが目を覚ましたようだ。

「え、なんで・・・」

リリアは俺がメルティをなでているところをみて戸惑っているようだ。

「リリア、紹介するよ。メルティだ。これから仲間になる」

「なか、ま?」

「そうだ」

リリアは絶望とも深い悲しみとも取れるような表情をする。

「いいかメルティ。リリアは俺の大事な友達なんだ。メルティの友達でもある。だから仲良く、ね?」

メルティはリリアを見て悩む仕草をしたが笑顔で頷く。

俺はリリアを見る。

リリアは俺の視線で何かを察したのか決意した視線を送ってくる。

「ひとまずの目標は代行者の皆殺し、かな」

「あはは!面白そう!」

「メルティは代行者の中では何番目に強いの?」

「う~んそうだなぁ、前の代行者最強決定戦で私2位だったから2番目かな」

マジか・・・。そりゃ強いわけだ。

でも2番目ってことはメルティより上もいる。

「でも接戦だったんだよ?最後に私油断しちゃって・・・」

はぁー、とため息をつくメルティ。

「でも心強いよ」

メルティは顔を輝かせる。

「ほんと!?やった!私ハル君に頼りにされてる~!」

「早くえっちなこともしたいなぁ~」

メルティは俺の胸をなぞりながら言う。

「まだダメ」

「えー!わかった。ハル君がそういうなら。でもいつかするからね!」

リリアから強烈に睨まれる。

「そうじゃなーーーーい!!!」

突如叫ぶ俺に驚く二人。

「メルティ!何王様まで殺しちゃってんですか!」

「えー?ハル君が起きなくて暇だったから」

「暇だからって人を殺しちゃダメに決まってんだろ」

「・・・はい」

お?案外素直だなこいつ。

「でもどうすっかなぁ。ばれたら王殺しで処刑は確定。顔を見られていない今のうちに逃げるべきか?」

「そうだね、じゃないとやばいよ」

リリアも頷く。

「じゃあ逃げよっか!」

「まぁ、そうだ____」

言い終わるまえにメルティに捕まれる。

「うわぁーーー!!!!!!」

超高速でメルティは空を飛び国を離脱する。

すぐに国境を越えそこらの岩場に降りる。

「ぜぇ、ぜぇ、ぜぇ」

「はぁ、はぁ、はぁ」

リリアも目が回っているのがうずくまっている。

「メルティ、少しは加減してくれ・・・」

「え?したよ?だから手加減して飛んだんだけど・・・」

嘘だろ!?あれで手加減!?

俺はメルティとの力の差を思い知らされたのであった。

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