49話 同族嫌悪
「俺も、日本から来たんだ」
「そうですかぁ、本当だったんですねぇ」
少女がニヤァと笑みを広げる。
しまった!これは罠だ!
「死んでくださ~い」
隠し持っていたのかナイフを俺の首めがけて振り上げる。
「くっ!」身を捩らせ避ける。
「へぇ、やりますね」
「クソガキが、カマかけやがったな」
「ふふ、クソガキですか。口が悪いこと。でも勘違いしないでください。私は日本人です」
【ステータス、オープン】
小声で唱え相手のステータスを見る。
____________
杏奈
レベル69
攻撃1
防御1
魔術攻撃12000
魔術防御12000
魔力500000
転生ボーナス 成人になるまでの間レベルが上がる速度&伴う能力増加値5倍
_____________
魔力500000!?多すぎる。
メスガキの持ってていい魔力量じゃない。
「ハルト!」
リリアが駆け寄ってくる。
「そうか!」
リリアの魔術師殺しの剣ならこのメスガキを殺れる!
【グラビティ・アンカー】
メスガキが俺に何か魔術を行使する。
「!?」
咄嗟に防御態勢を取るが何も起こらない。
「またカマかけか?」
一歩踏み出す。
次の瞬間俺の体に強烈な圧がかかる。
「がっ!」
地面に叩きつけられる。
なんだ?何が起きた。
起き上がろうと腕を動かす。
「ぐっ」
またもや地面に叩きつけられる。
もしかして動けば魔術が発動するのか?
シンプルだが強い。
シンプル・ザ・ベストって奴か。
「動けないでしょう?今あなたには70Gかかっています。今は手加減していますがもしこれ以上抵抗するなら、殺します」
「・・・」
クソ、どうしようもない。リリアの双剣があるならまだしも俺は何も持っていない。
「リリア・・・」
何とか振り返るがリリアの姿がない。
どこに・・・。
再びメスガキに顔を向けるとガキの背後にリリアが双剣を構え斬りかかろうとしていた。
恐らく気づいてない。
殺せる・・・!!
そんなことを考えていたら顔に出てしまったのかメスガキが振り返りリリアに気づき魔術でガードする、がリリアの魔術師殺しの剣に魔術は通じない。
魔力防壁を難なく切り裂きメスガキの首を捉える。
だがガキもレベルが俺たちよりも高いこともあり咄嗟に身を引き避ける。
当然完全に避けれるわけもなく肩のあたりをざっくり斬られる。
「う・・・」
ガキは肩を手で押さえ後ずさる。
「正直女の子を斬るのは抵抗あるけどそっちから襲い掛かって来たんだから覚悟してよね」
リリアは双剣を握りしめ構える。
「油断してました・・・。案外やりますね。ですが今日はここまでです」
杏奈の姿が霧状になっていく。
「待て!!」
リリアが踏み込み杏奈に斬りこむも既に遅かったのか双剣は虚しく空を切った。
それと同時に俺も解放される。
「動ける・・・」
「大丈夫?」
リリアが駆け寄り手を差し伸べてくる。
手を掴み立ち上がる。
「あぁ、おかげさまで。今日で二回も助けられたな」
「いいよ、別に」
リリアは少し顔を俯かせたため表情は読めない。
しかしあの戦いでよくもまぁ住人に気づかれなかったもんだ。
空間を屈折させる魔術でも使ってたのか。
今となっては確かめようもないしどうでもいいか。
「そうだ、すっかり忘れてたけどギルドに報告しに行くんでしょ?」
「そうだったな。行きますかね」
「うん」
2人は今度こそギルドへと行くのであった。
書き溜めてた分を今月で吐き出そうと思ってます。なので5月が終わるとまた少し投稿に開きができるかもしれません。




