⑷ ホットライン
次の日、私はこの塔の技術者に相談した。
以前、グランバル軍がラィンテリアに攻めてきた時、城の屋上で司令官が、アトラス国と会話していた。
城の屋上に設置されたアンテナを利用すれば、こことラィンテリアとの間で通話出来ないだろうか?
技術者によると、それは非常回線を使っていたとの事で、直通回線で使えるようにしましょうとの事になった。
アンテナ、中継機、ブースターの設置工事を行う。
機材と共に、シャトルでラィンテリアへ向かってもらう。
事情説明の為、シノブに同行してもらった。
そして、その日の内に、ラィンテリアのコノエと通話が出来るようになった。
「媛様!」
コノエが泣きそうな声で、私に呼びかける。
「コノエ、心配かけました。私は大丈夫です。ラィンテリア民主国、よろしくお願いします」
「はい、私の命に代えましても」
そう、コノエなら任せられる。
これで、ラィンテリアのコノエとホットラインを繋ぐ事が出来た。
ラィンテリアの状況を聞かせてもらった。
長老をコノエの参謀に起用したとの事。
国民からは首を傾げる声が聞こえたが、長老の訴えた問題点を真摯に受け止め、今後の政策を改善していくとの説明に、コノエの支持率は急速に伸びているとの事である。
ラィンテリア大学への入学にあたり、地方出身者に向けて、学生寮の建設計画を進めている。
その寮には食堂が完備され、入居と食事等、国の予算で利用出来る。
また入学募集人数を30%増やし、それを地方出身者用の特別枠とする。
それと奨学金制度も検討しているとの事。
いいぞー良かった。本当に良かった。
私はその日、しばらくぶりに気持ち良く寝る事が出来た。
次回:アトラスの陰謀




