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静国 -Silent Dominion-  作者: はやぽん


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第22話 保留の期限 Part3 明日十九時

二十三時を過ぎる頃には、家の中が静かになっていた。


蒼の部屋の灯りが消え、蓮も眠っている。


陽菜の部屋も暗い。


リビングでは、美咲が使ったカップだけが食卓の端に残っていた。


悠真はそれを流しへ運び、水で軽くすすいだ。


家庭用端末の画面には、明日の予定が並んでいる。


《佐伯悠真》


《通常出勤》


《佐伯美咲》


《午前予定あり》


《蒼》


《通常登校》


《陽菜》


《通常登校》


《蓮》


《通常登園》


特別な変更はない。


悠真は画面を閉じようとした。


その前に、一件の確認待ちが表示された。


《保護者確認が必要な項目があります》


開く。


《地域発展学習プログラム》


《建築・都市設計基礎》


《本人参加希望 確認済み》


《保護者確認 未完了》


昼間と同じ内容だった。


《参加期間》


《九月から十二月》


《週二回》


《放課後》


《現在の学校活動への変更 なし》


《既存課外活動 継続可能》


その下に、予定影響が並ぶ。


《放課後移動 週二回追加》


《帰宅時刻 平均四十八分遅延》


《地域建築模型教室 同一時間帯参加》


《月四回 → 月二回見込み》


《家庭内送迎負担》


《月平均一・八時間減》


悠真は下まで送った。


《参加後》


《本人希望による終了可能》


《学校評価への不利益なし》


《再参加 空き状況により可能》


さらに下。


《保護者確認》


《承認》


《後で確認》


二つの項目が並んでいる。


悠真は《承認》に触れなかった。


《後で確認》を押した。


画面が切り替わる。


《保護者確認を保留します》


《参加登録は確定していません》


《本人参加希望は保持されます》


その下に、


《再提示時刻を変更》


という項目がある。


初期設定は、


《明日十九時》


だった。


悠真は変更しなかった。


《この内容で保持》


を押す。


短く処理表示が出る。


《候補を保持しました》


《再提示 明日十九時》


画面は、そのまま家庭予定へ戻った。


悠真は端末を伏せた。


リビングの照明を消す。


廊下へ出ると、足元の灯りだけが点いた。


第22話 完


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