第54話 村の少年の願いは?
クリスのティーサロンで香りの良いお茶をいただいて、奥のドアに進む。
「ここから先は別の場所に行きますのでびっくりしないでくださいね」
令嬢さんが注意してくれたから、ドアをくぐった時・・・びっくりした。
だって、いきなり丘の上に出ちゃうんだもん。
それも周りは森の中。
「どうなっているの?」
「あのドアはね。別の場所につながっているドアだったのよ」
確かに出てきたドアは後ろにある。
でも、そのドアは小さい小屋の出口になっている。
クリスのティーサロンじゃない。
「まぁ、そのあたりは気にしないでいいのよ。それよりもこの先よ」
「は、はい」
赤い鳥居がある。
そこをくぐると、神社になっている。
「それじゃ、ガチャのやり方を説明するわね」
ひとつひとつ動作に意味があるみたい。
言われた通り、手と口を清めて2礼2拍手。
「あなたの欲しい物をお願いしてね」
うーん。
欲しい物。
なんだろう。
馬が欲しい。
どこにでも行ける馬。
すっごく早く走れる馬。
村にいる馬は力はあるけど、早くは走れない。
畑を耕すにはいいけど、乗って走る馬じゃない。
まるで飛ぶように走れる馬。
そんな馬があれば、どこにでもいけてしまうだろう。
ずっと村の中から出たことがない少年が、広い世界を見るために必要なのが馬。
そんな馬がもせえたらいいな。
ぴかっ。
ころころころ。
《ペガサス:☆☆☆☆☆》
えっ、馬だ。
それも真っ白。
だけど、知っている馬とちょっと違う。
翼が生えている。
飛ぶように走る馬じゃなくて、飛ぶ馬だった。
「これ、もらっていいの?」
「もちろんよ。すごいの、出たわね。ペガサスっていうのよ」
「当たり?」
「当たりも当たり。大当たりよ」
やったーと素直に喜んでいる村の少年。
そんな姿をみて、クリスも嬉しく思った。
そして、村にガチャを持ってきた意義も感じていた。




