第52話 魔石でガチャすると何が出る?
「それじゃ、いよいよ魔石ガチャに挑戦よ」
ケルベロス討伐に参加したトラウゴット、アルベルト、コルネリア。
それにクリスとナナオちゃん、飛竜君も。
魔物の丘の上、ガチャ神社に集まっている。
みんなが見守る中でケルベルスの魔石を3つ、お供え物置きに並べる。
いつもは卵を置いているけど、ケルベルスの魔石は二回りくらい大きい。
「何が出るかな。何が出るかな♪」
手順どおりに行って、お祈りをする。
「とにかく、すごいの、お願い」
特にほしい物ってないから、なんでもいいからすごいのって。
「いくわよ。うわっ」
ガチャ樹のレバーを引いたら、ガチャ樹がとんでもなく光った。
まぶしすぎて見れない。
光り輝くガチャ樹から、ひとつのカプセルがころがってきた。
ころころころ。
すごい期待をしてカプセルを眺める。
《魔人Z:☆☆☆☆☆☆》
魔人?
魔人ってなんだ?
「魔人って何?」
「おい、魔人はヤバイだろ」
「なんで?」
「魔王の手下が魔人。人間の敵だぞ」
「ええっー」
それはやばい。カプセルから出すのをやめて封印しないと。
ぱかぁ。
開けていないのに、勝手にカプセルが開いて中から黒い堅そうな皮を全身にまとった人が出てくる。
「ん?ここはどこだ?」
魔人ってしゃべれるの?
黒い以外は人とあまり違いがない。
「魔物の丘って場所なんです」
「ほう。すると魔物の森の中か」
「知っているんですね」
「魔物のいるところくらいチェックしているさ」
なんか普通の人と話している気分。
魔人っていうから、いきなり攻撃してくるかと思ったけど、違うらしい。
「しかし、なぜ、ここにいるんだ。俺?」
「すいません。私が呼んでしまいました」
「えっ、俺、召喚されたとか?」
「召喚って訳ではないんですが・・・」
敵なのかどうか分からないけど、いきなり呼び出された混乱しているのは分かる。
ちゃんと説明して、分かってもらうことにする。
「するとケルベロスの魔石で呼び出されたってことか」
「はい」
「ケルベロスは確かに俺も使い魔に使っているが。なぜそれで呼び出されるのか全く分からん」
「すいません。私も分かりません」
困ったことに、呼び出した理由がない。
「これをやって」と言えればいいんだけど、それがない。
「どうでしょう。ここはひとつ。魔人の世界にお帰りいただくのは?」
「どうやって?」
「へ?帰れないんですか?」
「魔人の世界というのは、この世界とは別の時空にあるんだ。時空の裂け目でもなきゃ帰れないよ」
「うわっ、困った」
冷静に言っているけど、もしかしたら魔人さん、すっげー怒っているとか。
表情とかじゃ、全く分からないから、聞いてみよう。
「もしかして。いきなり呼び出されて怒っています?」
どきどきで聞いてみた。
「いや、別に。魔人の世界での魔人関係につかれていたところだから。こっちの世界で少しのんびりするのもいいかな」
「よかった。あ、でも。魔物を集めて街を攻めるとか、しちゃうんですか?」
「しない、しない。そんなに好戦的じゃないのよ、普通の魔人は」
魔物の森の中で魔物に囲まれて自由に生活するのが希望らしい。
他の魔人がごちゃごちゃ言われない環境をお望みらしい。
「すると、いわゆるスローライフってことですか」
「そうそう、スローライフ。やりたいことだけする生活」
どうも、害がある魔人ではないらしい。
こっちの世界に来たこと喜んでいるみたいだし。
「それでは、魔物の森で静かに暮らしていただけるということで」
「そうしよう。何か困ったことがあれば、手助けくらいはするぞ」
「今は、とりあえずないので」
「そうか。では、俺は行くぞ。さらばじゃ」
そういうと背中に黒い翼がいきなり生えてきて、羽ばたいて飛び上がった。
上空でくるりと一回りしたら、森の奥に向かって飛んでいった。
「いいのかな。魔人を放し飼いにして。王国レベルで問題になるんじゃないか」
トラウゴットが公爵的な発言をする。
「かもしれないね。だけど、今はまだ、問題はなさそうだから、良しとしましょう」
「そうだな。ただし、魔石ガチャはこれからはやめよう。危険すぎるな」
「そうですね。次は魔王が出てきたら、とんでもないから」
「そりゃ、怖いな」




