第22話 ガチャで装備を整えろ
大急ぎで卵を並べる。
略式でお願いをする。
がおっっ。がおおおお。
後ろで魔物の啼き声がする。
あれ?
振り返ると、魔物が神社の境内との境目でジタバタしている。
どうも、中には入れないらしい。
「ふうっ。よかった」
「ここはなんなんだ」
「ガチャ神社よ」
「なんだそれは。どこから出てきたんだ?」
完全にパニック状態だ。
魔物に襲われてパニックになった上にわかないことが起きて完全パニック化。
「説明はあとにして、この状況を脱することを考えませんか?」
「どういうことだ?」
「ちゃんとした武器があれば、あの魔物を倒せます?」
「そのくらい、簡単だ。だけど、武器がないじゃないか」
「武器ならあります。きっと」
「どこにだ?」
説明が難しいから、やることだけ教えよう。
「まずは、礼を2度します。真似してくださいね」
二礼二拍手。一緒にやってもらう。
お願いをしっかりとすると、出てくるアイテムが良くなる。
本気で置お祈りしてもらおう。
この窮地から脱出するために。
「どうか、魔物を倒せる装備をお願いします」
「・・・どうか、魔物を倒せる装備をお願いします」
もう一度礼をして。
ローランドに枝を引いてもらう。
ガチャ樹が光る。それもいままでより強い光。
この辺りは、地のエネルギー強いんだ。
もしくは、ふたりのお願いが強いのかな。
ころころころ。
カプセルが転がってくる。
《鋼鉄ヘルメット:☆》
「ヘルメットね。これは必要な装備のひとつね」
「ど、どういうことだこれ」
まだ、納得していないな~、ローランドは。
「いいから、これ装着して」
「だが、ヘルメットだけでは無理だぞ」
「わかっているって」
もう一度卵を並べて。
ちゃんと、ガチャ神社を箱庭効果で持ち運ぶ前に卵をたくさん置いておいたんだ。
まだまだ、ガチャできるはず。
「ほら、またやるわよ」
「お、おう」
ぴかっーーー。ころころころ。
《青銅の盾:-》
ちょっとレベルが落ちたけど、盾ね。
武器はまだかな。
ぴかっーーー。ころころころ。
《薬草:-》
うーん。ちょっと必要な物だけど、できたら使う状況にならないといいな。
ぴかっーーー。ころころころ。
《雷の剣:☆☆☆》
「やった、でたわよ、剣。それもいいやつ」
「これって雷の属性がついている剣か?」
「たぶん、そう」
まだいけそうなので、続けてガチャする。
ぴかっーーー。ころころころ。
《チェーンメイル:☆》
うん、鎧も出たわね。
大きさは、ローランドにちょうどいいみたい。
ここまでで、だいたいの装備は揃った。
「どう、これくらいあれば、あの魔物に勝てる?」
「えっと。魔物だぞ。戦うのか?」
「えっ、武器があればって言ってなかった?」
「いつも使っている武器のことだ。慣れない武器では・・・」
ローランドをじっと見る。
魔物を怖がっている。
本気で相手をするつもりがないのかも。
「もしかして、魔物と戦ったことがない、とか?」
「そりゃ、冒険家でもないし・・・」
そうか。いつも護衛で守られる側だからね。
困ったわね。私が戦わないといけないのかな。
「わかったわ。今度は私が使える物をお願いしましょう」
ぴかっーーー。ころころころ。
《煙玉:-》
うーん、煙幕ね。もうちょっといいの出ないかな。
ぴかっーーー。ころころころ。
《雷神の怒り:☆☆☆☆》
なんだ、これ。魔法が込められた巻物みたい。
私でも使えるかな。
巻物を開けて、書いてあることを読み上げてみる。
身体にエネルギーがみちてくるのを感じる。
意識を魔物に向ける。
どどどーーーーん。
がりがりがり。
でっかい雷が魔物に落ちた。
魔物は黒焦げになってしまった。
黒焦げの真ん中に魔石がひとつ。
こぶし大だから、比較的大きい。
「ふう。なんとかなったわね」
「すごいな」
安心したらしく、声が普通に戻っている。
「だけど、歩いて帰るのか。馬は逃げてしまったぞ」
うーん。歩いたら4時間くらいかかりそう。
この貴族は体力なさそうだし。
「そうだ。ガチャに馬みたいな物出してもらおう」
「そんなこともできるのか?」
「どうかしら」
ぴかっーーー。ころころころ。
《馬笛:☆》
これを吹くと馬が近づいてくるのか。
ぴーーー。
あ、きたきた。
さっき逃げた馬が二頭帰ってきた。
やった。
これで帰れるわね。




