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第21話 魔物が出た

グルルルルー。


クリスとローランドは、同時に魔物の声に気がついた。


「まずい。あれは熊だな。それも魔物だ」


岩陰に隠れている熊型の魔物。

ふたりを獲物として認識しているのだろう。


「なぜ、こんなところに魔物が?」

「とにかく逃げましょう」


馬の所までたどり着くことができれば、振り切ることはできるだろう。

熊の魔物なら、馬の脚に追いつくことはできない。


しかし、人間の足では熊の魔物を振り切ることは無理だ。

それも、クリスは女性で特別鍛えている訳でもない。


「ちくしょう。しっかりとした装備さえあればあれしきの魔物、負けはしないのに」

「今は武器もない状態です。無理してはいけませんわ」


一緒に走り、馬に乗って逃げる。

ローランドの立てた作戦もクリスと同じ考えだ。


「いくよ」

「はい」


ローランドに手を引かれて馬の方に向かう。

しかし、魔物はその動きを読んでいて、馬に向かって吠える。


ひひひーん。

軽く樹に手綱を結んでいただけだったので、馬たちは暴れて結び目がほどけた。

馬は魔物から離れる方向で逃げていく。


絶対絶命の危機。


「なら、戦うしかないか」


ローランドは腰のベルトから大きめのナイフを取り出すと構える。


「ダメよ。そんな武器では」

「だけど、逃げることもできないぞ」


ひとつだけ方法がある。

クリスは考えていた。


ガチャを使うこと。


ただし、ガチャ樹は山の上には既にない。

箱庭機能でミニチュアにして、ポーチの中に入れてある。


それを取り出して、ここに展開する。

魔物は驚くだろうから、時間稼ぎができるはずだ。


「ガチャ神社セットアップ」


ついつい、アニメ調な声をあげてガチャ神社をこの場所に展開する。


「うわっ、なんだ」

「神社よ」


いきなり周りの景色が変わって、神社になったからローランドは腰を抜かしている。

魔物はというと。


こっちに向かってくる。

神社の境内に入るまで、10秒くらい。


急げ。ローランドの手を取り、ガチャ樹に向かう。

何か今、役立つ物をお願いします。


間に合うのか?


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