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第17話 賢者が教えるガチャの仕組み

「やっぱり、落ち着くわぁ」


今、私はガチャ神社にいる。

でも、ガチャを引く訳じゃない。


ガチャ樹のある岩に腰かけて、ぼーっとしている。

たまにはそんな時間が必要みたい。


今晩、舞踏会に行く。

勢いでお誘いにのってしまったけど、いざ行くとなると気が重い。

なんと言っても、身体は貴族でも心は21世紀のバリバリ庶民なのよね。


「あーあ。いかなきゃダメかな」


今、屋敷ではエックハルトさんとクララが舞踏会に参加する準備をしている。

さきほど馬車が着いたから、必要な物を積み込んでいたりする。


本当は私も準備しなきゃいけないんだろうけど、こっそり抜け出してここにきた。


山の頂上にある神社。

とっても落ち着く癒し空間なの。


「もしもし」

「えっ」


いきなり声を掛けられてびっくりした。

この山は男爵の領地で勝手に入ってはいけない所。

誰もこない場所、だと思っていた。


「どなたさんですか?」

「通りがかりの賢者です」


賢者ねぁ。通りがかりねぇ。

なんか、うさんくさいけど。


まぁ、あんまり悪いひとする人には見えない。

暗いグレーのローブをすっぽりとかぶった50歳くらいの男。


「ここは、神社なのかい?」

「ええ。私の作った神社なんです」

「ほう。すると、あのガチャもあなたが作ったと?」

「ガチャだと分かるんですね」

「賢者なのでね。そのくらいの知識は持ち合わせているのだよ」


初めてガチャのことを知っている人に会った。

もしかしたら、私の知らないガチャのこと、知っているかも。


「私はクリスっていいます。賢者さんのお名前は?」

「庚申じゃ」


こうしん、っと言われて、庚申という感じが浮かんでくる。

他の人では起きたことがない現象。

不思議な人。


「庚申さんは、ガチャのこと詳しいんですか?」

「賢者だからのお。それなりには知っておるがな」

「素朴な質問なのですが。ガチャって、カプセルが出てくるけど、どこから入れているんですかね」


なんかおかしな質問になってしまった。

21世紀のガチャならカプセルを入れる必要があるんだけど、このガチャには必要ないから、それがどうなっているのか、前から疑問に思っていたんだ。


「ガチャの原理じゃな。ガチャは天地人の3つのパワーでカプセルを生成しているのだぞ」


天地人のうち、「人」パワーは一番簡単。人の願い、人の祈り、人の感謝。その様な精神的なエネルギーをガチャは受ける。それが人のパワー。


天地人のうち、「地」パワー。ガチャのある場所の土地のパワー。地の奥底から湧き上がってくるパワー。「地」パワーが強いところと弱いところがあって、この山は神山で山頂が一番地パワーの強い所。


天地人のうち、「天」パワー。地と人のパワーを結び、天の法則で物質に錬成する。



「そんな仕組みがあったんですね」

「よくまぁ、全然知らずにここまでガチャを育てたものだ。感心するよ」


賢者さんに褒められたのよね・・・それとも、あきれられた?


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