ご きみとボク
幼稚園を出発したバスは、
赤い地の上でたくましく走っています。
今宵も観測してみましょう。
静かなバスの車内で、
トゥトゥが話を切り出した。
「あのね……ププルの犯人、ボクじゃないんだ」
ココは密かに、犯人はトゥトゥに違いないと思っていた。
まさかの事実に思わず勢いよく質問してしまう。
「え?! 犯人知ってるの? みたの? いたの?」
「まぁ、落ち着こうよ」
「えっと…!! う、うん……」
トゥトゥに促され、
ココはゆっくりと深呼吸する。
「ふぅ……」
「いいかい?」
「うん ありがと」
トゥトゥは淡々と話し始めた。
「実は、ボクわたしちゃんがすきで」
「えっ!?」
「うん……まえからすきなんだ」
内側から、何かが音を立てて崩れていくような感覚に襲われる。
ココは口をぱくぱくと動かした。
「す……すき……?」
「う、うん」
顔面蒼白なココを前に、
トゥトゥは恥ずかしそうに頷いた。
「わたしちゃんと一緒にいると、
ワクワクするんだ」
「あ……あぅ……」
「ココくん?」
ココの頭の中が真っ白になった。
窓から見える景色が歪んで見える。
(うわぁぁぁぁぁ……!)
「ココくん?」
(なんで!? なんでトゥトゥくんが……)
「……?」
トゥトゥは不思議そうに首を傾げた。
「ボク、ココくんがわたしちゃんと仲良くしているのがうらやましかったんだ」
「…………」
「それで……ちょっと、いじわるして困らせようと思った」
ココは目を見開いて、
トゥトゥを凝視する。
「え……トゥトゥくん……?」
「うん。だけど、ププルのことは知らないよ」
「え?」
「ボクがやったのは、ココくんに対してのいじわるだけ。
ププルのことは、何も関係ないんだ。ごめんね」
「そ…っか……」
トゥトゥが犯人だと思っていた。
でも、違った。
それなら、一体誰が――。
ココはしばらく考え込んだ。
そして、ゆっくりとトゥトゥを見る。
「……トゥトゥくん」
「なに?」
トゥトゥを見るココの表情が、
真剣なものに変わる。
「わたしちゃんのこと、大切?」
「うん。もちろん」
一切迷いのない返事だった。
真面目なトゥトゥの答えに、
ココは笑顔を見せた。
「じゃあ一緒に、わたしちゃんのパパとお話してくれない?」
「え? ボクが?」
急なお願いに目を見開くトゥトゥ。
けれど、すぐに頷いた。
「うん…… なにをしたらいい?」
「トゥトゥくん、いいこと考えそう!」
「……もしかして、なにかあったの?」
すると、ココは目を伏せながら事情を説明した。
「……そっか」
「わたしちゃんのためにも!きみの力が必要なんだ!」
「わかった 協力するよ」
二人は顔を見合わせる。
「よし!」
「うん」
こうしてココとトゥトゥは、
わたしちゃんを助けるために協力することになった――。




