03_60P 後日談Ⅰ 救出
「イザベル・ミラーを救出せねばならん。あと、エマ・デイヴィスも」
帰還したニナは、市民街区ホテルの心地良いフカフカベッドの誘惑に屈し、不覚にも昼頃まで爆睡してしまった。が、起きるとすぐに身支度を整えて役場へと向かい、忙しく駆け回る役人のうちから、兎に角、手頃な顔見知りを一人捕まえて事情を話した。
凄く面倒臭そうな顔をされた。凄く露骨に。とは言え、無視できる要件でもないのは明白であったので、然るべき手続きは取ってくれた。具体的には、『ニナが人を募って西部国境地帯で行方不明者を捜索するのに出発する。対象はイザベル・ミラーとエマ・デイヴィス七月某日』とのメモ帳を連絡事項の板に張り付け、正規の書類を作って伝達し、西へと向かう驢馬が牽く輜重荷車(馬車は兎に角、馬匹と水のコストが大きいので、緊急車両以外は驢馬と雑牛で運用されている)へと乗車する手はずを整えてくれた。
本来、役所の書類にはそれぞれの事項に
ニナ_下層地区居住の未成年、番号××。
イザベル・ミラー_正規居住者 番号××。
エマ・デイヴィス_農村~~地区在住、戸籍番号××――などと記載されているのだが、機械の無い時代に戸籍を調べるのにも時間が掛かるし、何分、戦争中で業務が煩雑、かつ不透明化している状況にあった。一刻を争う状況に、職員は仮書類を製作し後日、正式な書類を発行する事で帳尻を合わせると言う個人技を披露し、大幅に時間を短縮してくれた。勿論、本来は歓迎されないウラワザである。
職員が書類を発行してくれるまでの時間を活かして、ニナは頼りになりそうな随行員を探しに出る。まずは自宅に帰宅してみると丁度、遅めの昼飯時。
居候のトリスや同居人リリーに挨拶しつつ、探してみれば自警団員のジーナ・Eも食事を食べに来ていた。事情を掻い摘んで話せば、了承して、夕方に装備を取ってやってくると言う。
普通に頼りになる人物――今回、出征しなかったのは、ジーナ・Eの忠誠心はマギーに向いていて、ポレシャ市には愛着を持ってないからだ。なので、まずは一人確保。
後は、【銃士】ルーク・アンダーソンか、行商人の【用心棒】ハロルド・コッゾォ――後者は動かすのに幾らか金が掛かるかも知れないが、でもいれば、心強いと、まずはルークが所属している警備隊の屯所へと出向いてみれば、知人の見舞いに病院に赴いているそうだ。そう言えば、徒弟のロニはどうなったろう?牧者のジーナ・Cも負傷したと聞いたが……気にしつつも、市内に幾つかある何れの病院に収容されたかさえニナには分からない。普段なら調べられるが、が、なにしろ戦時の混乱である。ポレシャ市民軍も追撃に出ているし、廃市街や外郭地区の幾つかの徒党が不穏な動きを見せているとも聞いて、市内は厳戒態勢に近かった。
防壁の外に暮らしている破落戸めいた廃墟民や浮浪者の札付き徒党。元より、ポレシャを乗っ取ってやる、などと言う大それた野心の類は抱いてないだろうが、色々と口煩い保安官事務所と民兵隊主力が総出で出払っている。鬼の居ぬ間に、と言う塩梅で、浮浪者や廃墟生活者、放浪者でも荒っぽい徒党のいくつかが、普段から対立している連中と抗争の火ぶたを切っているようだ。
油壷なども用いたか、廃墟地区では黒煙も上がっているし、一時間に二、三度は銃声なども響いてくる。余り銃弾も火薬も持っていない筈の連中だが、普段から腹に据えかねてる相手を片付ける絶好の機会に、壁外の破落戸は後先などは考えない。
私怨と日常的対立が動機の抗争に、普段からよほどに大事にならなければ介入しないポレシャ市ならば、叛乱でも武装蜂起でもない小競り合いに現在、手出しをする余力も選択肢もないだろう。トリスはこっちに引っ越してきてて、良かったよ。ココは二、三日は帰らせずに泊めてやろう。ああ、ジーナ・Cは、壁外の外部地区に住んでいる。無事かしらん?
ニナは少しだけ悩んでから天を仰ぐと、下層地区の防壁に昇って直接、目で確かめに行った。流石に騒乱中の外部地区へと踏み込むほどの仲ではないが、危険な旅から折角、帰ってこれたのに死なれたら寝覚めが悪い。確かめてみれば、ジーナ・Cが暮らしていると言う一角は、まだ平穏そうなので。
代わりに屍者やら、変異獣に巨大蟻と何時もの面々が騒音に廃墟の奥深くから湧いて出てては、下層地区や中町、防壁で自警団やら警備隊が駆けまわって、応戦したり、バリケードを設けていた。発砲音やら鐘を鳴らす音があちらこちらと響いてきて、赤ん坊は泣き喚くし、店舗は閉じるか、足元を見て値上がりするし、市民は往来を止めて頑丈な家に閉じこもり、庶民や労働者の小地区は、通りそのものを閉鎖して往来できなくなる。
ニナは顔見知りが多いし、同居してるマギーが保安官助手なので市内――市民街区と門前町、中町、町外れに限れば、問題なく往来できるけれども一々、足止めされて時間を浪費するし、地区と地区を結ぶひと気の薄い、半ば廃墟の回廊にも最悪、屍者やら変異獣が出没しかねない。
スピーカーが出来るだけ集団で行動するように呼びかけているが、使い慣れぬ戦利品のライフルを背負ったニナは、廃墟の屋根や壁の上を伝いながら、一息に走り抜けた。勿論、床が抜けたりしないよう、普段から補強しているし、縄や踏み台などもさり気なく設置してある。大鼠や野犬は途中で見かけたが、それは何時もの日常風景である。
いつもの事であっても、ニナは微塵も油断しない。緊張の持続は、孤立した廃墟領域に生まれ育った人間が、必ず身に着けなければならない最初の特性で、それは家族単位の集団でも同様だ。出来ない人間は、共同体に危険をもたらす前に追放されるか、怪物たちの餌食となる末路を迎えるしかない。
廃墟領域に暮らす人々とて、価値観までが最適化された訳ではない。或いは、手先が器用であったり、絵や歌が上手かったり、見目麗しく、優しい性格だったり、頭が良かったりと、美点を持った人の価値を理解し、きっと余裕のある共同体なら生きられただろうと惜しまれながらも、僅かな水と食料だけを与えられ、苦渋と共に曠野に追放されてきた。今となれば、ポレシャや他にも幾つか比較的に暮らしやすく余裕を持った集落や居留地は、曠野にも実在していたと知っている。だけど、遠い土地に実在するかも分からない儚き楽園の希望を吹き込んで旅に送り出すよりは、普通に追放する方が間違ってるなんて、どうして言えるだろう。
だから、孤立した真正の廃墟領域の生まれであるニナは、大型居留地近くの廃墟生活者とは違い、僅かな水と食料で何十日も暮らせるし、怪物の微かな足音も聞き逃さない。それでも、必ず、見通しの良い場所から曲がり角などを前もって覗き、道の真ん中を通る。皮肉にも、対怪物――とくに屍者を警戒しての動きは、銃を持った対人戦闘とは丁度、正反対のセオリーによって構築されている。
とは言え、マギーより強い人間さえ、稀にぽつぽつ出会う世の中である。ニナより静穏移動や隠形、察知などが巧みな斥候や忍びの者とているに違いないし、名のある廃墟漁りや廃墟探索者さえ時々は命を落とすのが廃墟探索なのだから、油断しなければ生き残れる、とさえも限らない。危険なのは、混在する状況で、例えば、屍者の群れが徘徊している土地で、盗賊団などと殺し合いなどに陥れば、ニナとて生き残れる自信はない。地獄は常に隣で口を開けている。それでも、それを忘れなければ、長生きできるかも知れない。
午後の三時過ぎには、狼煙と伝令が二、三十キロ先での戦闘の勝利を伝えてきた。
ポレシャ軍の損害は比較的に軽微との事で、キャシディや主な士官、下士官にも死傷者は出ず、マギーも無事だと知らされた。心配してなかったと言えば、嘘になるが、やはり生き残っていたかと、ニナはホッと安堵する。すぐさまに此方に戻ってくるそうで、入れ違いになってしまうが仲間たちの探索を先に延ばす訳にもいかない。
予め教わっていた病院へと向かえば、ルーク・アンダーソンとはすぐに会えた。丁度、知人の見舞いとやらで市民街区の病院から出てきた所で、イザベルとエマを救出に行きたいとニナが助力を求めると首を傾げるも、戦時なので救出隊が出ないと説明すればすぐに了承してくれた。ジーナ・Eとルーク・アンダーソンがいれば多分、大抵の危険には対処できる。
「【王】の兵団の残党がうろついているとも考えにくいが、一応、用心はしておくべきだ」とルークが主張して、三人ともライフルに弾薬、食料、水に地図を持って丘陵へと踏み込むことにする。出来れば、もっと人手も欲しいが、そうすると賃金に水と食料も掛かる。現地で人を運べる驢馬も使いたいが、戦時なのでどうしたって無理。手持ちの札でやれることをやるだけだ。
念の為に丘陵入り口までは、担架や杖を運んでもらえるよう交渉し、薬や包帯も誰かが怪我をするかも知れないので四人分。戦闘が終わった以上、【王】の敗残兵が態々、ポレシャ圏との境界に留まる理由はない筈だが、もしかしたら脱落兵やら、戦死者の転化した屍者と遭遇するかも知れない。変異獣の他、巨大蟻や巨大蠍なども何処にだって棲息している危険な相手でもあったから、用心は怠れない。
紛争直後に遭難者を探す仕事は危険だが、仲間を見捨てる訳にもいかない。後は同行者を役所に申請してから、一番早い輜重馬車で西の丘陵地帯へと向かうだけだ。
※※※※
「おはよう。ここは病院だ。君が人間として身を起こしたのか、屍者に転化したのかは分からないが、取りあえず挨拶させてもらおう。
このテープは二時間毎に流れるように設定されている。聞くのが二度目以降でも気にしないでくれ。さて、君がいるのはポレシャ市内の病院の一室だ。鉄格子のある部屋だが、別に睡眠中に奴隷商人に誘拐された訳ではないから、安心して欲しい。
何処まで覚えているかは分からないが、君は子供を助けようとしてゾンビに腕を引っ掛かれ、高熱を出していた。転化の初期症状と思われる。助かるには、ワクチンを打つしかないが、確実に助かるとはいえず、またかなり高価な代物なので、君の家族には金額を出せなかった。
ルーク・アンダーソンと言う男がいる。君の直接の知り合いでも無いらしいが、彼はある難しい家畜の輸送を引き受けて、成功報酬での支払いを約束した。其処で当院は、ルークが失敗するにせよ、成功するにせよ、君の体力が持つ間は、待つことにした。
ルークは賭けに勝った。サドラン牛を連れ帰ったのだがね。幾人かは未帰還者も出ているのだから、かなり難しい仕事ではあったのだよ。
そして昨晩、君にワクチンを注射した。このテープを聞いている君に人間としての意識があるならば、君の身体もゾンビウィルスに打ち勝った訳だ。おめでとうを言わせてもらおう」
※※※※
丘陵地帯を抜けてから、ポレシャ方面の平野部へと続く傾斜路にたどり着くと、隘路には、【王】の兵団と思しき、遊牧歩兵や浮浪傭兵、無宿人、逸れ牧者たちの死体が転がっていた。遠距離からの狙撃と見えて、誰も彼もが狙いやすい腹を撃たれている。即座に致命傷とはならないものの、治療も出来ないこんな山中で受けたら、助からない傷だ。誰も彼も、のたうち苦しんで死んでいったに違いない。
「おっ、誰か知らんけど、ナイスですよ。いいぞ、これぇ。イザベルポイント10点あげちゃう」傷口の大きさからするに、小口径拳銃弾をライフルで用いたと推測できる。ライフル弾頭より威力も精度も劣るが、遥かに安価で入手しやすい。そしてそんな代物であっても、金属薬莢弾とライフルは貴重品だ。死体は見えるだけで五、六体は転がっている。他にも血の跡が地面に付いているので、複数名の射手を配置して、撤退する軍勢を側面から狙わせた。ライフル兵を――しかも、本隊とは別に組織して運用できる勢力なんて、自由都市以外には、近隣でポレシャ市しか存在しない。
「するとポレシャが勝って追い返したな。どれほどの被害を受けたかは分からないけど……」ぶつぶつと呟きながら、慎重に死体の匂いをスンと嗅いだ。
微かな甘い腐臭からするに、死亡してから24時間から36時間以内と推測できる。
「……24時間前なら、もう狙撃手は引き上げている。坂道を降りても、誤射される恐れは低いけど。いや、待て。敗残兵狩りの可能性があるか。【王】の兵団と勘違いされても、面白くないな」
死体から脱がせていた遊牧民ズボンを奪うのを止めて、持ち物を調べるが、武器弾薬に刀剣類、金目のものに装飾品まですべて奪われている。水や食料も見当たらない。なんなら、死体が裸足ばかりなのは、他の兵士が貴重品の軍靴を持っていったからだろう。
「なんだよ、てめぇ。ケチくせー死体だな」文句言って蹴り飛ばすと、死体の癖に火ッと目を見開いた。うあああああ。喉から虚ろな呻きを洩らしながら、動き出した。
「うひゃあ!正直、すまんかった」謝るも、屍者はじりじり迫ってくる。
イザベルだって疲れているし、身体も痛いしで鈍足になっている。気は進まないが発砲。屍者の頭蓋を吹っ飛ばした。至近距離とは言え、小口径弾が頭蓋骨に弾かれないでよかったとホッとしていると、周囲からもうめき声が響いてくる。
「えぇぇ、嘘でしょ」腹を撃たれた死体たちが怨嗟に固まった表情を向け、虚ろな白目に不思議と此方を睨みながら、迫ってくる。中には、結構、早い奴もいて。
「糞、音立てたくなかったのに」早足で歩きながら、火薬を注いで銃弾を込め、雷管を装着。振り返ってよく狙い連続して発砲。二匹目を倒した。
背後に迫る足音に脅えつつ、また早足で歩きながら、装填し、振り返って発砲。十メートルで外す。小走りで距離を取り、早歩きに移行して装填しながら、振り返り、落ち着いてから、やや至近で発砲。五メートル。結果も見ずに振り返って、多分、三体目の倒れる音を聞きながら、また小走りで走る。
「……ついてない。いや、頑張れ。イザベル。お前は出来る子。負けない子」
小走りで迫ってくる奴がいる。装填し、振り返り、発砲。頭蓋骨に弾かれる。
「……うそぉ」ぼやきながらも、迫ってくる乱杭歯にライフルの銃床を叩き込み、引っ搔いてくる爪は、手袋と包帯、暑いのに来ていた長袖で防げた。
手にした斧を振り下ろす。相手の噛みつきの勢いもあり、ギリギリで叩き割り、脳漿が服に散った。顔を顰める間もなく、接近してくる奴らを相手に一瞬だけ迷ってから、斧を放置し、ライフルだけを掴んで、再び走り出した。
「ふっひ、ふっひ、可愛いイザベルちゃんがピンチ」独り言を洩らしつつ、小走りで走り、頭の中で数を数えて装填。速度から戦闘性能は落ちてない、と判断しつつ、振り返って発砲。耳を弾き飛ばした。勿論、屍者はそれくらいでは怯まない。
くそ。もう。今日は調子が悪い。いや、バレル曲がってない?もしかして。
イザベルちゃんがピンチ。死んだら、世界の損失なのじゃ。
※※※※
ニナ一行が、イザベル・ミラーを無事見つけたのか――合流したのか―――いや、やはり発見したのは、丘陵地帯近くの穏やかな農村だ。土嚢と木柵、背の低い囲いに守られた有り触れた村で、広場の木製の檻に猿みたいに閉じ込められていた。
「臭いんだよ。凄い悪臭だ。酒場に入ってきて、酔っ払いたちと喧嘩になって、三人の鼻を折った」村人の説明にニナとルークは、途方に暮れていた。
「獣みたいに暴れてね。でも、ポレシャの正規居住者だと自称してるから。牧者っぽいズボンだし。迷ったんだけどね」通報してきた村人にニナは渋々と保証して見せた。
「ええと、確かにポレシャ勢です。結構、いい家の」
「そうなんだ」と年嵩の村人。檻の中で蹲って、潤んだ目を奇妙に光らせてるイザベル・ミラーは確かに良家の子女には見えなかった。イザベルがまるで知らない別人のように見え、ニナは内心、怖気を振るった。
「兵士が神経症になるのは分かるからね。屍者に襲われて、気も立ってたようだし。うちの村の馬鹿どもが先に絡んだしね。でも、ちょっと怪我をさせ過ぎてね」村人が説明してる最中「お前の鼻を折れなかったのが、残念だ!」イザベル・ミラーが檻を掴みながら、叫んでいた。イザベルが狂った、とニナは思った。
戦争や襲撃を経験した兵士や民間人が、極度の緊張や恐怖から短期的に凶暴化したり、判断力が落ちるのは戦争疲労の典型的な症状だ。一晩中、敵の銃弾と屍者に追い掛け回されては、気が触れてしまうのも無理はないが。
一時的な症状だと良いのだけど、とニナは怯みつつも、イザベルを心配した。
「釈放してもいいけどね。せめて、そっちも、もうちょっと偉い人に来てもらえる?」と村人の言い草にニナは渋々、頷くしかなかった。多分、何らかの賠償を求められるだろう。
「マギーが近くに。来てもらう?」少し離れてニナが囁くとルークは首を振った。
「保安官助手じゃ足りないだろう。マクロード副保安官は?」
「無理。忙しい」今度はニナが切って捨てた。
「キャメロン保安官補」考えてからのルークの提案。
「……あ、暇そうにしてたし、一応、キャシディの弟だし」頷いたニナは、村人へと振り返った。
「丁度、陣地に保安官の弟が来てます。呼んできますので」小物で暇な保安官助手を、それでも保安官の身内と紹介し、幾らかの薪や食料、薬品などで話を纏めてイザベル・ミラーは釈放された。
檻から解放されたものの、しかし、イザベルは気が違ったままなので、再び檻に入れられて、「わたしは正気だよ!」と叫びつつ驢馬たちに牽かれてポレシャ市へと移送されていった。
イザベルも極端な精神崩壊を起こした訳ではなく、攻撃性の増幅も、一時的な過敏反応、かつ本能の発露に近いものだろうとニナは推測していた。ルークの見立てもそれに近い。
疲労や恐怖、銃撃に晒される経験が重なった結果、脳の理性や抑制が効かない状態に陥るのは、軽度ならばニナやルークも体験してる。
戦場には当たり前に目にする事例だが、とは言うものの、イザベルの症状はいささか深刻に見えた。大事な孫娘の有様を目にした老ミラーが卒倒しなければいいが、とルーク・アンダーソンはひどく心配していた。




