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牛飼いと守護精と  作者: 久保 公里
第12章

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第12章-47 ライモンの護衛

 「ライモン、もう少しアカネさまに時間を上げてください。生まれ育ったこの地を離れる決意をするのは、容易なことではないでしょう。それは、ライモンだとて同じことではありませんか。ただ、私がいたばかりに、その決断が早まっただけで……」


 「おまえのせいじゃないよ、モエギ」


 ライモンはぽんっと守護精の頭を叩いた。


 「確かにお前がきっかけになったのは間違いない。けど、決めたのは俺だ。次期になるっていうのも、王都に出るって決めたのも。俺が決めたんだから、俺が責任を取らなきゃならない。母さんだってそうだ。母さんが決めたことなら尊重する。ひとりでこんなさみしいところにいるのは心配だったけど、どうやらここも変わりそうだからな」


 ライモンはそう言って別棟のほうを見やった。そこに、ロウゼンが新しく来た者たちになにやらやらせている。声は聞こえなくても、そこにいる、それだけでにぎやかな雰囲気になっていた。


 母屋では、ハナナとキブシが立ち働いているだろう。今のアカネの体調では、指図はできても一緒に働くことはできない。だが、ハナナは慣れているようだから、心配することはないだろう。


 「で、それで」


 ライモンはフウっと吐息をつくと、後ろを振り返った。そこに、ライモンと同じぐらいの若者か立っている。手を頭の後ろで組んで、なんとものんびりとしたものだ。


 「なんで、あんたがここにいる。フヨウさまと一緒に戻ったんじゃないか」


 「え、俺ですか」


 すっとぼけた表情で、セイジュが言った。あたりまえだろう、とライモンがうなずく。


 「あんた、フヨウさまの護衛じゃないのか。一緒に行かなくていいのか」


 「あ、それ違います」


 頭の上の腕をほどいて、セイジュは片手を前で振ってみせた。


 「姫さまの護衛はハシドイさまたちです。俺は姫さまの護衛じゃありません」


 「どういうことだ?」


 ライモンは少しだけ首を傾げた。彼の言っている意味がよくわからなかった。


 「俺は、次期さまの護衛です」


 「えっ」


 ライモンは自分を指し示した。セイジュは重々しくうなずいてみせる。


 「俺の護衛?」


 「はい」


 セイジュはうなずくと、すっと腰を落とした。片膝を地につけて、片手を胸につける。臣従を示す仕草であることを、今のライモンは知らない。


 「陛下より、次期さまの護衛を命じられ、承りました。これより私、スイオウ家のセイジュは次期たるあなたさまを、身命を賭してお守りいたします。どうぞお見知りおきくださいますよう」


 「俺に護衛?」


 ライモンはつぶやくように言うと、慌てたように首を振った。


 「いやいや、なんで俺に護衛? 必要ないだろう。ここになんの危険があるっていうんだ」


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