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牛飼いと守護精と  作者: 久保 公里
第12章

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第12章-16 紹介

 「ご心配いただき、ありがとうございます。大丈夫ですわ。シラフジさまに来ていただいて、ずいぶんよくなりました。ほら、息も切らしていませんでしょう」


 そう言って、アカネはゆっくりと首をめぐらせ、シラフジを見、にっこりと微笑んだ。


 「シラフジさまのおかげですわ」


 それを聞いて、シラフジは自慢げに腕を組んだ。それを見やって、アカネとフヨウは互いの目を合わせ、同時に小さく微笑んだ。


 「シラフジさまが良い仕事をしてくださったようで、安心しました」


 フヨウはもう一度、きゅっとアカネの手を握ってから、そっとその手を離し、後ろに下がった。それを合図にしたかのように、ハナナが一歩前に出る。


 「お初にお目にかかります、奥様。私はハナナと申します。国王陛下とご領主さまの命により、お手伝いに上がりました。どうぞなんなりとお申仕付けを」


 「私はキブシと申します。よろしくお願いします」


 ハナナとキブシはともに手を前で組んで、お辞儀をした。アカネは微笑んで、静かにうなずいた。


 ついで、クワとコウがそれぞれ名前を名乗る。アカネはそのたびに首を傾けて、うなずいた。


 「皆様、わざわざここにおいでくださって、感謝しますわ。私はアカネと申します。すみません、私が病になったために、みなさまにご足労をおかけしました」


 そうして軽く一礼する。ハナナが前に出て、アカネの肩に触れた。


 「どうか、お気になさらずに、奥様。私はそのために参りましたのですから」


 アカネはにこりと微笑んだ。


 「ありがとう。では、ハナナさんとキブシさんはこちらに。家の中を説明しがてら、騎士さま方にお茶を淹れましょう。騎士さま方も、どうぞごゆるりとおくつろぎください。何もないところですが」


 「ありがとうございます、奥様」


 ハシドイが一行を代表して一礼する。それにうなずき返して、アカネはハナナとキブシ、そしてシラフジを引き連れて母屋に向かった。ハナナと何か話しているのがわかる。


 クワとコウは、ロウゼンが別棟に連れていく。ふたりはやや不安げな表情で顔を見合わせた後、ロウゼンの後をついていった。


 その後ろ姿を見やって、ライモンが緊張から解き放たれたように大きくため息をついた。


 「ライモンさま?」


 それに気付いて、フヨウが不思議そうに声をかける。ライモンは彼女を見やって少し情けない笑顔を見せた。


 「いや、少し驚いて。なんか、見たことのない母さんだった。まるで、昨日見た貴婦人、ってやつ? なんかそんなふうに見えた」


 「そうですわね」


 くすくすとフヨウは小さく笑った。


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