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僕のキャラが崩壊します!!  作者: さくら
Ⅳ・二年生進級
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噂の正体



  例の噂の真相を確かめようと、興味本位・度胸試し・暇つぶしなどから放課後学校へ残る生徒が

 続出した。しかし、通りかかった教師達に『残る理由がないなら帰りなさい』と叱られ、教室から

 追放。居場所がなくなった生徒達は諦めて大人しく下校することになった。

  だが、その中に木崎達は含まれていない。

  なぜなら、彼らにはちゃんと学校に残る理由をもっているから…。


  「…そろそろ時間だな」

  少人数教室の時計で時間を確認した宮間はそう呟いた後、ゆっくりと椅子から立ち上がる。

  「本当にでんのかよ、おばけなんて」

  「それを今から確かめる。今更帰るなんて言わせないぞ?」

  「誰も帰るなんてつってねーだろうがっ!行くよ、行けばいいんだろ!」

  木崎は逆ギレした後、一人先に少人数教室から出て行った。

  その後を宮間・櫻田・稲井・東間・畑本と続いて教室を出て、いざ新校舎へ。

  

  「俺達が普段いる場所は新しく建てられた新校舎。旧校舎は補習や生徒会会議以外、人の出入りは

 少ない。女子生徒が部活を終え、友人等と帰ろうとした際に忘れ物に気づいて取りに戻ったという点

 と、その部室に行く際に階段を使ったという点からその生徒は文化系の部活に所属しているとみて間

 違いはないだろう」

  「でも、問題はおばけが出た場所だね。何階に出たか分かんないし」

  畑本がそう言うと宮間が「5階・4階・3階のどれかだ」とすぐ答える。

  「えっ、どうして分かるの?」

  畑本がぶりっこして宮間に尋ねる。

  なんだか分かっているのに分からないふりをしているように見えたのは、宮間だけではない。

  「簡単だよ。6階は下りることが出来ないから除外。最上階から下りられる5階・4階・3階の

 どれかと考えるのが普通だ」

  「でも、2階と1階は?下りられるじゃん」

  なんだか意地を張っているように見えるのはきのせいだろうか。

  畑本がまたしても疑問をぶつける。

  「2階は職員室と校長室があるし、1階ならその生徒の友人が見てないのはおかしいだろ?」

  「あっ、そっか…」

  畑本は納得した。

  ぶりっこしていない、本当に分かったというような顔だった。

  「そこでだ。ここにちょうど六人いるから、二人ペアになって各階へ張り込みを行う。ちょうど

  クラス一緒なのがいるから、俺と木崎、櫻田と稲井。そして残り東間と道久でペアだ」

  「僕とみゆきちゃんは元Dチームだね。よろしく」

  二年では別々となったが、二人は一年の時同じクラスである。

  そして全く変わっていないのは、一年の時C組で二年ではA組になった櫻田と稲井。

  「それより結斗、俺達はどこ見張るんだよ?」

  「今から決める。チーム代表者でじゃんけんだ」

  

  …その結果。

  「こちら5階、元Dチーム。異常なし」→リーダー:東間美雪

  「こちら4階、現Sチーム。異常なし」→リーダー:宮間結斗

  「こちら3階、現Aチーム。異常なし」→リーダー:稲井秀太郎

  無線の代わりに各自のケータイ電話で連絡を取り合り、左端の階段にて待機中。

  はたして、噂の幽霊は現れるのだろうか…。

  

  待機から30分後、部活を終えて多数の生徒が部室を出て階段へと向かって行く。

  今の所各階に異常は見当たらない。

  「…そろそろ下校時刻だな」→宮間

  「あーあー。やっぱりおばけなんて出なかったなぁ~」→木崎

  「え~~おばけさんに会いたかったのにぃ~」→畑本

  「道久君、残念だけど諦めよう」→東間

  「やっぱりあれはただの噂だったのかな?」→稲井

  「うーんー分かんないな」→櫻田

  

  その後、彼らは少人数教室へ自分達の鞄を取りに戻った。

  「じゃあ、俺は鍵を戻しに職員室に行ってくる」

  「おう。いってらー」

  宮間が少人数教室の鍵を持って一人職員室へと向かい、他のメンバーは靴を履き変えて校門前で

 待つことにした。

  

  「…失礼しました」

  宮間が鍵を返して職員室を退出し、1階へと下りようとした。

  すると…

  「※※★■………!!!」

  「…なんだ、今のは?」

  この時点で下校時刻は過ぎている。

  誰もいないはずの新校舎になぜか不気味な声が…。

  「どうやら、噂の幽霊とやらに会えそうだな」

  宮間は声がしたと思われる3階へ一人上がった。

  

  「そこで何をしている」

  「っ!?」

  「君は…」

  

  その頃、櫻田達五人は宮間をずっと待っていた。

  「おせーな、結斗のやつ。なにしてんだ?」

  「先生と長話してるとかかな?」

  「いや、道久君。もう下校時刻だし…それはないんじゃあ…」

  「僕、ちょっと様子見てくるよ。心配だし」

  櫻田がそう言うと、隣にいた稲井が「俺も行こうか?」と聞く。

  だが櫻田は首を横に振って「大丈夫。すぐ戻ってくるから」と稲井の付き添いを断った。

  「りゅーちゃん、気をつけてね」

  「うん。行ってくるよ」

  櫻田は走って下駄箱へと向かう。

  靴をまた履き直し、まずは職員室へと向かう。

  だが、そこには彼の姿はないし、鞄も見当たらない。

  彼が黙って一人で帰ることはないと考えた櫻田はもしやと思い、階段を上がってまず3階へ。

  

  「…結斗君?」  

  誰もいない静まり返った廊下。

  彼の名を呼ぶが、返事は返ってこない。

  「結斗君、どこ?いたら返事してください」

  そう言いながら櫻田は誰もいない廊下をゆっくりと進んでいく。

  すると次の瞬間…。

  「おっ、おはようございます!!」

  「うわああっ!???????」

  突然現れた大きな物体に櫻田はすごく驚き、後ろへとこけそうになった。

  だが、それは噂の幽霊ではなく、しっかりと足がある背が高い眼鏡を掛けた男子生徒だった。

  「えっ、あっ…貴方、この間の…」

  顔は覚えているが名前が出てこない櫻田。

  「二川琳太郎君だ」

  彼女の代わりに答えてくれたのは、宮間だった。

  「結斗君。これはいったい…」

  「彼が噂の幽霊の正体だ」

  「えっ!?」

  「すっ、すみませんっ!」

  「いや、俺の後ろに隠れるのはやめてくれないか」

  「すみません、まさかこんなことになるなんて…すみませんっ」

  

  翌日話を聞いたところによると、二川琳太郎(兄)は新しい担任が来ることをきっかけに自分を

 変えようと廉太郎(弟)にも内緒で一人教室で特訓していたらしい。

  女子生徒と宮間が聞いた不気味な声は、教室で黙々としていた彼の心のストレスが生み出した叫

 びであり、それが彼らの耳に届いたものだった。

  また特訓のことは弟やE組のクラスメイトには内密にしてほしいとのことで、真相は櫻田と宮間

 と彼の三人だけの秘密ということでこの話は収まり、噂も徐々に沈静した。

  

  

 

  

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