委員会
その日のHRは、各クラスの委員長・副委員長、そしてその他委員会決めを行った。櫻田・稲井が
在籍しているA組の委員長は自ら進んで手を挙げた高見島優雅に決まった。だが、副委員長がなかな
か決まらなかったので、担任がクラスの男子生徒全員に手作りくじを引かせたところ…稲井秀太郎が
当たりくじを引いてしまい、副委員長となってしまったのだった。
「えっ!?稲井君がクラスの副委員長になったの!?」
昼休みに櫻田と稲井は東間・畑本と一緒にC組で昼食を取っていた。
「そうなんだよ。決まらないからくじ引かされて、稲井君が当たり引いちゃってさ」
「しゅーちゃん、責任重大だね。クラス委員って結構大変だよ?」
畑本に言われなくても、ここにいる全員はクラス委員の仕事が大変だということを知っている。
副委員長とはいえ、クラスの代表。号令だけでなく、集会の時には点呼を取ったり、学校行事の際は
クラスの皆を引っ張っていく重要な存在だ。
「うん。分かってるけど…もう決まっちゃったし」
担任から『一学期までだから頑張れ』と言われていたので、今更辞めたいとは言えない。高見島の
ように自ら率先して引き受けてくれる生徒がいれば話は別なのだが…彼女の他に手を挙げる者はいな
かった。
「まぁまぁ。一学期までなんだし、それまでの辛抱だって」
東間が稲井を励ます。
「そういえば、りゅーちゃんは何か委員会に入ったの?」
「うん。美化委員にね」
「お前、また美化入ったのかよ」
「悪いか?」
櫻田は中学の時からずっと美化委員会に入っていた。他の委員会に入ることも出来るのだが、自分
にやれそうにないと三年間美化委員で、双見に入学して最初の一学期に美化委員会に入ったのだ。
「悪くはないけどさぁ~違う委員会にでも入ればいいのに。同じ中学の奴、他にいないだろ?」
「そうだけど…。そういう東間はどうなんだよ?確か中学ん時、★マーク委員会に入ってたよな?」
中学入学後の委員会に★マーク委員会というのが存在していた。しかし、双見には★マーク委員会
はないので、東間が委員会に入るとするならどの委員会に入るのか櫻田は気になっていた。
「あぁ、一年は保健委員に入ってて。今年は風紀委員会に入った」
「…そのキャラで風紀委員ってどうなんだ?」
「うっせぇな。誰も手挙げねぇから、私が挙げたんだよ」
風紀委員の仕事は、生徒の服装チェック。双見では一か月に一度、風紀検査を行っていてそれに
引っかかると担任から指導を受けることになる。
「みゆきちゃんが風紀委員ならちょっと風紀検査楽しみかも」
「楽しみって…道久君、友達だからって甘く見てもらえないよ?」
「違うよ、りゅーちゃん。みゆきちゃんが風紀委員になったら…ちょっと面白いことが起こるかな
って思っただけだよ」
「おっ、おもしろいこと?」
この時、櫻田だけでなく、東間や稲井も畑本が言っている意味が理解出来なかった。




