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僕のキャラが崩壊します!!  作者: さくら
Ⅲ・3学期に突然の…
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告白と新しい目標


  

  とある日曜日、櫻田は東間と一緒に宮間家を訪れた。

  「いらっしゃい」

  「お邪魔します」「おっ、お邪魔します」

  櫻田は一度宮間家を訪れているが、東間が今回初めての訪問で若干緊張していた。

  

  「さぁ、どうぞ。中に入って」

  「なっ、なんかいつもの宮間君と違うね?」

  「東間。靴、きちんと揃えて」

  「えっ、わっ…分かってるよ、それぐらい」

  櫻田に言われて一瞬焦る東間だった。


   リビングに行くと、宮間の母親がテンションを上げて迎えてくれた。

  「いらっしゃい。櫻田さんに東間さん」

  「こんにちは」

  「はっ、初めまして。東間美雪です。よろしくお願いします」  

  「結斗君から話は聞いてるわ。皆でパーティーをするんですってね」

  「「はい」」

  「まぁまぁ~結斗君にたくさんお友達が出来て…嬉しいわ」

  「お母さん。泣かないでください」

  「だってぇ~…」

  

  嬉し泣きをする母親に『恥ずかしいからやめてくれ』と思う宮間だった。

  

  「あの…これ良かったらどうぞ」

  「あらっ。何かしら?」

  櫻田から大きな紙袋を受け取る宮間の母親。

  「カステラです。一番上の兄がこれ美味しいよって薦めてくれて」

  「あらまぁ~。そんな、良いのにぃ~」

  「いえ。私達、結斗君にはいつもお世話になってますから」

  「お母さん。皆でいただきましょう」

  「えっ、えぇ…そうね。じゃあ、いただくわね」

  「はい」

  

  カステラは、宮間の母親の大好物である。

  櫻田は宮間に『カステラを忘れずに持って来い』と言われていたので、長男の岬に相談して

 美味しいカステラを買って送ってもらったのである。

  

  それから30分後、木崎・畑本・稲井が到着し、パーティーがスタートした。

  宮間君がお手伝いさんに頼んで豪華な料理を作ってもらったこともあって、パーティーは予想以上

 に楽しいものになった。


  そして楽しい時間はあっと言う間に過ぎていき、パーティーは無事に終了。外はすっかり真っ暗に

 なったので、櫻田達は家に帰ることに。


  「今日はありがとうございました」

  櫻田が代表でお礼を言う。

  「いえいえ。また皆で遊びに来てね」

  宮間の母親は笑顔で返事を返すと、隣にいる宮間をちらっと見る。

  その視線に宮間は気づかないふりをした。しかし、「結斗君」と声を掛けられれば、振り向かざる

 を得なかった。

  「…送って行きます」

  「えぇ。夜道は危ないから、しっかり送り届けてね」

 

  東間は木崎・畑本・稲井の三人が送ることになり、櫻田は宮間と二人きりで夜道を歩くことに

 なった。断ることも出来たが、宮間の母親のこともあるため、櫻田は黙っておくことにした。


  「…今日は楽しかったね。パーティー」

  「あぁ」

  「…」

  会話が続かない。 

  話題が思いつかない。

  

  「櫻田」

  「はっ、はいっ!?なんでしょうかっ!?」

  突然名前を呼ばれたせいで、思わず大声を上げてしまった櫻田。

  「あっ…すみません」

  すぐに大声を出したことを謝罪する。

  

  「…」

  宮間は黙り込んでしまった。

  櫻田は『もしかして先程のことでお怒りに触れてしまったのか?』と、びくびくしていた。

  

  「俺は…本当は弱い人間なんだ」

  「…えっ?」

  櫻田は彼の言葉を聞いて、畑本から聞いた話を思い出す。

  それは宮間結斗の過去の話で、今とは違う『弱虫ちゃん』だった頃の宮間結斗のことを…。

  

  「今の俺を見て想像付かないかもしれないが…小学生の頃、俺は木崎と出会うまで一人も友達が

 いなかった。クラスに馴染むことが出来ずにいて、休み時間はずっと勉強ばかり。そんなことばか

 りしているせいで、ガキ大将とその子分達の標的にされて…ひどい目に遭わされてたんだ」

  「…」

  『それ、もう知ってます』とは、さすがに言いずらい空気。

  畑本から話を聞いていた櫻田だが、彼が本当にいじめられていたなんて信じられなかった。

  

  「今の俺があるのは、木崎のおかげなんだ。悔しいけど、あいつにはいろんな意味で敵わないと

 思っている」

  「…」

  櫻田は、この状況を冷静に分析する。

  いや、分析しなくても、頭を使わなくても、彼がいったい何を自分に伝えようとしているのかが

 分かっていた。


  「櫻田。俺は…」

  『ついにこの時が来た。やって来てしまった。ついに…ついにぃ…!!!』と、心の中で櫻田が

 思った次の瞬間、一人の男性が二人の間に突然入って来た。

  

  「うちの可愛い妹は渡さないぞっ!」

  男性の正体…それは、櫻田家長男・岬だった。

  「岬お兄ちゃんっ!?」

  兄の突然の登場に柳は、『なんで来ちゃうんだよぉ、この兄貴ぃー!』と心の中で叫ぶ。

  

  「なかなか帰ってこないから、酔っ払いのサラリーマンに絡まれてるんじゃないかって心配になっ

 て迎えに行けば、宮間君と一緒にいるところを発見してしばらくの間、あそこで大人しく見守ってい

 たんだけど…宮間君、うちの可愛い妹に告白するつもりだったでしょ?うちの妹は絶対に絶対にぜぇ

 ---------------ったいに渡さないからねっ!」

  「おっ、おい…」

  柳はもう終わったと思った。

  何もかもおしまいだ…と。


  「…お兄さん」

  宮間が口を開く。

  そして次に出てきた言葉は…。


  「僕は、柳さんのことを大切に想っています。それは友達ではなく…一人の女性としてです」

  「っ!?」

  「なっ…んだとぉ!???」

  「お兄さん、どうか…柳さんとの交際を許してもらえないでしょうか?」

  「ゆっ、結斗君…」

  「みっ、認めないっ!俺は絶対に認めないぞっ!!柳との交際なんて俺は絶対に認めないからっ!」

  岬の怒りは頂点に達していた。

  交際でこの調子なら結婚するってなると、いったいどうなってしまうのか…柳はとても心配になる。

  

  

  「では、どうしたら柳さんとの交際を認めてくれますか?」

  「知らないね」

  「…分かりました。では、僕達がK大に一発合格することが出来たら…交際を認めてもらえます

  か?」

  「「はぁああーー!??????????」」

  兄妹仲良く声が揃った。

  

  「ちょっと待ってよっ!?K大ってあのK大でしょ?」

  「そうだ」

  「無理無理無理無理っ!!絶対に無理だってそんなのっ!」

  「よし。その話乗ったっ!」

  「お兄ちゃん、何言ってるのっ!?」

  とうとう頭のネジが数本外れておかしくなってしまったのだろうか?

  柳は実兄を本気で心配する。

  

  「K大受験で一発合格することが出来たら…交際を認めよう。ただし、出来なかったら…」

  「ご心配なく。必ず合格してみせますよ」

  「なっ…」


  なんでこうなるんだよぉー!???????????????????


  

  

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