冬休みのある日…
冬休みといっても、夏休みよりは短い。だが、春休みよりは長い。
12月24日のクリスマス・イヴと12月25日のクリスマスを我が家で過ごした櫻田は、自分の
部屋で年賀状を書いていた。
「えっと…東間と力君は書いた。あとは…」
ぶつぶつと独り言を言いながら、年賀状を書いていると扉をコンコンとするノックの音がした。
「はーい。どうぞ」
視線を年賀状に向けたまま、扉の向こうにいる人物にそう叫ぶ。
すると扉がゆっくりと開かれ、父親が顔を出した。
「柳。宮間君が遊びに来てるよ」
「…えっ!?」
父親に言われた後、櫻田はすぐに部屋を出て下へと下りると…そこには本当に宮間がいた。
「やぁ」
「…どっ、どうも」
冬休みに入ってから、全く会っていなかったので少しぎこちない挨拶。
「どっ、どうしたの?今日は…」
まずは用件を聞くところから入る。
「たまたま外に出る用事があって、そのついでに寄った」
「あぁ~そうだったんだ。びっくりしたぁ…」
櫻田はてっきり『勉強をさぼってないか見に来た』とでも言うのかと思っていたが、そうではな
かったようで少しほっとする。しかし…。
「寄ったついでにお前の勉強を見てやろうと思ってな」
「…」
櫻田は言葉が出なかった。
だが、『嫌だ』と言えるはずもなく…結局、勉強会をやることになった。
「年賀状を書いてたのか?」
「うん。でも、出す人少ないからすぐ終わったよ」
櫻田は書き終わった年賀状を机の引き出しの中へとしまう。
「結斗君はもう書き終わったの?」
「あぁ。俺は木崎と道久の年賀状は、さっき届けた」
「えっ?」
「木崎と道久の家に年賀状を届けに行ったんだよ。どうせあいつら家にいるだろうと思って、
連絡もせずに行ったら案の定だった」
「いや…年賀状、郵便ポストに入れないんですか?」
「どうせ元旦に届くんなら、今届けても問題ないだろ。それに…」
「それに?」
「…なんでもない」
宮間は何かを言おうとしたが、言うのをやめてしまう。
「それよりも勉強だ。冬休みの宿題と俺が徹夜で作った特別課題は終わってるんだろうな?」
「げっ!?」
「…その様子じゃ、まだ終わってないんだな?そうなんだな?」
「えっ…えっとぉ…」
冬休みは夏休みよりも短い。だが、春休みよりも長い。
そんな冬休み期間のとある日、宮間結斗が突然訪問してくるだなんて思いもしなかった櫻田。
年賀状を書き終えてから冬休みの宿題をしようとしていたが、そんな早くに終われるはずもなく
、特別課題も手に付けていなかったため、宮間に軽く叱られた後…夕方まで勉強会をやる羽目にな
ったのであった。




