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僕のキャラが崩壊します!!  作者: さくら
Ⅱ・中間期末考査対策の勉強会+真保の高校受験
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木崎と宮間の関係と畑本の小悪魔ぶり


  翌日、櫻田は木崎を呼び出して人気のない場所へと連れ出した。

  変なことを企んでいるわけではなく、ただ他人に聞かれるのを恐れての行動だった。

  

  「んで、話ってなんだよ」

  「…お前に聞きたいことがある」

  「期末考査のことか?」

  「…そうだ」

  木崎はこうなることを予想していたかのように余裕な態度だった。

  

  「お前は最初S組に入りたくないって言ってた。それで僕を巻き込んで…なのにお前は、期末考査

 で全教科100点満点を取った」

   

  櫻田がS組を目指すことになったのは、木崎がS組に入ることを断固拒否したからだ。

  つまり櫻田は自分の意思でS組を目指しているのではなく、彼のために勉強しているようなもの。

  だが木崎は今回の期末考査で全教科100点満点を取ったことで、『自分はもう用済みなのでは?

 』と考えたのである。


  「前に言っただろ?俺はお前と一緒ならS組に入ってもいいって」

  「違う。僕が言いたいのはそういうことじゃなくて…そういうことじゃ……あぁっ、もうどう言

 えば良いんだぁ!?」

  的確な言葉が見つからず、櫻田は頭を抱えて悩み込んだ。

  それを見た木崎は「落ち着け」と、櫻田の頭をわしゃわしゃと乱暴に撫でる。

  おかげで櫻田は髪をぐしゃぐしゃにされて、おばけのようになってしまう。


  「お前が言いたいことは分かるよ。けど、もう少し付き合ってくんねぇか?」

  「…どうして」

  「それはまだ秘密だ。まっ、その間せいぜいその頭で考えるんだな」

  木崎はそう言うと、櫻田を残して自分の教室へと戻って行ってしまった。

  木崎が去ってしまったので、櫻田も自分のクラスに戻ろうとしたところ、入れ替わりで宮間が現れ

 る。


  「結斗君…?」

  「すまん。話は全て聞かせてもらった」

  「えっ!?」

  櫻田は思わず大声を上げた。

  すると宮間は右手人差し指を口に当てて、櫻田に「静かに」と注意する。

  それを見て櫻田はハッとなり、両手で口を慌てて塞いだ。


  「正直、あいつの考えていることは俺にもよく分からない。だが…今回期末考査満点の件もある

 し、しばらく様子見ということにしておこう」

  要するに『100点とったからその褒美ですぐには問いたださない』という意味である。


  「結斗君はそれで良いの?」

  櫻田は納得がいかなかった。

  自分ならまだ良いが、彼らにとっては良くないことだったから。

  

  「良くはないさ。けど、お前も聞いただろ?『それはまだ秘密だ』ってな」

  つまり、今はまだ秘密でもいつかその理由について話す時が来るという意味である。

  

  「その時を気長に待とうじゃないか。それにお前の頭の体操にもなるだろうしな」

  「頭の体操って…」

  櫻田は少し不機嫌になった。

  『頭の体操』にではなく、宮間の対応に。


  「そういえば、櫻田。冬休みには家族でどこか出かけるのか?」

  「えっ、いや…全然。あるといえば、クリスマス・イヴにケーキ食べて、年賀状書いて…お正月

 にお雑煮を食べるぐらいかな?」

   突然冬休みの予定を聞かれて、櫻田は正直に答える。

   だがどうしてそんなことを尋ねるのか、櫻田は全く理解出来なかった。


  「そうか。俺の家では毎年母がクリスマスパーティーを開いて一人盛り上がっているよ。全く、

 付き合わされる身にもなってほしいものだ」

  「そっ、そうなんだ…大変だね」

  

   櫻田と宮間は数分間話をした後、自分達の教室へと戻って行った。

   けれど櫻田は木崎のことが気になったので、自分よりも彼らのことをよく知る人物に相談する

 ことにした。


  

   

  「きー君とゆーと君のことで相談事?」

   その人物の名前は畑本道久である。

   彼は宮間とは中等部からの付き合いで、木崎のことは彼を通じて知り合っている。

   櫻田は昼休みを利用して彼と東間がいるD組の教室へと訪れ、場所を変えて屋上へと来ていた。

   

  「本人に聞いてもダメだったんだよね?」

  「うん。宮間君は気長に待とうとか言っているけど、本当は絶対気になってるんじゃないかって

 僕は思ってるんだ。でも、僕は道久君みたいに長い付き合いじゃないから、あまりしつこく聞けない

 し…」

  だが、櫻田がしつこく問いかけない理由はそれだけではなく、首を突っ込みすぎれば宮間の怒りを

 買ってしまう可能性があったからでもある。


  「…きー君は、ゆーと君のためにしてるんだと思うよ」

  「えっ?」

  櫻田は『全く理解出来ない』と首を傾げると、畑本は続けて語り出す。

  

  「ゆーと君が自分ばっかりに頼るから、それでりゅーちゃんを使って少しでも他の人と関わらせ  

 るようとしてるんだって僕は思うよ。今でも心の底から信頼してるのは、きー君だから」

  「…そうなの?」

  「きー君が話してたのを聞いただけで、僕が実際に本人から聞いたわけじゃないけどね。ゆーと

 君、昔はすごい弱虫ちゃんでイジメられてたみたいだから」

  「えっ…結斗君がイジめられっ子」

  

  櫻田は衝撃的な事実を知って驚いた。

  本人から聞いたわけではないとは言うが、木崎がそんなばればれの嘘を付くはずもない。だとす

 れば、畑本が話していたことは真実ということになる。

  

  「でも、そんな弱虫ちゃんのゆーと君をきー君が変えたみたいだよ。どうやったかは知らないけ

 ど、今の宮間結斗のキャラを作り上げたのは木崎文哉で、ゆーと君にとってきー君は恩師みたいな

 ものなんだよ。それか命の恩人みたいな」

  恩師はともかく、命の恩人は大げさかと思われるが、櫻田は突っ込みはしなかった。

  

  「りゅーちゃんは、きー君のやってること理解出来ない?」

  「…いえ、そんなことは」

  「そっか。りゅーちゃんはやっぱり優しいね」

  畑本に褒められたが、櫻田は苦笑いを返すのが精一杯だった。

  

  「そんな優しいりゅーちゃんにはご褒美にあることを教えてあげる」

  

  畑本は『ご褒美』と言って、櫻田に重大なことを暴露する。

  それを聞き終えた櫻田は、彼のことを『宮間以上に怖い存在』だと恐怖した。

  しかし、そのあとから『木崎と宮間のための作戦がある』と言って櫻田にその作戦内容を話すと、

 櫻田はその作戦にいちかばちかではあるが、彼の作戦に乗ることを決意したのだった。

 

  

  

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