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僕のキャラが崩壊します!!  作者: さくら
Ⅱ・中間期末考査対策の勉強会+真保の高校受験
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目的


 翌日、中間考査の試験範囲がHRで発表された。担任からプリントが配られて見てみると、一学期中間

 より範囲が多いのが一目で分かる。だいたい宮間が予想していたとおりではあったが、気を抜くわけに

 はいかない。HRが終わり、担任が教室を出たところで、櫻田は範囲のところに印を付けようと机の中

 にある教科書を取り出そうとした。だがその前に「櫻田さん」と稲井に声を掛けられる。

 

 「ん、なに?」

 「今回のテスト範囲、結構多くない?」

 隣の席の稲井はHRの時は起きている。だが授業に入るとすぐに寝てしまう。

 

 「そうだね。でも、だいたい宮間君に教えてもらった範囲内だから…なんとかなるかな?」

 「宮間君って頭良いんだよね」

 「うん。鬼教師だけど」

 「今日もやるの?勉強会って」

 「うん。やるけど…」

 

 

 その日の放課後、櫻田は掃除を終えて稲井と共に少人数教室へやって来た。


 「こんにちは」

 「お邪魔します」

 「しゅーちゃん、りゅーちゃん、こんにちはっ」


 稲井が少人数教室を訪れた理由はもちろんテスト勉強をするため。今回の試験範囲発表でちょっと

 まずいかもしれないと考え、勉強会に参加したいと申し出たのである。


 「稲井君は苦手科目とかあるのかな?」

 「あっ、えっと…社会と国語が苦手です」

 同級生であるのに稲井は宮間に対して敬語で話してしまう。これから教えてもらう立場からすれば

 それも仕方ないかもしれない。


 「じゃあ、まずそこから始めてみようか。残り三名も分かってるな?」

 「「「はーい」」」

 

 三人は声を揃えて宮間に返事をする。だがそのすぐ後に櫻田は畑本にあることを尋ねた。

 「道久君、そういえば東間は?」

 

 ここにいるのは櫻田・木崎・宮間・畑本・稲井の合計五名。彼女の姿が見当たらないことに気づいた

 櫻田。すると畑本は…「声掛けようとしたら、すぐに教室から出て行っちゃったんだ」と説明する。


 「あいつ…逃げやがったな」

 東間がやりそうなことだ。と櫻田は思った。



 「ところでこの教室って何時まで使えるの?」と稲井が宮間に尋ねる。

 「テスト一週間前だから、少し早めに切り上げることになるな」

 「普段は何時までするの?」

 「6時には切り上げるようにしているよ。でないとさすがにまずいからね」

 「そうなんだ…あっ、ごめん。ここの問題が分からないんだけど…」

 

 それから6時5分前となるまで、勉強会は続いた。

 帰りは木崎・宮間・畑本は同じ方向。櫻田と稲井が途中まで一緒ということで学校の校門前で

 別れる。その帰り道のことだった。


 「宮間君のおかげで今回のテストはなんとかなりそうだよ。前回の中間・期末ともぼろぼろで補習

 くらっちゃったからさ」

 「そっか。僕はあの時から勉強会してたから助かってたけど…受けてなかったらきっと僕も補習行き

 になってたかもしれないな」

 

 あっと言う間に過ぎて、一年という期間も半年を切った。本当に時間というのは、長いようで早いも

 のだと何度も感じられる。そう思っていた時、稲井が櫻田にこう尋ねてきたのだ。


 「櫻田さんって、S組に入るために勉強会に参加してるんだよね?」

 「うん、そうだよ。いろいろあってね」

 

 そう…いろいろだ。櫻田個人はS組に入るつもりなどこれっぽっちもなかった。ただ木崎と宮間が

 自分を巻き込んで、いつの間にか勉強会という存在が当たり前のようになっていったのだ。深い意味

 などない。

 

 「櫻田さんなら絶対に入れるよ。俺、応援する」

 「あっ…うん。ありがと」

 

 それから少ししたところで稲井と別れた。一人になったところで彼女は少しの間だけその場で先程の

 …勉強会のことについて考えてみた。理由はどうであれ、彼らにあっていなければ自分はいったい何

 をしていただろうかと。最初は新しい生活だから集中して取り組めたかもしれないが、少なくとも今

 まで取れなかった成績を自分の力で取ることは難しかっただろうし、あそこまで積極的に取り組くこ

 とはなかっただろう。自分は後悔していない。


 「…今は前を向いて、次のテストを頑張らないと」

 

 櫻田はそう自分に言い聞かせて、まっすぐ自分の家へと帰って行った。

 

 

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