表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
僕のキャラが崩壊します!!  作者: さくら
Ⅱ・櫻田家訪問
36/75

帰り道


大富豪を2、3回ほどし終えると、時刻はすっかり夕方になってしまった。


「じゃあそろそろお暇させてもらうよ」

「あっ。途中まで送りますよ」

「お前は夕飯の支度があるだろ?」

「でも…「それともまだ俺にいてほしいか?」

「…」

 柳は言葉を失った。自分はそんなつもりで言ったわけじゃない。ただ送ってもらったから、なんとなく

 自分も途中まで送らなければいけないかなと思っただけなのに…。


「何て顔してるんだ。冗談に決まってるだろ」


 それはまるでからかっているかのようにも見えた。

 どんな顔をしていたのかは分からないが、どうやら彼は柳が何を考えていたのかだいたい予想がつい

 ているようだ。だが、『冗談』と聞いてしまうと柳はなんだか寂しい気持ちになってしまう。それが

 いったいどういう意味での寂しいかは分からないまま…。


「お姉ちゃん、夕飯の支度なら私がやっておくよ。今日はお父さんもいるし」

「えっ…?」

 

 姉達の会話を黙って聞いていた妹は、空気を読んだ。そして『自分が夕飯の支度をしておく』と言っ

 た後に『父がいるから』と付け足して、姉が宮間を送れるように配慮する。正直ここまでされてしま

 っては『いや、送らない』なんて言えず、柳は宮間を途中まで送ることにした。父親に『宮間君を

 送ってくる』と一言告げてから、柳は宮間と共に家を出た。


 

 家を出てから少しして、宮間は柳に話しかける。


 「予想以上にいい気分転換になった」

 「それは…良かったですね」

 これは素直に喜ぶべきなのだろうかと彼女は悩む。だがご機嫌が良いことは間違いない。ここで

 悪い方向へ行かせないため…「次の気分転換には東間の家とかどうですか?」とさりげなく聞いてみ

 る。すると宮間は少し間を空けて「あぁ。それも良いかもしれないな」と答えたので、柳は心の中で

 『よしっ!』と叫ぶ。


 「だが、その前に中間考査の対策だ」

 「…ですよね」

 

 だが、喜びと同時に現実が突き刺さった。勉強という名の試練+現実だ。

 柳は勉強会のことをすっかり忘れていたわけではない。今日は宮間が櫻田家に来たことで長男が

 帰って来たこともあり、少しだけ勉強という言葉が頭から離れていただけ。中学の頃ならそんなこと

 全然考えていなかったのに…。


 「櫻田」

  宮間に呼ばれた瞬間、身体がビクッと反応し「はいっ!?」と大きな声を出した後、「なんでしょ

 う」と尋ねる。すると宮間は足を止めて「もうここでいいぞ」と彼女に答えた。そこは昨日二人が

 帰りに分かれた場所の近くだった。どうやら考え事をしていたため気づかなかったらしい。

 

 「あっ…はい。じゃあお気をつけて」

 「あぁ」

 

 柳は宮間に軽く頭を下げた後、来た道を戻って家に帰った。宮間は彼女の姿が見えなくなるまで、そ

 の場を動かなかった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ