自業自得・・・・
昼食を食べ終わった後、櫻田と宮間は二階へと戻り勉強を再開する。休憩時間は虎二郎に元気をもら
ったこともあって時間はあっと言う間に過ぎ、気がつけばもう帰る時間帯になっていた。
「あらっ、もう帰っちゃうの?」
階段から下りる音を聞いたのか、宮間の母親がリビングから現れ二人に声を掛ける。
「えぇ、これから家に帰って、夕食の準備をすると。彼女は四人兄妹の長女でお父様と次男のお兄さ
んと妹さんの四人で暮らしていて、いつも妹さんと一緒に作ってるみたいですよ」
「まぁ、そうだったの」
息子から話を聞き、宮間の母親は櫻田に視線を移すと突然彼女の手を優しく握る。
「あっ、あの…」
「何か困ったことがあったら遠慮なく言ってね。私、何もできないかもしれないけど」
「えっ…あっ…その…」
「お母さん、いきなり何を言いだすんです?」
「だって…」
「あっ、あの…ありがとうございます。そのお気持ちだけで十分ですので」
困ったことがあったらと言われても…ねぇ。
「今日はありがとうございました」
「また家に遊びに来てね」
「ありがとうございます。じゃあ…「お母さん、途中まで彼女を送ってきます」
「えっ!?」
「そうね。女の子一人だと危ないし」
「あっ、あの…「では行ってきます。…行くぞ」
「あっ…はい」
「気をつけてね~」
結局、櫻田は宮間に途中まで送ってもらうことになったのでした。
「結斗君、別に送らなくても大丈夫だったのに」
「何を言う。もし帰る途中で何かあったら困るから、その対策をしただけにすぎない」
「あっ…そっ、そうですよね。ごめんなさい」
聞かなきゃよかったよ、ちきしょう…。
「櫻田」
「はっ、はい!すみません、聞かなきゃよかったなんて思ってごめんなさい「そうじゃない」
「えっ?じゃあ何?」
「…また家に来い。あの人も喜ぶだろうから」
「あの人って…お母さん?」
「そうだ。他に誰がいると思う?」
「…いえ」
あの人って…自分のお母さんなのに、なんか他人みたいだな。なんでだろう?そう考えていると
もう家に近い場所まで来たため、櫻田は宮間に声を掛ける。
「結斗君、もうここで大丈夫だよ」
「そうか。じゃあ気をつけて帰れよ」
「うん、ありがとう。あの…もし良かったら、今度は僕の家に遊び…いやっ、勉強しませんか?」
「今、遊びにって言いかけただろ?」
「きききっ、気のせいです!!結斗君の家に比べたらすごく狭いし、お手伝いさんとかいないけど」
「分かった。近いうちにお前の家に行こう」
「えっ!?」
絶対断られるだろうと思っていた櫻田は宮間の言葉を聞いて驚く。だが、それには彼なりの理由が
あった。
「毎日勉強ばっかりしていると疲れるし、気分転換も必要だ。お前がそこまで言うなら明日にでも
行ってやろう」
「えっ、明日っ!??」
「何を驚いてる。お前が言い出したことだろ?」
「えっ、いやだって「それとも今の言葉を撤回する気か?」と宮間は櫻田に見えない圧力を掛ける…
それも鋭い目つきで。
「…いっ、いえ。そんなことは」
櫻田は後悔した。言わなきゃ良かったと。
「よろしい。じゃあまた明日」
「はい…また明日」




